弐拾六 VS 紫三人組
西暦7000年 濃霧の森奥地 sideベリー
ラテ、凄いよ!!
まさかあの石が鍵になっていたなんて、予想外だったよ!
「霧、晴れたね。“命の灯”って、あの石の事だったんだね。」
フライが言った。
「たぶん、フライが像の文字を解読しなかったら分からなかったと思うよ。……でも、解読っていうのかな?」
「でも、いいんじゃない?謎が解けたのには変わりないんだし!」
フライ達の時代の文字らしいから、解読したとはいえないのかな?………たぶん。
わたしはひとりでこう思いながら、何気なく空を見上げた。
………………!?
「何あれ!??」
わたしは大声をあげた。
だって、空に大きな何かが浮いてるんだよ??
「ベリー?どうしたの?」「ベリーちゃん、どうしたの?」「ヘイ、どうかしたのか?」
3人が声を揃えた。
「ラテ、フライ、シザーさん、上を見てみて!!」
「「えっ?上?」」
ラテとフライが不思議そうに見上げた。
とにかく、みてよ!!
「!?あんなことろに??」
「ヘイ、もしかして、あれが[霧の湖]じゃないのか!?」
「どうりで、今まで場所が見つからなかったわけだ。」
フライ、シザーさん、ラテの順番で言った。
霧があれを隠していたのかもしれないね。
「ラテ、ベリー、フライさん、先に進んでください!自分が親方様に知らせて来ますから!」
「えっ?でも、シザーさん!?」
シザーさん!?ちょっとまって!
「これは3人の手柄だ。だから………。」
シザーさんがそう言い残してベースキャンプの方に走っていった。
「シザーさんもそう言ってるから………」
フライが言っているところに………、
「クックックッ、ご苦労だったな。」
割り込んで…………この声は、まさか………。
「へっ。」「けっ。」
「「“ドクローズ”!?」」
そう、あの三人組……。
「俺様達が[霧の湖]のお宝を頂く!“悠久の風”お前にはここでくたばってもらおう。フライさん、あなたも例外なくな!!」
まさか……ちからづくでいく気!?
「あんた達、シルクの事といい、あの朝の事といい、全く反省してないようだね!!ボクもあんた達には腹がたっていたんだ!戦うなら、望むところだ!!」
「へっ、たかが学者が探検隊に勝てるとでも思ってるのか!?」
フライ、完全に戦う気だよ……。それに、フライのあんな表情、初めて見たよ……。
子分2人が眉をつり上げて挑発。
「メタン、あれいくぞ!」
「わかったぜ、兄貴!」
あれって、まさか………
「「食らえ!毒ガススペ………」」「[ドラゴンク………]………」
張り詰めた空気………、バトルが…………、ん?林檎?
両者の間に赤い木の実……、なんで??
「あーん、まってーー!」
そこに場違いな、呑気な声。
親方様???
「やっと捕まえたー。[セカイイチ]が無くなったら、僕は………。」「「「「「「………………」」」」」」
親方様………、本当に[セカイイチ]が好きなんだね………。
この愉快な光景に一同は絶句………。
親方様、完全に場違いだよ…………。
「あっ、みんなこんな所で何してるのー?“悠久の風”、遊んでないで早くしらべてよね。」
「えっ!?でも、親方様?」
わたし達、見つけたんだけど………。
ラテが親方様に…………。
「僕の指示が聞けないの?僕、怒るよ?」
「……………ラテ、いこっか?」
「………うん。」
………………親方様を怒らせないほうが……、だから。
わたし達は、このばをあとにした。
………
sideシルク
チェリー、いい人だったわ!
一時はどうなるかと思ったけど………、無事に済んでよかったわー。
それに、凄くフレンドリーで、すぐに友達になれそうだわ!
私達が普段いる場所も伝えたから、きっとまた会えるわよね?
ええ、きっとそうね。
そんな事があって、私とウォルタ君はチェリーとわかれ、[濃霧の森]を抜けたわ。
でも、さっきからその霧が晴れているわ。
「シルク、天気良くなったね。」
「ええ、おかげで五感が冴えてきたわ!」
何故かはわからないけど、まあ、いっか!
「…………にらめっこなら負けないよー!」
ん?この声は、ラックさん?
「シルク?この声って………。」
「ええ、ラックさんね。行ってみましょ!」
「うん〜。」
調査の報告がしたかったから、ちょうどいいわ!
私達は声のする方に走りだしたわ。
「…………、探検家、ラックもここで終わりだな!」
うなるような声を、研ぎ澄まされた私の聴覚が捉えたわ。
………この声は……Br!?
「ふぇ?」
「メタン、今度こそ!」
まさか、あいつら、ラックさんにまで………。
どうにかして止めないと!!
でも、走ってでは間に合い走にない………。距離は大体25m……。
あと5mで私の[テレパシー]の伝達範囲内………。
「アニキ、任せろ!」
4m、
「ん?何がー?」
3m、
「「食らえ!!」」
2m、
「「毒ガス……」」
1m、もう少し!
