とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§3 a visiting professor
twelfth
PM3:35 カナズミシティー図書館 sideユウキ

「……よし。これで全部かな。」

ユウキは伝承、伝説についてノートに写し終えてペンを置いた。

「やっぱりコジョンド達がいないと結構時間かかるなー。  よし、気を取り直して次はジム戦だ。」

ユウキは山積みになった書籍を棚に戻し、荷物を片付けて図書館をあとにした。

………

PM3:40 カナズミシティージム sideユウキ

「すみません。ジム戦お願いします。……あれ、いないのかな?」

ジムに着き、声を張り上げた。

「………やっぱり遅かったかな。……ん?岩のフィールド?」
「…………ハア、ハア、すみません。待たせてしまって。」

遅れて、1人の女の人が入ってきた。

「すみません。焦らせたみたいですね。」
「こちらこそ、待たせてしまって……。」
「いいえ、僕も仕事をしてたのでこんな時間になってしまって………。」
「あんまり自分を責めないでください。ジム戦ですよね?」
「あっ、はい。お願いします。」
「そういえば、まだ名前聞いてませんでしたね。一応ジムではバトルを始める前に…………。」
「僕はここで十カ所目のジム戦です。バッチを9個持ってます。」
「えっ!?」
「あっ、そうそう、僕は考古学者のユウキです。」
「えっ!?考古学を!?」
「あなたはツツジさんですよね?」
「!?はい。」
「では、始めましょうか。ジャローダ!頼んだよ!」
〈zzz……はっ!〉

ジャローダはユウキを待っている間、寝ていたようだ。

「ジャローダ、起きてすぐに悪いけど、ジム戦、お願い!」
〈えっ!?うん。わかったよ〜。〉

ジャローダは戦闘態勢に入った。

「始める前にペースをとられてしまいましたね。イシツブテ、出番です!」
〈ふん、せっかく休めると思ったのに……〉
((性格悪!?))

ツツジはイシツブテをだした。

「まずは私からいきます![ステルスロック]!」
〈仕方ない、やってやるか。[ステルスロック]。〉

イシツブテはジャローダの足下に鋭利な岩を飛ばした。

「なるほど。ジャローダ、一気にいくよ![リーフストーム]から[リーフブレード]!」
〈うん。目くらましだね〜。[リーフストーム]!〉

ジャローダは以前よりも大量、かつ勢いの激しい葉の嵐を起こした。

「!?凄い威力。イシツブテ、[岩雪崩]です!」
〈!?  [岩雪崩]!〉

大量の岩を出現させた。

「そのまま上にもとばして!」
〈うん。OK〜。〉

ジャローダは嵐の範囲を前、横、上に広げた。

〈!?見えん!?〉
「凄い……。」

相手が圧倒されてる間にも、次々に鋭利な植物で岩を切り裂いた。

「いつもの手順で[逆鱗]!」
〈うん。[リーフブレード]!〉

ジャローダは自身の尻尾(?)を打ちつけた反動で飛び上がった。

〈いくよ〜![逆鱗]!〉
「えっ!?」〈何っ!?〉

落下しながら猛烈な攻撃を繰り出した。

〈くっ、………強い…………。〉

わずかな時間差で2つの技がイシツブテを襲い、耐えられず、倒れた。

「主任の私がここまであっさりやられるなんて……。ノズパス、気を抜かないてください!」
〈……特別授業、いきますか。〉

ツツジはノズパスをだした。

「ユウキさんって珍しいポケモンを持ってるんですね。長年教師をしている私でも知らないポケモンを使うんですね。」
「僕は元々イッシュで活動してましたから。ジャローダ、おつかれ。スワンナ、お願い!」
〈っ、よし。交代だね〜。スワンナ、あとは頼んだよ〜。〉
〈うん♪ウチに任せて!〉
「今度は僕からいきますよ!地面に[冷凍ビーム]!」
〈うん♪滑らせる作戦だね♪[冷凍ビーム]!〉

