とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§5 an archeological society
twenty-fifth
AM9:55 フェリー 船内

<まもなく、当フェリーはカイナ港に到着します。>

ユウキが3目を終えた直後、アナウンスが流れた。

〈あまり時間がないから、私は戦えないわね………。〉
「ごめんね。 だから、次は優先的にエーフィーにまわすよ。」
〈わかったわ。〉
〈うん♪ ウチらだけ…戦って、エーフィーには…申し訳ないね……。〉
〈かなりの…激戦だったから……さすがに疲れたな……。ユウキ、休みたいから……ボールに戻してくれるか?〉
〈ウチも…お願い♪〉
「うん。わかったよ。2人共、お疲れ様。」
「すごい戦いだったもんね。」
〈他の客が集まるぐらいでしたからね。〉

ユウキはコジョンドとスワンナをボールに戻した。

〈あそこに見える町がカイナシティーかな〜?〉
「きっとそうだね。 もう着くし、降りる準備しよっか。」
〈そうですね。 どんな町なのでしょうか。楽しみですね。〉

ユウキ達は下船する準備を始めた。

………

AM10:05 カイナシティー

「結構賑やかな町だね。」
〈市場にビーチ、博物館もあって、ここは観光都市みたいね。〉
〈ライモンシティーを思い出すね〜。〉
「うん。たしかにね。 とりあえず、コジョンド達を回復させてからこの後の予定を考えようか。」
〈ついでに部屋を予約しておくといいと思うわ。〉
「うん。そうだね。ユウキくん、いこ!」
「うん。」

ユウキはかけていたサングラスをずらして、ポケモンセンターに向かった。

………

AM10:15 カイナシティー ポケモンセンター

〈私は回復しなくても大丈夫よ。〉
〈僕達はお願いします。〉
〈ダメージを受けたからね〜。〉
「うん。わかったよ。」

ユウキはジャローダとコバルオンもボールに戻した。

「すみません、ポケモンの回復と部屋の予約をお願いします。」
「そちらの4体でよろしいですね?」
「はい。」
「2人部屋でよろしいですね?」
「うん。」
「トレーナーカードを拝見します。」
「トレーナーカードですね。」

ユウキはカードを取り出した。

「1つ星ですね。同伴者1人まで無料とさせていただきますね。」
「はい。」
「お部屋は307号室になります。」
「ありがとうございます。」

ユウキは受付の人から鍵を受けとった。

「やっぱり、これだけにぎわってる町だと部屋もほとんど空いてないね。」
「そうだね。 ところで、カードの星とか言ってたけど、どういう意味があるの?」

ライトはユウキとエーフィーに聞いた。

「トレーナーカードにはグレードがあるんだよ。」
〈ええ。各地方のリーグを制覇する毎に一つずつ、最大で5つまで増えるのよ。〉
「5つまであるの?」
「うん。僕はイッシュリーグだけを制覇してるから、一つ星になるよ。」
「へぇー。」
〈ここだけじゃなくて、様々な施設でグレードに応じた特典とか割引があるのよ。〉
「そうなんだー。星の数が多いほどいい特典がついてくるんだね?」
「そういうこと。 とりあえず、部屋にいらない荷物を置いてこようか。」
〈そうね。〉

ユウキ達は部屋の確認を含めて、荷物を置きにいった。

 20分後

「お預かりしたポケモンの回復が完了しました。」
「はい。ありがとうございます。」

ユウキは4つのボールを受けとった。

「学会の詳細の確認も出来たし、みんな、お待たせ!」

ユウキはすぐに残りのメンバーを出した。

〈ユウキ、まだ時間があるから観光する♪?〉
〈4時間以上あるしな。〉
「うん。そのつもりだよ。 その前に、一つ話があるんだけど、いいかな?」
〈話って〜?〉
「学会では、ポケモンを出していてもいいらしいんだけど、一体しか無理みたいなんなだ…。」
〈ということは、誰が外に出ているかってことですね?〉
「うん。そこで、さっき戦わなかったエーフィーにしようと思うんだけど、いいかな?」
〈俺は構わないぞ。〉
〈うん♪いいよ!〉
〈OK〜。〉
〈僕達だけ戦ったので、いいですよ。〉
〈わかったわ。〉
「私はどうすればいいの?」

続いてライトが聞いた。

「秘書という名目なら、会場に入れるみたいだよ。」
「一昨日のスクールみたいな感じだね?」
「うん。話は以上だよ。 ここには博物館とか、市場とか、見るところが沢山あるから、どこからいく?」
〈とりあえず、一回りしてから考えようよ〜。〉
〈そのほうがいいですね。〉
「さっそくいこ!」

ユウキ達は日差しの強い屋外にでていった。

………

AM11:00 カイナシティー

〈一回りしたけど、どこに行く?〉

ユウキは混乱を避けるため、ピカチュウの姿となっている。

〈コンテストがあるみたいだけど、今日は公演しないみたいだね♪〉
〈博物館は混んでいたからな……〉
〈市場もいっぱいいたね〜。〉
〈ここにはジムはありませんでしたから、残りは……。〉
〈ビーチで海水浴ね。〉
「今日は暑いからちょうどいいね。」
〈うん。きまりだね。1時半ぐらいまでそこにいよっか。〉

