とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§5 an archeological society
twenty-ninth
AM8:30 カイナシティー

「ここからが勝負だ!」
「望むところだ!」

気温が少し上がり始め頃、2人は3つ目のボールに手をかけた。

「フローゼル!頼んだ!」「エーフィー、絶対に勝つよ!」
〈うん!〉〈ええ。やっぱり最後はあなただったわね。〉

両者共にエースを出した。

「[アクアジェット]で先制攻撃や!」「「最大まで[瞑想]で溜めて!」
〈うん。いくよ![アクアジェット]!〉〈ええ。………………。〉

フローゼルは水を纏い、急接近した。
対して、エーフィーは目を閉じて、精神統一を始めた。

〈いきなり溜め技なんて、余裕だね!〉
〈………………〉

フローゼルは、そのまま突っ込んだ。
一方のエーフィーは、目を閉じたまま技をかわした。

「〈えっ!?かわされた!?〉目を閉じてるはずやのに!?」
「カエデ、エーフィーは<太陽ポケモン>。天気がいいと五感が冴えるらしいんだよ。エーフィー、終わった?」
〈…………よし。終わったわ!〉「なるほど。フローゼル、一気にいくで![ハイドロポンプ]に[冷凍ビーム]、そして、[ソニックブーム]!」
〈うん![ハイドロポンプ]!〉「うん。[シャドーボール]に[目覚めるパワー]、[サイコキネンシス]!」
〈前に編み出しやつね。[シャドーボール]!〉

フローゼルは高圧の水流を放ち、エーフィーは口元に漆黒のエネルギーを溜め、頭上に放った。

〈[冷凍ビーム]!〉〈[目覚めるパワー]!〉

相手は瞬時に水柱を凍らせ、対して漆黒の弾より速い速度で、それに向けて暗青色の弾を放った。
次第に両者の合わせ技が完成していく……。

〈[ソニックブーム]!〉〈[サイコキネンシス]!!〉

真空の刃で氷塊を破壊、相手は超能力で二色の弾を混ぜ合わせた。
エーフィーに向けて鋭利な氷片が飛び、フローゼルには膨張する暗黒の弾が飛ぶ。

「エーフィー、弾丸に小さめの[シャドーボール]を高速でぶつけて!」
〈わかったわ![シャドーボール]!〉

すぐにエアガンの弾程の弾を放った。

〈デカい!?〉〈すごい数!?〉

巨大な弾に小球がぶつかり、無数の小球に分裂した。その後も膨張は続く……その数、30以上。

〈!? かわせない!? っっ!〉〈!! [サイコキネンシス]!〉

三割程度の[瞑想]により最大限まで強化された弾、もはや実体のない鉛弾が命中した。
エーフィーは間一髪[サイコキネンシス]で受け止めたが、いくつかは止められずに命中した。

〈………一つ一つが…………凄い……威力だ………。〉〈あなたの…技もね…。ここまで、追い込まれたのは……久しぶりだわ。〉

両者共に致命的なダメージを受けた。

「次に命中した方が勝ちやな。[アクアジェット]!」「その氷片と[目覚めるパワー]を混ぜ合わせて!」
〈うん。……[アクア……ジェット]。〉〈わかったわ。…[目覚めるパワー]。〉

フローゼルは水を纏った。
エーフィーは自身の技て漂わせている氷の大粒に暗青色の弾を打ち込んだ。〉

〈これで……最後だ!〉

フローゼルはエーフィーに急接近した。

〈さすがに…この状態だと…キツいわね。〉

エーフィーはなんとか技をかわした。

〈どうなるか…わからないけど、これで…最後よ!〉

エーフィーは背後をとり、2つの粒子を混ぜ合わせながら放った。

〈!! しまった!〉

混ざった結果、ドラゴンタイプである[目覚めるパワー]を中心に氷片が螺旋状に渦を巻き、暗青色の弾は消滅した。

〈っ! 自分の………技を………受けるなんて……。〉
「エーフィー、化学者みたい……。」

技はヒットし、フローゼルはたおれた。

「……負けた。俺の負けやよ。」
「ここまで追い込まれたのはあの時以来だよ。カエデは僕が今まで会ったトレーナーの中で5本の指、いや、3本の指に入るくらい強いよ!」
「ユウキ、君は2つ星ぐらいの実力あるとおもうよ。」