スワンナは凍てつく冷気で辺りを凪払った。
すぐに地面が凍りついた。

「このポケモンも凄い威力……相手はたぶん飛行タイプ。ノズパス、[電撃波]です!」
〈!? はい。[電撃波]!〉

ノズパスは放射型の電撃を放った。

(そういえば、僕は[電撃波]、使ったことなかったなー。)
「スワンナ、かわしつつ[ハイドロポンプ]!」
〈うん♪ウチについてこれるかな?[ハイドロポンプ]!〉

スワンナはこの半年でハイドロポンプを習得したようだ。
スワンナは自慢のスピードを生かし、容易くかわした。
すぐにかなり圧縮された水柱が放たれた。

「速い!?」〈捉えきれない!?うっ、………しかも………強い………。〉

「水に突入して[ブレイブバード]!」
〈うん♪やってみるよ。〉

スワンナは放たれた水柱よりも速いスピードで水に突っ込んだ。
スワンナが通過したあとの水柱は一拍おいて2つに裂けた。
〈[ブレイブバード]♪〉

突入するとすぐに淡い光をまとった。

「えっ!?自らの技に突っ込んだ!?」
〈えっ!?よけ……くっ!…………………………強い。〉

水流によって加速された攻撃が命中。
効果はいまひとつにも関わらず、ノズパスは倒れた。

「上級技をさらに組み合わせるなんて…凄い…。私の手持ちはもういないわ。」
「バトル、ありがとうございました。スワンナ、おつかれ。」
〈うん♪[ハイドロポンプ]に突っ込むのはちょっと大変だけど、コンポ、完成だね♪〉
「うん。」
「はい。これがここのバッチです。」
「ありがとうございます。」
「重ね重ねわるいんですが、明日、スクールに来てくれますか?」
「えっ、スクールに?」
「はい。私は普段スクールで教師をしているんです。そこで、ユウキさんに特別講師として、生徒に特別授業をしていただきたいんだけど、いいですか?」
「えっ!?はい。僕でよかったら。」
「ありがとうございます。では、明日の10時にスクールに来ていただけますか?」
「はい。わかりました。では、これで失礼します。」

一礼し、ジムをあとにした。

PM4:30 カナズミシティージム前 sideユウキ

「コジョンド、コバルオン、お待たせ。」
〈呆気なく終わったみたいだな。〉
〈比較的有利な僕達が出なくても大丈夫でしたね。〉

ジムを出て、ユウキは残りのメンバーをだした。

〈でも、まさかユウキに指導を頼まれるなんて、全く予想出来なかったな〜。〉
〈そうだね♪ちょっとびっくりしたかな♪〉
「確かにね。」
〈ところでユウキ、伝承の調査結果はどうだったんだ?〉
「ああ。一般的な伝説と、伝説のポケモンは把握できたよ。エーフィーと合流したら、まとめて話すよ。」
〈はい。わか………〉
「ねぇ、あの人って考古学者のユウキさんじゃない?」
「ほんとだ!」
「サインお願いします!」
(……これはしばらく動けそうにないなー。)
《そうですね……待ち合わせに遅れそうですね》
(コバルオン、コジョンド達に先に行っててって伝えてくれる?しばらくかかりそうで………。)
《はい。伝えますね。》

ユウキとコバルオンは[絆]の力を利用して意志疎通を図った。

〈ユウキさんが先に待ち合わせ場所に行っててって言ってます。〉
〈ああ。わかった。〉〈うん。わかったよ〜。〉
〈うん。こういう時に[絆]の力って便利だね♪〉
〈そうですね。〉
〈ウチはユウキと一緒にいくから、コバルオンも先に行ってて♪遠くにいてもユウキと意志疎通できるのはコバルオンしかいないから♪〉
〈はい、スワンナさん。お言葉に甘えてお先に失礼します。〉

コバルオン達は先に待ち合わせ場所であるスクールに向かった。

@ ( 2013/04/26(金) 22:49 )