twenty-third
PM2:00 ムロタウン
「ユウキさんって、本当に強いんですね!」
ユウキのジム戦を観戦したユウカは目を輝かせている。
「私も初めてみるよ。参考にしてみようかな。」
「ライトちゃんも初めて見たんだね?」
「うん。」
〈ライト達、いつの間にか仲良くなってるわね。〉
〈年が近いからな。〉
2人は早くも打ち解けていた。
「ジム戦も終わったし、みんな、お待たせ!」
ユウキは3つのボールを投げた。
〈早かったね〜。〉
〈さすがはエーフィーさん達ですね!〉
〈ウチらのNo.1とNo.2だからね♪〉
「やっぱりユウキさんのポケモンはどれも強そうだなー。見たことのないポケモンばっかりだし。」
「ユウキくんはここから遠い地方の出身なんだよ!」
「そうなんだー。 ところで、ライトちゃんはどんなポケモンを持ってるの?」
「えっ!?私!?……私は(ポケモンだから)持ってないんだ…。」
「そうなんだ……。バトルしたかったけど、持ってなかったら仕方ないよね。」
「ごめんね。」(いきなり正体を明かす訳にはいかないからね………。本当は私も戦いたいけど。)
「バトルね。 回復させてから、僕が相手しようか?今日はフェリーは運休だから、カイナシティーに行けないからね。」
「えっ、いいんですか?」
「もちろん!みんなもいいよね?」
〈うん!もちろんいいよ〜。〉〈はい!喜んで!〉〈ウチもちょうど体を動かしたかったんだよね♪〉〈私達はスワンナ達に譲るわ。〉
〈俺達はまだ戦ったばかりだからな。〉
「決定だね。」
「やったー。なら、さっそく回復させてきますね!」
ユウカは軽い足取りでポケモンセンターに向かった。
〈ユウカが戻ってくるまで20分ぐらいかかりそうね。〉
「そうだね。 なら、それまで私の技を見てくれる?」
「そういえば一度も見てなかったね。わかったよ。」
「じゃあ、さっそく!」
そう言い、ライトは眩い光を纏った。
「ついでだから、僕も。」
続いてユウキも姿を歪ませた。
〈よし。ライトも終わったね。〉
〈うん!〉
〈技とスピードはエーフィーに見てもらったんだよね?〉
〈うん。〉〈ええ。〉
〈どんな感じだった?〉
ユウキはエーフィーを見て言った。
〈見た感じ、私に近いタイプだったわ。あと、スピードはスワンナぐらいあったわ。〉
〈確かに、ウチのスピードについてこれてたよね♪〉
〈そんなに速いんだね〜。〉
〈判断力も文句無しよ。私の[シャドーボール]も6つまでかわしていたわ。〉
〈ウチと同じだね♪〉
〈俺は一つ差で負けたな……。〉
〈ということは、僕達より上ですね。僕達は5つが限界ですから。〉
〈私ってそんなに成績良かったんだー。〉
〈特殊技に関しては、まだまだ強化する余地があったわ。〉
〈……うん、だいたいわかったよ。じゃあ、少ししかできないけど、始めようか。〉
〈〈〈うん!〉〉♪〉〈ええ。〉〈ああ。〉〈はい!〉
〈確か、エーフィーに[サイコキネンシス]を教わったって、言ってたよね?〉
〈うん。〉
〈なら、技を受け止める練習をしよっか。〉
〈応用を利かすための基礎ね。〉
〈うん。手っ取り早く、僕がするよ。
〈なら、俺達は別で技の調整をしているか、〉
〈そうだね〜。〉〈うん♪〉
〈はい、では、始めましょうか。〉
コジョンド達は脇に逸れた。
〈まずは、僕が技をだすから、[サイコキネンシス]で受け止めて。〉
〈うん!〉
〈じゃあ、いくよ![目覚めるパワー]!〉
ユウキも左手側に紅蓮の小球を形成した。
すぐに放った。
〈これを止めればいいんだね?[サイコキネンシス]!〉
ラティアスは小球に狙いを定めた。
〈いい感じね。練習の成果があったわね。〉
〈!?ヤバい!〉
集中が足りず、小球がライトの目前まで迫った。
〈[サイコキネンシス]! 間に合ったわね。っ!〉
間一髪でエーフィーが紅蓮の小球を拘束した。
エーフィーはそれを発散させた。
〈なるほどね。 ライトは集中力を上げる必要があるね。 ライトには何が必要かわかったから、このくらいにしておこうか。〉
〈そうだね。そろそろユウカちゃんが帰ってくる頃だね。〉
2人はすぐに姿をかえた。
〈ユウキ、さっきのジム戦で思ったんだけど、私は格闘とか、岩、地面タイプの相手には弱い気がするのよね……。〉
「たしかに。相手がノーマルか格闘だったら、[シャドーボール]が封じられるからね……。」
〈そこでお願いなんだけど、ユウキが使える[目覚めるパワー]を覚えたいの。何タイプになるかわからないけど、克服するにはいい技だと思うよのよね。〉
「うん。可能性に賭けてみる価値はあるね。わかったよ。[目覚めるパワー]だね。」
ユウキは自分のバックの中を探り始めた。