一時間に及んだ激戦は僅差でユウキに軍配が上がった。

AM9:30 カイナシティー ポケモンセンター

「お二人のポケモンの回復は完了しました。」
「「ありがとうございます。」」

2人はそれぞれ3つのボールを受け取った。

「ユウキくん、これからどうするの?」
「僕は昨日見れなかった市場に行くつもりだよ。カエデは?」
「俺は今日は休暇やな。 ユウキ、どうせなら、お互いの情報を交換せんか?」
「うん。そうだね。歩きながらしよっか。」

三人は晴れ渡る屋外に出た。

 2分後 

「みんな、お待たせ。」

ユウキは5つのボールを投げた。

〈エーフィー達のバトル、結構すごかったみたいだね〜。〉
〈ハイレベルだったらしいな。〉
〈うん♪初めてみる種族だったけど、すごく強かったよ♪〉
〈はい。僕は全く歯が立ちませんでした。〉
〈私もかなり追い込まれたわ。〉
「そういえば、ユウキはジョウトの出身やったな。」
「うん。エーフィー以外は旅立った時に加わったメンバーだよ。」
《僕が一番新規のメンバーです。》
「!?またテレパシー!? ユウキは伝説に関わってるって言っとったから……。」
《はい。僕はコバルオンと言います。僕の種族は準伝説です。》
「伝説……。俺は伝説のポケモンに勝ったんやな?」
《そうなりますね。》
《カエデさんは他にどんなポケモンをつれてるの?》

エーフィーが聞いた。

「ユウキも全員出したみたいやし、俺も出すよ。」

カエデも5つのボールを投げた。

〈あのレベルのバトルは初めてだよ。〉
〈Oh.本当に!?〉
〈確かに、強かったな。〉
〈いいなー。俺も戦いたかったなー。〉
〈ピジョット、また戦える機会があるとおもうよ。〉
「左から、さっき戦ったフローゼル、ジュゴン、ウィンディー、あと、ピジョット、ライチュウだよね?」
「うん。あたりやよ。」
「確か、ライチュウって、ピカチュウ(ユウキ)の進化系だよね?」
「うん。(僕はなれなかったけど……。元が人間だからかな……)」
「ユウキのほうは?」

カエデも聞いた。

「右からエーフィー、コジョンド、スワンナ、ジャローダ、コバルオンだよ。」
「エーフィー以外はイッシュのポケモンやな?」
「うん。」
〈よろしくね〜。〉〈よろしく♪〉
〈よろしくな。〉
「とりあえず、顔合わせも済んだし、本題に入ろうか。」
「そうやな。」

ここで話題を変えた。

「ユウキはどんな伝説の調査をしとるの?」
「僕はこの地方のどこかにある結界に封印されたポケモン、[デオキシス]についてだよ。…“直接見ようとは思わないけど………」
《封印を解いたら、大変なことになるらしいのよね。》
「へぇー。俺はこの地方の4つの宝具、[岩の封印石]、[氷の封印石]、[鋼の封印石]、そして、[封印の鍵]の発掘、調査やよ。」
「えっ!?何で知ってるの!?」

ライトが顔色を変えて言った。

「伝記を読んで……。」「えっ!?ライト、何かマズいことでもあるの!?」

2人は異なった反応をした。

「今まで黙ってたけど、その4つの宝具は封印を解くためのキーアイテム、いわゆる<パンドラの箱>だよ!もし、封印を解くような事があったら………この地方……いや、世界の破滅を招くことになるよ……。」
〈ということは、宝具を見つけても決して封印を解いてはならないということだな。〉
〈プラズマ団みたいな組織には絶対に渡してはいけないですね。〉
〈だから、ライトの一族はその宝具を護ってるんだね♪〉
「うん。 正確には、そのうちの2つしか護られてないけど………。で、残りの2つは誰もたどり着かないような秘境に隠されているよ。 詳しい場所は知らないけど……。」

ライトは宝具についての説明をした。

「なるほど。 とにかく、俺達がすべきことは、奪われることがないように、護られてない2つの宝具が隠されている場所の調査やな。」
「カエデさんも協力してくれるんだね?ユウキくんぐらい強いし、心強いよ。 ありがとう。」
「なら、決まりだね。2人で手分けして場所の調査だね。」
〈本格的になってきたね。〉
〈That’s right!絶対に見つけ出さないとね。〉

全員が結束した。


§5 End. To be continued.

@ ( 2013/05/18(土) 00:38 )