twenty-first
AM11:50 ムロタウン ポケモンセンター 102号室 sideエーフィー
〈………何となく、コツが掴めてきた気がするわ……。〉
〈コツが掴めたのなら、もう少しですね。〉
《ええ。》
エーフィーがテレパシーの練習を始めてから40分、一単語だけ伝えれるようになっていた。
「こんな短時間で伝えれるようになるなんて、やっぱりエーフィーは凄いよ。」
〈はい。エーフィーさんだからできる偉業ですね。僕はこの段階に到達するのに3年かかりましたよ。〉
〈えっ!?習得するのに、そんなにかかるものだったの?〉
〈そうです。なので習得には相当な根気がいるんです。〉
〈そんなに大変な事だったのね……。実感が湧かないわ……。〉
「一時間もかからずにここまできたんだから、十分誇ってもいいとおもうよ!」
〈わかったわ。 そろそろ時間だから、今日はこのくらいにしておくわ。〉
〈もうそんな時間ですか!?〉
「あっという間だったね。」
〈ええ。 みんなが戻って来るまでまちましょ。〉
エーフィーは練習を終えた。
5分後 合流
〈ユウキ〜、ただいま〜。〉
〈ユウキ、いい情報を仕入れたよ♪〉
「おかえり。 何か収穫があったの?」
〈うん♪ウチら、外で情報屋のペリーさんに会ったの♪〉
「ペリーさん?誰なの?」
「そういえば、その話をしていた時はまだライトと出会ってなかったね。」
〈確か、ホウエン一の情報通のポケモンだったわよね?どんな種族かは知らないけど……。〉
〈ペリッパーっていう種族だったよ〜。〉
〈それで、ここのジムのタイプは格闘タイプっいう事を教えてもらったよ♪〉
「格闘タイプだね?これで作戦をたてられるね。」
〈ええ、そうね。〉〈ユウキ、待たせたな。〉
「あっ、コジョンドも帰ってきたね。」
「うん。みんな揃ったし……12時5分かー……、えっ!?もうこんな時間!?」
ユウキは腕時計を見て声を張り上げた。
〈ユウキ、そんなに慌ててどうしたの〜?〉
「5分後に会う約束をしているポケモンがいるんだよ。 とにかく、外にいこ!」
「えっ、うん。」
ユウキは必要な物だけ持ち、慌てて部屋を出た。
………PM0:10 ムロタウン ポケモンセンター前
「ふぅ、まだ着いてないみたいだな。」
〈ユウキさん、誰と待ち合わせているんですか?〉
「サファイアを覚えてる?」
〈サファイア?確かミシロタウンの研究所にいたあの人よね?〉
「たぶんアロエさんから手紙が届いたみたいで、サファイアのオオスバメに持ってきてもらうことになったんだよ。」
〈オオスバメ、あの話し方だ独特な、あのポケモンだな。〉
「うん。 あっ、噂をすれば来たね。」
そこに一匹のオオスバメが飛来した。
〈ユウキさん、待たせたね。〉
「ううん、僕達もさっき出てきたところだよ。」
〈よかったー。じつは海を渡る時に、凄く向かい風やったから……。〉
「向かい風かー。お疲れさま。」
〈あっ、そうそう、脚にくくりつけてあるやつが、言ってた手紙やから。〉
「その紙だね。」
ユウキは脚に付けられた手紙を解いた。
〈うん。じゃあ、この後呼ばれとるから、そろそろいくよ。〉
「うん。ありがとね。」
オオスバメは飛びたった。
「ねぇ、ユウキくん、何て書いてあるの?」
「ええっと、{第8回 歴・化学合同学会のお知らせ}。学会かー。」
〈学会〜?〉
「うん。研究者が集まって、互いに研究内容の情報交換したり、交流したりする会合だよ。」
〈ということは、招待状ってことね。〉
「そういうことかな。これによると、[カイナシティー]の公民館で開催されるみたいだよ。どこかはわからないけど……。」
〈カイナシティーはこの海を越えた先だ。確か、ここからフェリーが出航していたはずたが……〉
「うん。わかったよ。」
〈ところで、いつあるの♪?〉
「この日付だと、明日だね。」
「「〈〈えっ!?明日!?〉〉」」
〈やばくないか?〉
「うん。3時からだから、ジム戦は今日中に済まさないとね。」
〈そうですね。スワンナさん、確か格闘タイプでしたよね?〉
〈うん♪でも、今回は譲るよ。前回ウチが戦ったから♪〉
〈僕も遠慮するよ〜。〉
〈ということは、僕達ですね?〉
〈そうなるな。〉
「うん。決まりだね。」
「みんなが闘うところ、始めてみるなー。」
〈私達の戦い方を参考にするといいわ。〉
「うん!」
「みんな、準備はいい?」
〈ああ。〉
〈はい!〉
〈まかせたよ〜。〉
〈頑張ってね♪〉
《もちろんよ!》
「あっ、できるようになったんだね?」
〈一単語が限界だけど……。〉
ユウキの頭の中にエーフィーの声が響いた。