壱 始まりを告げる光
西暦20XX年Y月 とある森 sideシルク
「シルク、ボク達はこれからどうする?」
「そうね、みんなはそれぞれしたい事があるらしいわね。」
私は今、町のはずれの森でフライと自由時間をどう使うか相談中。
これからどうしようかしら?
「せっかくだから、この森を散策してみない?」
「いいわね。 私達には買ってもらったこの通信機があるから、どこにいても連絡がとれるわね。」
「そうだね。使う度に便利さを実感するよ。」
本当にそうよね。あっ、説明がまだだったわね。私達は手ぶらではないのよ。私達は私達のトレーナーにイヤホンタイプの小型の通信機を買ってもらったのよ。太陽光発電で、充電する必要がないらしいわ。
持ち物の説明はこのくらいにして、話に戻ろうかしら。
「シルク、まずは空から見てみない?」
「そうね。フライ、いつも通り頼んだわ。」
フライ、背中に乗せてもらうわよ。
「あっ、ちょっと待って!何か声が聞こえない?」
「声?」
フライに言われて周りの音を注意深く聞いてみようかな。
………何を言ってるのか分からないけど、確かに聞こえるわね。
「ええ、私にも聞こえたわ。 こっちに近づいてくるわね。」
「誰だろうね。行ってみ………」
「ハァ、………ここまで……来れば……渡れる……かな?」
声が近づいてきたわね。全身傷だらけで黄緑色の小さな……えっ!?傷だらけですって!?
「シルク、この人、いったいどうしたんだろう……あのー、どうかしたの?」
フライ、代わりに聞いてくれたのね。
「……もうこの時代には………しばらく………来ない方が……いいかもしれない……」
種族は分からないけど、この浮遊しているポケモン、フライの声が聞こえていないのかしら?
「すみません、大丈夫です……」
「時渡り!!」
そのポケモンが私達の上で叫んで……光が発せられたわ。
…………!?
「「!?光が、こっちにくる!?」」
光が私達のところまで来て、私達も包み込んで………えっ!?どういう事!?
「シルク、この状況不味くない!?」
「そうね! とにかく、すぐに脱出しないと……」
いけないわね、そう言おうとしたけど、突然身体が浮遊感に包まれて……。
「「!!?」」
私達はそこで意識を失ったわ。