「「スペシャル……」」
0m、
〈そこまでよ!!〉
私はありったけの力で念じたわ。
「「「「!!?」」」誰だ!?」
一同は驚きの声を漏らし、Brは辺りを見渡したわ。
〈あんた達に名乗るつもりなんて微塵もないわ!![絆]の橋を架けようとしているラックさんにまで手を出すなんて………許せないわ!!〉
語りかける間にも到着。
ラックさんにまで……………、許せない!!
私は怒りの炎の燃やす。
[絆]を壊そうとするなんて………、
「ウォルタ君、[マッドショット]と[水鉄砲]、借りるわよ!![サイコキネンシス]!」
私は臨戦態勢に入る。
「クックッ、姉ちゃんにケンカを売られるなんて、俺様もナメられたものだな!」「えっ!?うん〜。[マッドショット]〜!」
ウォルタ君は泥の塊を打ち出したわ。
よし、まずは一色。
「けっ、アニキ、やってやるか?」「[シャドーボール]!」「[水鉄砲]〜!」
「俺達は売られたケンカは買うぜ?へっ。」「[目覚めるパワー]!」
よし、これで準備できたわね!
地、霊、水、竜、そして、さっき取り出した[木の枝]の草、5色が揃ったわ!
「♀相手でも容赦しねぇぞ!」
「望むところよ!!」
「俺達に刃向かったことを」
「思い知らせてやる!!」
…………私の、[絆]を守る闘いが幕をあけた。
「[絆]の名に賭けて……、いくわよ!![瞑想]!」「「[スモッグ]!」」
私は目を瞑り、精神統一。
BrとCH4は汚染物質を吐きだす。
ヤツの半径3m………漂っているわね。
私は超能力の影響範囲を広げ、その物質を採取した。
毒も加わり、これで6色。
私は目を開けて、回り込む。
「[超音波]!」
そこにすかさずバットが音波を放つ。
「あまいわね。まずは毒と水から!」
ここで最初の一手、水色と紫を化合。薄い青紫の弾を生成。
それを私は2つに分裂させる。
「もらった!![辻切り]!」「まずはあんたたら!!っ!」
私は速攻で2球を衝突、進行方向に拡散させた。
対してBrは私に攻撃を仕掛ける。
「まだまだね!」
私は垂直に跳び、かわす。
「[エアーカッター]!」「[ヘドロ爆弾]!」
そこに待ちかまえていたかのように2つの技が飛ぶ。
「「くっ!」」
「へっ!ざまあみろ!!」
命中。
……でも、それほどダメージはないわね……。
その間にもBrにダメージ。
第一段階、突破。Brの守りは配合した毒の効果で崩れたわ!
次は………
「地と竜、[シャドーボール]!っ!」
二色を混ぜながら漆黒の弾を落下しながら、下に発散。
上昇気流が発生。
私は再び宙を舞う………。
そして、くすんだ群青色の弾が完成、分裂させた。
「自ら追い込まれにいくなんて、学者も馬鹿だな!」
「それはどっちの事かしら!?これをかわしてからものを言いなさい!
」
私は簡単には挑発に乗らないわ!!
私はすぐに発射し、群青色の雨、素速さ減退効果を秘めた小弾を生成。
「「[スモッグ]!」」「[エアーカッター]!」「最後に草と霊!」
相手も応戦、さあ、かわしきれるかしら?
そして、残りの2色で暗緑色の弾を生成、発射したわ。
「何っ!?防げないだと!??」
小弾は相手の技を打ち消し、残った弾が降りそそぐ。
「「「っ!!」」」
ステータスに関わるものはダメージは与えられないけど、確実に能力を下げる。
このタイミングで、暗緑色の弾が地面と平行に拡散、しかも霊の効果で飛散数が増加。
「!?素速さが落ちた!??」
やっと気づいたのね。
そこに重力の作用で暗緑色の弾も降りそそぐ。
「うぐっ!!…………クソっ!お前ら……あとは…………頼んだぞ……。」
守備が下がったBrは崩れ落ちた。
「…………、クソっ![吸血]!」「アニキ!!っ!」
「っ!」
着地した私にバットが噛みつく。
……体力を吸い取るワザね……。
効果は抜群だけど……、ピンチはチャンス……。
「[サイコキネンシス]!」
ヤツを拘束。
「くっ!」「バット!![ヘドロ……]……」
メタンも接近。
私はそっちに飛ばす。
勢いをつけて技を解除。
「[目覚めるパワー]、[シャドーボール]連射!」
私は口元で竜と霊を混ぜ合わせた。
「メタン、よけろ!!」
「…爆……!?」
そこに向けて放つ。
膨張しながら、3発がヤツらに飛んでいった。
「「ぐっ!!」クソっ!♀如きに…………やられるとは………。」
命中。
2人も崩れ落ちた。
結果、私の勝利。
…………久しぶりにダメージを受けたわ……。