とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§2 The speed of sound
seventh
AM10:30 トウカシティポケモンセンター前

ジム戦で活躍したコジョンドとコバルオンの回復を終えて、ユウキはセンターから出てきた。

〈あっ、ユウキさん、ジム戦終わったんだね?〉
「うん、結構簡単に終わったよ、ジグザグマ。みんな、お待たせ。」

センターの前でジグザグマと出会った。

〈ジクザクマさんの情報のおかげですね。〉
〈ああ、そうだな。〉
〈ジクザクマは情報通なのね。〉
〈僕なんかまだまだだよ。実際に行ったことあるのはトウカシティの周辺だけだし。〉
「でも、昨日来たばかりの僕達には、どれも貴重な情報だよ。」
〈うん♪そうだよ!ジグザグマの情報がなかったら、作戦も立てられなかったしね♪〉
〈そう言ってくれると嬉しいよ。〉

ジグザグマは少し照れた。

〈僕には尊敬する情報屋がいるんだ。〉
〈突然どうしたの〜?〉

ジグザグマは話を始めた。

〈ホウエンには、ペリーさんって呼ばれている情報屋がいるんだ。〉
「〈ペリーさん?〉」
〈うん。種族はペリッパーって言うポケモンなんだけど……。〉
〈ペリッパー……確かキャモメの進化系だったわね。〉
〈うん。その人はホウエン中を飛び回っていて、各地の情報に精通しているんだよ。〉
〈情報屋か。一度会ってみたいな。〉
〈だから、僕はペリーさんみたいな情報屋になるのが夢なんだ。〉
〈なるほどね〜。〉
〈応援してますよ。〉
〈ありがとー。旅してるなら、いつか会うかもね。〉
「そうだね。最後に一つ聞いてもいいかな?」
〈うん。〉
「ここから一番近いジム、どこにあるかわかる?」
〈ええっと、確か、北にあるトウカの森を抜けた先にあるカナズミシティーが、近いよ。〉
〈ありがと♪助かったわ♪〉
〈うん。せっかくだし、トウカの森まで、案内するよ!〉
〈いいんですか?〉
〈うん!〉
「ありがと。じゃあ、お願いね!」

ユウキ達はジグザグマに案内を頼み、歩いていった。

………

AM11:00 104番道路 トウカの森入り口

〈僕が分かるのは、ここまでかな。〉
「うん、ありがとう。助かったよ。」
〈ここから北に向けて森を抜けると着くから。〉
〈わかった。〉
〈この辺を通った時は、トウカシティによってくれると嬉しいな。〉
〈ええ、そうさせてもらうわ。〉
「うん、じゃあそろそろ行くよ。」
〈元気でね〜。〉
〈うん!〉

ユウキ達はジグザグマと別れ、薄暗い森へと、入っていった。

………

AM11:10 トウカの森

〈案外ここの森、広いわね。〉
〈うん♪そうだね♪〉
〈さすがに俺でも、迷いそうだ。〉
〈見通し悪いしね〜。〉

ユウキ達は広い森の中で迷いかけていた。

「うん。とりあえず、言われたとおりに北に向けて歩いてみよっか。」
〈そうですね、ジグザグマさんもそう言ってましたし。〉

ユウキ達は森の北に向けて歩き始めた。

 10分後

「そろそろ出口かな。」
〈周りも少しずつ明るくなってきましたしね。〉
〈ねぇ、ユウキ、あれって出口じゃない♪?〉

ユウキ達が向かう先に明るい光が差し込んでいた。

〈スワンナ、どうやらそうみたいだな。〉
「うん。カナズミシティーまでもう少しだね。」
〈ええ、早く行きましょ!〉

ユウキ達は出口に向けて走っていった。
すると、

「うわっ、危ない!ぶつかるー!?」
「ええっ!?」

1人の少女が、慌てた様子で走ってきて、ユウキとぶつかった。

「いたたた。きみ、大丈夫?」
「突然だけど、たすけて!」
「〈〈〈〈えっ!?〉〉〉〉」
〈ドラマとか小説でよくある展開だな。〉
「私、追われてるの。捕まったらどうなるか……。うわっ、もう追いつかれた!?」

そう言い、後ろを振り返った。

〈えっ!?追われてるの!?〉「追われてる!?」
「やっと追いついた。」「任務遂行のため、逃がさん!」
〈あの人達の事みたいですね。〉
「うん、みんな、この子を助けるよ!」
〈うん、もちろんだよ〜!〉〈そのつもりよ!〉〈ああ。〉〈はい!〉〈うん♪困っている人をほっとけないよね♪〉
「皆さん、ありがとうございます。」
「俺の邪魔をするのか!?」
「なら、手加減無しだ!グラエナ!」
「マタドガス!」
〈任務遂行のためだ。〉
〈悪くおもうな。〉

謎の二人組はグラエナとマタドガスを出した。

「あっちはおそらく毒タイプ、こっちは多分ポチエナの進化系。なら、コバルオン、エーフィー、頼んだよ!」
〈ええ、もちろんよ!〉〈はい!ユウキさん、任せてください!〉
「マタドガス、[毒ガス]!」「グラエナ、[噛み砕く]!」
〈よし!〉
〈任せろ![噛み砕く]!〉〈[毒ガス]!〉

グラエナは技を出すために接近し始めた。

「くるよ!コバルオンは[噛み砕く]を受けてから、[ラスターカノン]!エーフィーは[サイコキネンシス]で打ち返して!」
〈はい!〉〈ええ。[サイコキネンシス]!〉

コバルオンはグラエナに向けて走っていき、エーフィーは技で汚染されたガスをうけとめた。

〈くっ、[ラスターカノン]!〉〈よし!覚悟しなさい!〉「もう一度[噛み砕く]!」「[ヘドロ爆弾]!」
〈!?〉〈覚悟してください!〉〈くらえっ!〉「エーフィー、発散させてマタドラスにシャドーボール]!」
〈ええ。………よし、[シャドーボール]!〉〈くそっ、…………強い……。〉〈よし!ユウキさん、こっちは終わりました。〉

グラエナはコバルオンの放った白銀の弾を受けて倒れた。
エーフィーはすぐに汚染物質を発散させ、漆黒の弾を放った。
対して、マタドガスも毒々しい物質を放った。

〈くっ、捕らえきれない!?〉〈………あまり戦闘経験積んでないみたいね。〉

技か命中し、相手は全滅した。

「くそっ、任務失敗だ。」
「苦労して見つけたのに……、撤退だ!」

そう言い残し、二人組は敗走した。

「…ありがとうございました。私、ライトと言います。皆さんは強いんですね。」
「長年旅してるからね。」
「あなたはユウキさん、って言うんですね。」
「えっ!?まだ名乗ってないのに…。」
〈この感じ、デジャヴだな。〉
〈そうだね〜。〉
〈ウチらにもこんな事、あったわね♪〉

どうやら、この少女はユウキと同様に、ポケモンの言葉が分かるようだ。

(………もしかして……この感じ……)
〈ライトさん、伝説の当事者としての勘ですが、あなたはポケモンですか?〉
「〈〈〈〈えっ!?〉〉〉〉」
「…………もう見抜かれちゃったか……私もまだまだだなー。」
「〈えっ!?それはどういうことなの!?〉」
「助けてもらった恩があるし、ちょっときて!」

そう言い、ライトと名乗った少女はユウキの手を引いて森の外へと向かった。


@ ( 2013/04/19(金) 01:29 )