「[目覚めるパワー]って、さっきユウキくんが使った技でしょ?」
〈ええ。色でわかったと思うけど、ユウキの場合タイプは炎よ。〉
「炎かー。確か、人によってタイプが変わるんだよね?」
〈そうよ。毒とか格闘でないといいけど………。〉
「よし、あった。」
ユウキは一枚のディスクを取り出した。
〈最近はいつでも集中できるから、[穴を掘る]とかえるわ。〉
「うん。わかったよ。」
そう言い、エーフィーに技マシンを使った。
〈使い方は[シャドーボール]と同じでいいのよね?〉
「うん。」
「ユウキさん、お待たせしました!」
〈あっ、戻ってきたわね。〉
「うん。」
《コバルオン、そろそろ戻ってきて!》
《回復が終わったんですね。わかりました。すぐに行きます。》
[絆の力]を使い、意思疎通を図った。
「ユウカ、少し待っててくれる?」
「はい!」
三人はコジョンド達の帰りを待った。
少しして…………
〈お待たせしました。〉
〈僕達は準備OKだよ〜。〉
「うん。じゃあ、始めようか。」
「はい!ジュプトル、出番だよ!」
〈うん!私の番だね。〉
「この感じは……進化したんだね?」
「はい!」
「草タイプなら………ジャローダ、たのんだよ!」
〈僕だね〜。〉
「ルールは1対1、いいかな?」
「はい! ジュプトル、[電光石火]!」
〈あれから私も強くなったんだから![電光石火]!〉
ジュプトルは攻撃のため、距離を詰めた。
「至近距離で[種マシンガン]!」
〈うん![種マシンガン]!〉
いくつもの種を発射した。
「センスあるね。[リーフブレード]で撃ち落として!」
〈OK〜。[リーフブレード]〜!〉
自身の尻尾ではたき落とした。
「やっぱり強いなー。もう一度[種マシンガン]!」
〈ユウカ、任せて![種マシンガン]!〉「僕達もいくよ![リーフブレード]!」
〈わかったよ〜。[リーフブレード]!〉
ジャローダは放たれた種をかわしながら接近、加減して切り裂いた。
〈っ!………強い……わね。〉
「[すいとる]で回復して!」
〈うん………。[すいとる]。〉
〈っ!〉
技は命中し、ジュプトルは体力を少し回復した。
「ジャローダ、光を溜め始めて!」
〈うん。[ソーラービーム]だね〜。〉
〈えっ!?[ソーラービーム]!?〉
ジャローダは光を溜め始めた。
「ジュプトル、今よ![電光石火]!」
〈うん…。今のうち…よね。[電光石火]!〉
ジュプトルは急激に接近した。
〈っ!なかなかやるね〜。ユウキ、たまったよ〜。〉
「うん![ソーラービーム]!」〈えっ!?効いてない!?〉
〈OK〜。[ソーラービーム]!〉
ジャローダは至近距離で放った。
命中、せずにわきに逸れた。
「ジャローダ、わかってくれるって信じてたよ。」
〈命中すると倒れるだけじゃなくて、大怪我しちゃうからね〜。これは威力のコントロールができないから〜。〉
「っ!はずれた!?当たってたら負けてた……。」〈えっ!?そんなに威力が高いの!? だからわざと外したのね!? ………私の完敗だね。やっぱり強いよ。〉
ジュプトルはそう言い、後ろに下がった。
「えっ、ジュプトルが自分からさがった!?負けん気が強いのに!?」
「ジャローダの気配りを感じたみたいだね……。ユウカ、応用を利かすなんて、僕が見込んだ甲斐があったよ!」
〈ユウカ、絶対に強くなるね♪〉
〈バトルのセンスも良かったですね。〉
〈これからが楽しみだな。〉
「2人共、すごかったよ!」
「本当に?」
「うん!ユウカなら、絶対に強くなるよ!僕が保証するよ!」
〈ユウカなら、ジムを制覇できるわね。〉
2人のバトルが幕を閉じた。
………
PM6:00 ムロタウン ポケモンセンター 102号室
バトルの後、ユウキとユウカは別れ、ユウカは島の北側に向かった。
ユウキ達は、この時間を利用して技の調整に費やした。
「みんなもいい感じだね。」
「うん!私も技を受け流せるようになったしね。」
〈うん。それにユウキの技の組み合わせも見れたから、満足だよ〜。〉
〈すごかったですね。 エーフィーさんも新しい技を使えるようになったみたいですし。〉
〈ああ。かなり威力が高いようだしな。〉
〈それに、[目覚めるパワー]のタイプがドラゴンタイプだったのには驚いたよ♪〉
〈私も全く予想ができなかったわ。〉
エーフィーの目覚めるパワーはドラゴンタイプだったようだ。
「これで、弱点はほとんどなくなったね。」
〈ええ。〉
「……ここが泊まる部屋かー。」
〈あっ、Nさん、帰ってきましたね。〉
〈N〜。どうだった〜?〉
「やっぱり、解放しなくて正解だったよ。トレーナーとそのポケモン達もみんな楽しそうだったよ。」
この日、夜遅くまで雑談に華を咲かせた。
§4 End. To be continued....