ユウキ達はシーズン中で賑わう昼前の浜辺に向かった。

 10分後 カイナシティー ビーチ

〈結構混んでるね〜。〉
〈でも、楽しめそうだね♪〉
「うん!」


ユウキ達は海で泳いだり、バトルをしたりして、余暇を満喫した。

………

PM1:00 ビーチ

〈たまにはこうやって息を抜くのもいいわね。〉
〈うん。気分転換には最適だね。〉

「久しぶりの海もいいけど、やっぱりバトルに限るなー。 すみません、バトルお願いします。」
「えっ、バトル!?」

1人の青年がライトに話しかけた。

〈ライト、一度バトルをしてみない?〉
「私が?」
〈うん。いいとおもうよ〜。〉
「うん。一度やってみようかな。」
「よし。僕はルビーと言います。使用ポケモンは一体でいいですか?」
「うん。いいですよ。 私はライトと言います。」
「じゃあ、始めましょうか。チルタリス、いくよ!」
〈うん☆〉
〈[目覚めるパワー]を試してみたいから、私がいってもいいかしら?〉
〈ああ。実践練習か。〉
〈いい機会ですね。〉
「まずは[竜の舞]!」
〈うん☆[竜の舞]!〉

チルタリスは志気を高め始めた。

〈ライト、指示をお願い!〉
「あっ、うん。[瞑想]!」
〈わかったわ。………。〉

エーフィーは精神統一を始めた。

「[竜の波動]!」
〈OKー☆お手並み拝見といこうかな。[竜の波動]!〉

チルタリスはブレスを放った。

「エーフィー、くるよ![シャドーボール]をお願い!」
〈ええ。わかったわ。[シャドーボール]!〉

エーフィーは頭上に漆黒の弾を放った。

〈[サイコキネンシス]!〉

すぐに技をかけた。

〈なかなかの威力ね。〉

ブレスを華麗にかわした。

「続いて[ゴッドバード]!」
〈一気にいくんだね☆〉

チルタリスは光を蓄え始めた。

「今のうちに攻撃して!」
〈ええ。〉

エーフィーは不規則に操り、漆黒の弾を命中させた。
「[目覚めるパワー]!」
〈ええ、いくわよ![目覚めるパワー]!〉

エーフィーは口元に暗青色のエネルギーを溜め始めた。

〈溜まった![ゴッドバード]!〉

チルタリスは光を纏い、急接近した。
対してエーフィーは暗青色のエネルギー弾を放った。

〈っ! ドラゴンタイプ!?〉

命中。

〈くっ! 速度を落としても威力は高いわね…。〉
〈あなたの[目覚めるパワー]も☆一本とられたよ☆〉
「半減されたかー。なら、[歌う]!」
〈うん ♪♪♪〜〉

チルタリスは歌い始めた。

〈かかったわね! zzz。〉

至近距離で技が命中した。

〈よし、これか……ら……、眠気が………zzz〉

両者共に眠りに落ちた。

「えっ!?何が起こったの!?」
〈エーフィーの特性の効果で、状態を移したんだよ。〉「しまった!特性を考慮するのを忘れてた!」

しばらくの沈黙………。

〈……はっ。〉
「エーフィー、目覚めたね。」
〈ええ。ライト、[目覚めるパワー]と[シャドーボール]の指示をお願い!試したいことがあるの。〉「目覚めた!?ヤバい!!」
「エーフィー、[目覚めるパワー]に[サイコキネンシス]、そして[シャドーボール]!」
〈ええ。[目覚めるパワー]!〉

頭上に放つ。

〈[サイコキネンシス]!〉

暗青色の弾を拘束。

〈シャドーボール]!〉

そこに漆黒の弾を加えた。

〈よし、いくわよ!〉〈………っ!寝てた!?〉

チルタリスが遅れて目覚めた。

「チルタリス、[竜の……]」

その間に、2つの弾は混ざり、膨張しながら飛んでいった。

〈!? デカい!? かわせない!?〉

為す術がなく、巨大な弾が命中した。

〈………一発でやられるのって………いつ以来かな……。〉

チルタリスは力尽きた。

「僕のポケモンが一発で!?」「エーフィー、考えたね。」
「!! ユウキくん、いつの間に!?」

バトルの間にユウキは姿をもとに戻していた。

「戦っている間にね。あの技を合わせると、あんなふうになるんだね。」
〈ええ。思った以上に上手くいったわ。〉
〈膨張するとは思わなかったな。〉
「ライトさんだっけ?君はいったい……」
「実は、私はトレーナーじゃないの。」
「えっ!?」
「エーフィーをはじめ、このポケモン達は僕のだよ。あと、ルビー、君はサファイアを知ってるよね?」
「えっ!?どうしてサファイアを知っているんですか?」
「ちょっとした仕事で知り合ってね。彼女とは幼なじみですよね?あと、タメ口でいいですよ。僕のほうが年下だから。あっ、紹介が遅れましたね。僕は考古学者のユウキです。」
「ユウキ……君がサファイアが言ってたトレーナーか。」
「そう。」
「ということは、伝説に関わったというのは本当なんだね!?」
「うん。サファイアから聞いていたみたいだね。」
「僕以外に伝説に関わった人に会うのは初めてだ……。」
「えっ!?」
「8年前に関わって……」
「伝説!?少し聞かせて……」
〈ユウキ、時間は大丈夫〜?〉

立て続けに言葉を遮った。

〈ユウキさん、もう2時半ですよ。〉
「あっ!しまった!とにかくあとで話を聞きたいから、連絡先、教えてくれますか?3時から学会があるので。」
「えっ!?うん。」

2人は連絡先を交換した。

「ありがとうございます。では、失礼します。みんな、いくよ。」

終えるとすぐに会場に向けて走っていった。


■筆者メッセージ
初の4000文字超え。
@ ( 2013/05/15(水) 01:05 )