とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§ Final epilogue
one-hundred-second
PM0:00 カナシダトンネル外部 sideユウキ

カエデ「……終わった……んたよな?」
ライト〈そうみたいだね……。それより、ソウルさんは!?〉

ソウルさん、[レックウザ]……凄すぎるよ……。

[雷]もそうだけど、ふたりの[流星群]……ヤバかったよ。

………いつからいたのか記憶に無い……というか、とんでるよ……。

アオイさんの[流星群]が撃ち返されたのは覚えていれけど……。

ライトは声を張り上げ、ソウルさんの元に駆け寄った。

ダメージが大きかったのか……弱っているみたい……。

ソウル〈……今更だけど、[代償]が大きすぎましたね……。〉

ソウルさんはハハハと、力無く笑った。

シルク〈[代償]? 代償って?〉

遅れて駆け寄ったシルクが首を傾げた。

代償って、何なんだろう……?

ソウル〈封印するには………技を1つ、犠牲にしないといけないんです。……それだけ効果が大きいので、僕はこの姿では技が1つ、使えなくなりました…。〉

ユウキ・シルク〈〈えっ!?技が3つに!?〉〉

それだけ力が強大って事!?

ティス〈我が輩もそう聞いている。 それにそこの[ピカチュウ]、汝は普通のポケモンではないな?〉

レックウザは、僕の方に振り向いた。

……改めて見ると、やっぱり威圧感が凄いよ……。

ユウキ〈やっぱり、伝説となると、分かるんですね。〉
コルド〈ユウキさんは[英雄伝説]の[絆の賢者]ですから。………ご存知だと嬉しいのですが………。〉

コルドは遠慮気味に訊ねた。

ティス〈伝説は存じておる、確か汝の種族は[コバルオン]だったな?〉
コルド〈はい!合ってます!!〉

コルド、嬉しそう。

ユウキ〈僕も嬉しいです。「〉自分が関わっている伝説ですから。」

僕は姿を元に戻しながら呟いた。

ティス〈やはり、人間だったか……。〉
ライト〈ところでコルド?1つ気になる事があるんだけど、聞いてもいいかな?〉
コルド〈気になる事ですか?〉

ライトは徐に訊ねた。

ライト〈ユウキくんの瞳って、黒だったよね?でも今は青いのは何故?〉
ユウキ「えっ!?青!?」

えっ!?ライト、本当に!?

コルド〈[絆の加護]…二つ目の特性を発動している時は瞳が青くなるんです。シルクさんは存じていると思いますが、[絆]の色は青ですよね?〉
シルク〈……言われてみれば、そうだったわね。………専用の特性って事は、ずっとこのままって事なのかしら?〉

シルク、僕も気になるよ。

コルド〈[心]を無にして、落ち着けば、特性も元に戻ります。〉
ユウキ「[心]を、無に………?」

試しに、やってみた方がいいかもしれないね……。

僕は言われた通り、目を閉じた。

……………………………。

…………?

何も変わった事はないけど………?

僕は半信半疑のまま目を開けた。

シルク〈………確かに、戻ったわね。〉
ライト〈いつもの色だよ。〉
ユウキ「……………何か、実感が無いけど………。」

……………まっ、いっか。



この後、救護にあたっていたスーナ達、長時間戦ってくれていたリーフ達と合流し、戦友達と言葉を交わしてから、この戦場をあとにした。


………

2日後 シダケタウン sideユウキ

一昨日はあの後、ルビーさん達と5人で麓のシダケタウンに下山したよ。

………もちろん、自分たちのメンバーを回復させるためにね。

受け取ってから、ルビーさんとミツルさん、ユウカとは別れて、僕とカエデは調査結果のまとめ……。

結構たまっていたから大変だったよ……。

シルクとオルトに手伝ってもらってなかったら、きっと倍の時間かかっていたかもしれないね。

アオイさんはというと、[封印石]を護る必要が無くなったからって言って、久しぶりにホウエン中を見てまわるって言ってたよ。

ソウルさんはダメージが酷かったから、[ライボルト]の姿でセンターで看てもらっているよ。

実際、僕も度重なる連戦で疲労が溜まっていたから昨日の夜まで全く動けなかったんだけど……。

そんな感じで2日間が過ぎて………、

フライ〈えっ!?ライトちゃんは来ないの!?〉
ライト「うん。ソウルさんの事もあるけど、わたしも十分実力が上がったから。」

シダケタウンのポケモンセンター前。

ライトは僕達に言った。

オルト〈………確かに、出逢った当初から考えると、かなり強くなったからな。〉
スーナ〈ちょっと淋しいけど、ライトがそう決めたなら、そうした方がいいよね♪〉
コルド〈僕達の用件に無理やりつきあってもらう訳にはいきませんからね。〉
ユウキ「そっか……。」

今思うと、ライトとの出逢いは必然的だったのかな……?

図書館とかで調べていたら[古代都市]についての記事を見つけていたかもしれないけど、調査してなかった可能性が高かったかもしれない……。

学会で知り合ったカエデは別として、調査してなかったらルビーさんとミツルさんには会ってなかった……。

シルク〈淋しくなるけど……、ソウルさんの事は頼んだよ。〉

シルクは嗚咽混じりに別れを惜しんだ。

…………実はシルク、昔から涙もろいんだよね……。

当然、シルクの以外な一面を見たみんなはキョトンとしているよ………。

ライト「うん。ユウキくんにシルク、オルト、リーフ、スーナ、コルド、フライ…………、みんなも元気でね!〉
オルト〈ああ。ライトもな。〉
リーフ〈ソウルさん達にもよろしく言っておいて!〉
スーナ〈これでもう会えなくなる訳じゃないから♪〉
コルド〈もし良かったらイッシュ地方にも来て下さい。その時は僕達が案内しますよ!〉
シルク〈あの時みたいに、出会えたらね! ライト、私達、そろそろ行くわね。〉
ユウキ「ライト、じゃあ、またいっか。」

僕達は互いに握手を交わし、別れを惜しんだ。

ライト「うん!!」

僕達はライトに見送られながら、シダケタウンを後にした。


…………さあ、残すはリーグのみ。

僕達はこの地方での最後の目的を果たすために、歩き始めた。


………でも、これはまた別の話。

苦戦するかもしれないけど、シルク、オルト、リーフ、スーナ、コルド、フライ、いくよ!!


晴れ渡る空の下、7筋の風が吹き抜けた。


   



   The end.......

■筆者メッセージ
あとがき

半年以上もの長い間、“とある青年の物語〜kizuna〜をご愛読頂き、ありがとうございます!

今回で、当作品も完結です。
@ ( 2013/11/30(土) 00:50 )