twenty-eighth
AM8:00 カイナシティー 公民館前
昨日の夜は作戦会議に時間を費やし、早めに睡眠をとった。
〈カエデさんはまだ来てないみたいね。〉
「うん。ちょっと早く来すぎたかな……。」
〈ねぇ、そのカエデって言う人は誰なの♪?〉
「昨日言ってた、協力してくれる学者さんだよ。」
〈そういえば、一つ星のトレーナーって言ってたな。〉
〈なら、手の内を読まれると行けないので、僕達は一度ボールに戻っていたほうがいいですね。〉
〈そうだね〜。一応公式のバトルだもんね〜。〉
〈そうだね♪〉〈そうだな。〉
〈ユウキ、戻してくれるかしら?〉
「うん。」
ユウキはメンバー全員をボールに戻した。
「カエデさんはどんなポケモンを使うんだろうね。」
「フローゼルは確実だろうね。」
2人が話していると、
「ユウキ、待たせたね。」
「僕もさっき着いたばかりだよ。」
「よかった。 ルールは3対3、どちらかのポケモンが倒れた時点で、もう一方も交代する、これでええな?」
「うん。それでいこうか。」
2人はボールを一つ手にとった。
「よし、ウィンディー、いくで!」「[絆]の名の下に、スワンナ、いくよ!」
〈相手は水タイプか。〉〈うん♪いくよ♪〉
「カエデ、君はシンオウの出身じゃなかったの?」
「シンオウリーグは難関やから、俺が制覇したのはカントーやよ。ユウキこそ、違う地方やったんやな。」
「育ちはジョウトだけど、途中で移住したからね。じゃあ、始めようか。」
2人のバトルの幕が上がった。
「ウィンディー、まずは[火炎放射]だ!」「[アクアリング]!」
〈お手並み拝見だ![火炎放射]!〉〈うん♪[アクアリング]!〉
ウィンディーは燃え盛る炎を放った。
対してスワンナは水のベールを纏った。
スワンナは放たれた炎を容易くかわした。
「接近して[噛み砕く]!」「加速しつつ[冷凍ビーム]!」
〈よし!わかった〉〈うん♪〉
相手は接近、対して旋回しつつ加速した。
スワンナは急降下して、
〈[噛み砕く]!〉〈[冷凍ビーム]♪〉
結果、相打ち。
「やっぱり一発ではいかんな。」
「そっちこそ!スワンナ、まだいける?」
〈うん♪大丈夫だよ♪〉
「よし、スワンナ、あれ、いくよ![ハイドロポンプ]!」「[神速]!」
〈よし!攻めるか![神速]!〉〈わかったよ♪[ハイドロポンプ]!〉
両者共に高速で技を出した。
〈[ブレイブバード]!〉
スワンナはすぐに放たれた高圧の水流に突入した。
軌跡が2つに裂けた。
〈なかなかのスピードだね。〉
〈そっちこそ♪〉
ウィンディーは軽い身のこなしで技をかわした。
「一筋縄ではいかないね。スワンナ、[アクアリング]を飛ばせる?」
〈うん。実戦では使ったことないけど、やってみるよ♪[アクアリング]!〉
スワンナはウィンディーに急接近して、水をリング状にして飛ばした。
「[冷凍ビーム]で凍らせて!」「[火炎放射]で牽制!」
〈やっぱり初速が足りないな♪〉〈[火炎放射〉!〉
ウィンディーは至近距離で炎を放った。
〈!!っ![冷凍ビーム]!〉
炎がかすめた。
すぐに水を凍らせた。
ここまで、スワンナが高圧の水流を放ってから4秒。
「すごいスピード、全く見えない!?」
ラインはあまりのスピードに目を奪われている。
〈!?拘束された!?〉
〈よし!〉
ウィンディーの四肢に氷がまとわりついた。
「えっ!?」「スワンナ、一気にいくよ![ハイドロポンプ]に[ブレイブバード]!」
〈うん♪[ハイドロポンプ]!〉〈ヤバい!?火炎放射]〉
ウィンディーはまとわりついた氷を溶かし始めた。
その間にスワンナは高圧の水流を放つ。
〈[ブレイブバード]!〉
淡い光を纏い、水流に突入した。
〈よし!溶け……!?しまった!? うっ!?〉
技は命中した。
「ウィンディー!?一発で!?」
〈ごめん………油断した………〉
「うん。大丈夫だよ。おつかれ。次は、ジュゴン、頼んだ!」
〈OK!〉
「スワンナ、おつかれ。コバルオン、次、よろしく!」
〈はい!任せてください!〉
それぞれ二体目を出した。
「今度は負けやんで![吹雪]!」
〈Sure.任せて![吹雪]!〉
「動きを鈍くする作戦か。[神秘の守り]!」
〈はい![神秘の守り]!〉
ジュゴンは暴風雪を引き起こした。
対してコバルオンは光のベールを纏った。
〈つ!すごい風……。〉
「[ラスターカノン]!」
〈っ!はい![ラスターカノン]!〉
コバルオンは白銀のエネルギーを溜めて放った。
「[アクアジェット]で接近!」
〈OK![アクアジェット]!〉
ジュゴンは水を纏って、白銀の弾をかわし、急接近した。
〈!! …………速い…。〉
「[正義の剣]!」「[絶対零度]!」
〈……はい![正義の…剣]!〉〈この距離なら……[絶対零度]!〉
両者同時に技を出した。
〈よし!命中しまし………!?っ!一撃……………技………〉〈くっ、……よし。あたった!〉
コバルオンは一撃必殺技を受けて倒れた。
「一撃必殺技、相当なレベル……。コバルオン、おつかれ。」
〈すみません、……耐えられません……でした。〉
「これで1対1やな。」
「うん。ここからが勝負だ!」
「望むところだ!」
2人は3つ目のボールに手をかけた。