とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§5 an archeological society
twenty-sixth
PM2:45 カイナシティー 公民館

〈会場はここだな。〉
〈そうみたいだね♪〉
〈何とか間に合って良かったですね。〉
「うん。」
「どんなことをするんだろうね?」
「学者同士の交流会みたいだよ。」
〈交流会か〜。エーフィー、楽しんできてね〜。〉
〈ええ。〉

ユウキはエーフィー以外のメンバーをボールに戻し、公民館に入っていった。

 1分後 公民館 大ホール

「………シッポウシティーのユウキです。」
「ユウキさんですね。そちらの方は秘書をしている人でいいですね?」
「はい。」
「参加されるポケモンは、そちらのエーフィーでよろしいですね?」
「はい。」〈ええ。〉
「受付を完了しました。どうぞ、お進みください。」

ユウキ達は係員に誘導され、会場に入った。

「結構たくさんいるね。」
「うん。どの人もテレビで観たことがある人ばかりだよ。」
「どの人も有名人ってことだね?」
〈ええ。まさか、私達がこんなにすごいところに招待されるなんて、私達の研究が大発見だったってことね。〉
「そんなにすごい事を発見したの?」

ライトが聞いた。

〈ええ。〉
「僕達は未解明の伝説を発見、証明したからね。」
「へぇー。」
「あら、ユウキ君、ここにいるってことは、無事に手紙が届いたようね。」
「はい。お久しぶりです。」
「ユウキくん、この人は?」
「この人はアロエさんといって、主に遺跡の調査、発掘をしているんだよ。」
「はじめまして。私はアロエよ。これでもジムリーダーをしているわ。あなたは?」
「私はライトと言います。  …一応、ユウキくんの秘書をしています。」
「よろしくお願いするわ。」

2人は握手を交わした。

「ユウキくん、アロエさんとはどういう関係なの?」
〈私達はアロエさんの研究室のうちの一部屋に、書斎として部屋を借りているのよ。〉
「あと、僕の秘密を知っている数少ない人物の1人だよ。」
「ユウキ君との出会いは少し変わっていたからね。 変わっていると言えば、あなたの瞳は普通とは違うけど、何かあったのかい?」
(!!この人、私の特徴をよく見てる……バレるのも時間の問題かも……。)
「ああー、ライトは遺伝で瞳が黄色くなっているみたいなんです。ライトは遠い国の人との間のハーフなので。」
「ハーフなんだね?」
「あっ、うん。そうです。」
《ユウキくん、今回も誤魔化してくれてありがとね。》

ユウキはアロエの方を見たまま頷いた。

《ユウキは昔から場を取り繕うのが上手いのよ。》
《そうなんだー。 あっ、エーフィー、完璧に出来るようになったんだね?》
〈ええ。昨日の空き時間で練習したのよ。〉
《やっぱりエーフィーは凄いよ。》
〈エーフィー、久しぶりだね。〉
〈ええ。ハーデリアも久しぶりね。この学会はいつもこうなの?〉
〈うん。でも、ウチが知っているだけでも、ユウキさんを含めて3人の新人さんが来ているみたいだよ。〉
「あと2人いるんだね。」
「新人のことね。そうよ。 学会、楽しむといいわ。」
「はい。」
〈じゃあ、また後でね。〉
〈ええ。〉

ユウキ達は一度、アロエ達と分かれた。

 10分後

その後、主催者による挨拶が行われ、考古学会が幕をあけた。

 それから5分後

〈いよいよ始まったわね。〉
「うん。」
「…あなたは新人さんね?」
「えっ、はい。」

1人の女性に話しかけられた。

「私は考古学協会会長のシロナです。」
「えっ、シロナさんって、シンオウリーグチャンピオンのですか!?」
「ええ。あなたの噂はアデグから聞いているわ。彼を簡単に打ち負かしたみたいね。」
「あっ、はい。簡単にって程ではないですけど……。」
「一度手合わせしてみたいわ。 研究のほうも大発見をしたようね。今後に期待しているわ。」
「ありがとうございます。」
〈ユウキ、これからも尚更調査を頑張らないとね。〉
「うん。」
「? もしかして、あなたは……」
「ユウキと言います。」
「ユウキ君はポケモンの言葉がわかるのかしら?」
「はい。公にはしていないんですけど………。」
「私が今まで会った中でわかるのは3人目ね。イッシュ出身では初めてだわ。」
「他の地方にもいるんですか?」
「ええ。2人共、何らかのかたちで伝説にかかわっていた。ということは、あなたも……」
「ここまで見抜かれたのは初めてです。はい。確かに僕は伝説の当事者です。」
「…………なる程ね。半年前のイッシュリーグ襲撃事件とあなたが解明した伝説とが繋がったわ。あなたはリーグ、全トレーナーのために悪事を阻止したのね。」
「全てお見通しですか。シロナさんには隠し事は出来ないですね……。」
「長年の勘ね。 学会、楽しんでいってね。」
「はい!」

シロナは一言言うと去っていった。

「優しそうな人だったね。」
「そうだね。」
〈噂によると、4つ星のトレーナーみたいよ。〉
「「えっ!?4つ星!?」」

ライトとユウキの声が共鳴した。

〈ええ。種族はわからないけど、シロナさんが連れていたポケモンから聞いたんだけど、シロナさんはイッシュ以外のリーグを全部制覇しているみたいよ。〉
「4箇所も!?」
「シンオウリーグが最難関と言われている理由は、そういうことだったんだー。」
〈一度戦ってみたいわね。〉
「うん。」

ユウキ達はシロナとの会話をたのしんだ。

@ ( 2013/05/16(木) 01:21 )