twenty-second
PM1:00 ムロタウンジム
「ここがジムだな。」
「うん。ジムって各地方に8つあるんでしょ?」
「そうだけど?」
「ユウキくんは何ヶ所制覇したの?」
「僕は10箇所、10このバッチを持ってるよ。」
「えっ、10個?」
「うん。別の地方のジムを8箇所制覇したからね。」
「だからそんなに強いんだね。」
「そうなるかな。 すみませーん。」
ユウキとライトはジムの入り口をくぐった。
この時、既にメンバー全員ボールの中で待機している。
「[突っ張り]!」「[種マシンガン]!」
〈了解した!〉〈わかったわ!〉
そこでは既にバトルが展開されていた。
「先客がいたみたいだね。」
「そうだね。 戦っているのは、ユウカかな?」
「ユウカ? ああー、あの時橋ですれ違った人?」
「うん。 とりあえず、端にあるベンチで見ていようか。」
「そうだね。 本格的なバトルを見るの、初めてだよ。」
ユウキ達は端にあるベンチに座った。
………
PM1:30 ジム
「やった。勝った。」
「はい。これがバッチだよ。」
ユウカはジム戦を白星で飾った。
「実力、上げたみたいだね。」
「!! この声は、ユウキさん!?いつの間に!?」
「序盤から。いいバトルだったよ。」
「ありがとうございます!」
「あれ、君達は知り合いかい?」
「一応、知り合いです。 申し遅れましたが、ユウキと言います。ジム戦、大丈夫ですか?」
「レベルが高くなるけど、いいかい?」
「はい。そのほうが有り難いです。」
「なら、すぐ始めれるよ。」
「ユウキくん、いいの?」
「うん。」
「ユウキさんのバトルかー。見ていこうかな。」
「じゃあ、このジムリーダー、トワキ(確かこんな名前だった。)が丁重に相手するよ!」
「はい!お願いします。」
「じゃあ、私は傍で見てるね。」
ライトは再びベンチに座った。
「じゃあ、ハリテヤマ、頼んだよ!」
〈久しぶりのわしの出番だな。〉
「よし![絆]の名に賭けて、エーフィー、頼んだよ!」
〈ええ。いくわよ!〉
両者、共に身構えた。
「まずは、[のしかかり]!」
〈よし!〉
相手は距離を詰め始めた。
「いつもどうり、[瞑想]!」
〈ええ。わかったわ。…………………〉
エーフィーは集中し始めた。
〈今だ![のしかかり]!〉
ハリテヤマは飛びかかった。
〈………甘いわね………。〉
エーフィーは容易くかわす。
土煙が揚がった。
「[シャドーボール]は使えないから、土煙に[サイコキネンシス]!」
〈ええ。目くらましの[砂かけ]の代用ね。[サイコキネンシス]!〉
エーフィーは漂う煙に技をかけた。
「ユウキさん、なにをするつもりなんだろう……」
「何か考えがあるんだとおもうよ。」
「今度は[瓦割り]!」
〈よし![瓦割り]!〉
「タイミングを見て放って!」
〈わかったわ!〉
〈くらえ!〉
〈今ね!〉
〈!! 目が!!〉
エーフィーの放った煙が相手の目を捉えた。
「直接[サイコキネンシス]で拘束して!」
〈ええ。この使い方、久しぶりね。初心に帰れるわね。[サイコキネンシス]!〉
〈うっ! 強い………。〉
ハリテヤマは顔を歪ませた。
「そのまま叩きつけて!」
〈わかったわ!〉
エーフィーは超能力で相手を浮かせた。
〈[絆の力]、受けてみなさい!〉
思いっきり叩きつけた。
〈!!っ!〉
刹那、土煙が上がった。
煙が晴れると、ハリテヤマは目をまわして倒れていた。
「!! 一発で!?手持ちはあと一体、チャーレム、頼んだ!」
〈アタイの番ね。受けてたつわ!〉
「エーフィー、お疲れさま。コジョンド、頼んだよ!」
〈コジョンド、あとは任せたよ!〉
〈ああ。格闘同士の戦いか。〉
エーフィーは後ろに下がった。
「[瞑想]!」
〈わかったわ。…………〉
相手は集中し始めた。
「手早くいかないとなー。[波動弾]!できるだけ沢山、お願い!」
〈了解した!修行の成果、見ていてくれ!〉
コジョンドは手元にエネルギーを溜め始めた。
「溜めるスピードが上がってる!?」
〈…………。〉〈よし!くらえ!〉
すぐにソフトボール程の弾を放った。
「速度も上がてる!?」
〈これならいける!〉〈……えっ!? 集中が切られた!?〉
次々に放った。その数は15。
「マズい、[念力]で止めるんだ!」
〈!?[念力]!〉「えっ、エスパータイプ!?」〈何!?〉
相手は念力を使った。
「コジョンド、[波動弾]を放ちながら飛び上がって!」
〈ああ。あれだな。〉
「うん!一気にいくよ!」
チャーレムの技によって、いくつかの弾は発散した。
それに負けないくらいの数を放ちながら接近した。
「チャーレム、かわしながら[跳び膝蹴り]!」
〈うん!〉
〈させるか!〉
両者共に跳び上がった。
〈[跳び膝蹴り]!〉
チャーレムは空中で蹴りを繰り出した。
〈甘いな。[波動弾]!〉
〈えっ!?〉
コジョンドは接近されるとすぐに小球で牽制した。
蹴りは空を捉えた。
〈俺は飛行タイプの技を使えるんだ!予備動作無しの[跳びはねる]!〉
コジョンドは体勢をたてなおしているチャーレムに、重力に身を任せて突っ込んだ。
〈飛行タイプ!? っ!!〉
空中で捉えた。
「コジョンド、[跳び膝蹴り]で追撃!」
〈よし!これで最後だ![跳び膝蹴り]!〉
コジョンドはすぐに体勢をたてなおし、蹴る姿勢をとった。
「ヤバい、[念り………]」
〈くっ……………やられ……た。〉
指示が追いつかず、コジョンドの蹴りがチャーレムを捉えた。
相手は地面に叩きつけらた。
対して、コジョンドは着地に成功した。
「…………完敗だよ……。まさか、主要メンバーでも勝てないとは……」「コジョンド、お疲れ。」
〈よし。 さすがに、[念力]を使われた時は焦ったな。〉
〈コジョンド、結構[波動弾]、強化されたんじゃないかしら?〉
〈空き時間で特訓した成果だ。〉
「2人共、お疲れ。」
「負けたよ。はい、これがバッチだよ。」
「ありがとうございます。」
ユウキも白星を飾った。