とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§2 The speed of sound
eighth
AM 11:45 104番道路 トウカの森北側入り口付近

「…うん、この辺ならいいかな。」
〈ここなら人通りも少ないですしね。〉

ユウキは森で助けたライトに手を引かれ、104番道路のはずれまで連れてこられた。

「ライト、だったっけ?何か重要な事があるの?」
「うん。人に見せるのは初めてだから。本当に信頼出来る人にしか、私の正体を明かさないことにしてるの。」
〈〈正体?〉〉
「うん。驚かないでね。」

そう言うと、ライトは目を閉じ、意識を集中させた。

「〈うっ、眩しい!〉」

刹那、ライトは眩い光に包まれた。


〈……おさまったな。〉
〈…うん♪、えっ!?〉

目をあけると、一匹の赤と白のポケモンが浮遊していた。

〈他にもポケモンに姿を変えれる人、いたんだ〜。〉
「さすがに驚いたよ。」
《うん、これが私の本来の姿だよ。》
〈テレパシーが使えるのね。〉
〈やっぱりそうでしたか。〉
〈見たことのないポケモンだな。〉
〈何て言う種族なの♪?〉
《私は[ラティアス]っていう種族なの。一応、俗に言う準伝説かな。》
〈コバルオンと一緒だね〜。〉
《でも、こんな事初めてだなー。友達(ポケモン)に打ち明けると、みんな大抵びっくりするのに、ユウキさん達は驚かないんだね。》
「僕達も訳ありでね。あと、テレパシー使わなくてもいいよ。言葉、分かるから。」
《えっ!?》
〈私の言ってることが解るの!?〉
「うん、本当だよ。」
〈本当だ!?ラティアスのままでも通じてる!?〉
〈そうよ。実はユウキも、訳あって変わった体質の持ち主なの。〉
〈えっ?〉

ライトはエーフィー達を見下ろして言った。

「ライトはまだ会って間もない僕達に秘密を明かしてくれたから、僕の秘密もカミングアウトするよ。」
〈ユウキさんにも秘密が?〉
「うん。一つ目は、こう見えて僕は歴史学者なんだ。」
〈そうは見えないけど………。〉
〈ユウキは二十歳だけど、イッシュ地方の伝説についての論文と書籍を出版してるの♪〉
「そして、二つ目の秘密は、僕の最大の秘密だよ。」
〈ライトさんの言葉をそのまま返しますけど、驚かないでくださいね。〉
「うん。いくよ!」
〈えっ!?〉

ユウキも意識を集中させ、姿を歪ませた。

〈えっ!?どういうこと!?〉
〈ユウキも姿を変えれるんだよ〜。〉
〈うん、そうだよ。僕はイッシュの伝説に関わっていて、その関係で[ピカチュウ]に姿を変えれるんだよ。〉
〈………こんな感じなんだ。姿が変わるのを見るのって……。〉

ライトは唖然としていた。

〈ユウキは姿を変えれるだけじゃなくて、ウチでも気を抜くと負けるくらい強いんだよ♪〉
〈へぇー。  そういえば、あなた以外は見たことない種族だけど………〉
〈私以外ね。〉
〈イッシュ地方?の出身なんだね。〉
〈うん。  あっ、僕達の自己紹介、まだだったね。〉
〈そうだったわね。〉
〈うん。僕は……もう、名前はいいよね。知らないかもしれないけど、イッシュに伝わる[絆の賢者]っていう地位にあるんだ。伝説では、サブだけどね。〉
〈へぇー、伝説に関わってるから、姿を変えれるんだね。〉
〈ええ、そうよ。 私はエーフィーよ。主にユウキの執筆した文を推敲してるわ。〉
〈ってことは、みんなで作業を分担してるんだね。〉
〈ああ、そうだ。エーフィーは俺達の中でダントツで強い。特殊攻撃と攻撃の補助をしている。 遅れたが、俺はコジョンドだ。タイプは格闘、戦法は主に打撃だ。〉
〈エーフィーさん……〉
〈コバルオンもだけど、私達のことは、気軽に呼び捨てでいいわよ。〉
〈うん、エーフィー……はユウキのパートナーってことだね。で、コジョンドは接近戦が得意なんだね。〉
〈そうだよ〜。コジョンドは僕達の中で1番器用で、ユウキを除いて唯一字が書けるんだよ〜。〉
〈執筆中に教わったからな。あと、担当は推敲と訂正だ。〉
〈うん、そして、僕はジャローダだよ〜。タイプは草で、この地方のキモリ?にあたるポケモンの最終進化だよ〜。僕は近距離技も遠距離技も、どっちもいけるよ〜。〉
〈つまり、バランス型、ってことだね。〉
〈そう♪で、ウチはスワンナで、タイプは水と飛行だよ♪担当はジャローダと一緒に情報収集をしてるよ♪〉
〈へぇー。〉
〈今更呼び方を変えるのも……なので、いつもどうりいきますね。スワンナさんは、俗に言うスピード型です。相手を翻弄して隙をついて、長期戦に持ち込む戦法を得意としています。〉
〈コバルオン、説明ありがとね♪〉
〈スワンナって、ムードメーカーって感じだね。〉
〈ええ。そうよ。〉
〈そして最後に、僕はコバルオンと言います。タイプは格闘と鋼です。僕は主に情報の伝達をしています。〉
〈格闘と鋼って珍しい組み合わせだね。〉
〈確かにね。あと、コバルオンはイッシュの伝説に登場するポケモンの末裔で、[絆の守護]っていう位置付けだよ。〉
〈伝説かー。〉
〈僕もライトさんと同じで、準じた存在です。あと、僕達、[守護]と[賢者]はあと二人ずついます。〉
〈私と似たような感じだね。〉
〈うん。僕達の自己紹介は以上かな。〉

ユウキ達は自己紹介を終えた。

〈へぇー。みんなのことがなんとなくわかったかな。じゃあ、今度は私の番だね。 さっきも言ったけど、私はラティアス。タイプはエスパーとドラゴン。人間の姿の時は、ライトって名乗ってるよ。一応人間で言うと、年齢は17かな。〉
〈ユウキのほうが年上だね♪〉
〈うん。そうなるかな。〉

ライトも自己紹介を終えた。


■筆者メッセージ
大会続きで、更新が遅れました。
@ ( 2013/04/22(月) 00:59 )