とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§16 gravity
ninety-ninth
AM10:30 カナシダトンネル sideスーナ

オルト〈くっ……いつになったら終わるんだ………。[跳び膝蹴り]!〉
スーナ〈おまけに、アルファまで来たし……〉
コルド〈遠距離技ばかりで、エネルギーが保ちそうにありませんよ!!〉

あれから随分長い時間戦ってるけど、一向に減る気配がないよ!!

それに、幹部のアルファとガンマまで来て“グリース”の結束力が強くなってきてる………。

本当に、いつ終わるの??

ウチは高圧の水流を放ちながら呟いた。

ガンマ「どうやら、多勢に無勢のようだな。」
アルファ「この私達、“グリース”に刃向かったからこうなるのよ。………しかしガンマもなかなかやるわね。私でも解けなかった謎を解いたのだからね。」
ガンマ「プロジェクトの責任者である以上、失敗は許されないからな。………このプロジェクトが終わり次第、[ラティアス]、お前にも捕まってもらうからな!」
ライト「だから、わたしは捕まらないって言ってるでしょ!」

相手も、部下に指示しながら口々に会話する。

スーナ〈[冷凍ビーム]!…………!?まさか……エネルギー切れ♪!?〉

ウチは喉に力を込めて冷気を………!?出ない!?

まさか……ここまで!?

コルド〈スーナさん!?〉
スーナ〈っく、ごめん♪!!ウチはもう無理みたい……。〉
オルト〈スーナ!!〉

みんな………本当に、ごめん。

ウチはもう戦えないみたい………。

アルファ「よし、今だ!!お前達、総攻撃よ!!」

部下達「「「了解!!」」」

ライト・オルト・スーナ・コルド「〈〈〈しまった!!〉〉〉」

ウチらの猛攻が途切れたのを見計らって、敵勢は総攻撃を仕掛けた。

ウチらは未だに囲まれている……。

くっ………ウチらもここまで………!?

ウチは大ダメージを覚悟して、目を堅く閉じた。

ミツル・リーフ・フライ「ミンク、[サイコカッター]!!」〈[リーフストーム]!!〉〈[岩雪崩]!!〉

ミンク《大勢で攻撃するなんて、噂通り非人道的な集団ね!![サイコカッター]!!》

一同「「「〈〈〈!!?〉〉〉」」」

!?

どこからともなく声が響き、3つの技が放たれた。

1つは凄い勢いの深緑の嵐。

1つは急降下する大量の岩石。

そしてもう1つは超能力で生み出された鋭い刃………。

あと、この声……。

アルファ・オルト「何っ!?新手か??」〈リーフ、フライ、助かった!!〉

フライ!リーフ!!それにミツルさん達!

ミツル「ルビー君の言う通り、非道な集団……。ミンク、手加減無しでいくよ!!」
ミンク《もちろんよ!!年下相手に大の大人が大勢で相手するなんて……許せないわ!!》

ウチらを含め、唖然としている全員に、澄んでいるけど怒りにも似たミンクさんの声が響いた。

………威圧感が………尋常じゃないよ……。

キンセツシティーで会った時とはまるで別人みたい………。

リーフ〈みんな、大丈夫!?〉

そこに切羽詰まった様子でリーフがウチらに声をかえる。

ライト「さんにんとも、エネルギー的に限界だよ……。」
スーナ〈ウチは完全に尽きたよ……。〉
コルド〈僕も正直、厳しいです。〉
オルト〈俺も、あと2分保つかどうか……。〉

リーフ……、本当に、限界だよ。

フライ〈うん、わかったよ。だからここからはボク達に任せて!!〉
ライト「リーフ、フライ、それにミツルさん達も、本当に助かりました!」
ミツル「ライトさんも、ここまでありがとうございます。よし、確かリーフにフライだったね?いくよ!」

ミツルさんが威勢良く言い放つ。

アルファ「1人加わろうと同じこと………」
???「誰が1人だって言いました!?」
ガンマ「誰だ!?」
ベータ「今度は何者だ!?」

ウチらを含めて、ミツルさん達、リーフ達以外は驚きで声をあげた。

???《よくも、この私を出し抜いてくれたわね!![大文字]!!》

空と陸から2つの声………。

ルビー「チルタリス、[竜の波動]!!」
ライト「えっ!?アオイさん!?人間とは関わりを絶っているんじゃあ……」

アオイ・チルタリス〈ライト、私達に協力してくれるとなると話は別。それに今は急を要するわ!だから、私事は挟めないわ!!〉〈“グリース”となると、許しておけないよね☆[竜の波動]!!〉

声がした所から、紅蓮の炎と青黒いブレスが放たれた。

ルビーさんにアオイさん!!

来てくれてんだ!!

[キュウコン]の姿の彼女も、闘志をむき出しにして言い放つ。

アルファ「とうとう野生まで来たか………。」
アオイ《言っとくけど、私は野生だけど舐めてもらったら困るわ!!《〉[火炎放射]!!〉

それだけ言うと、アオイさんは溢れんばかりの感情を乗せて技を放った。

………この間に、相手の幹部が全員揃った。

ベータ「野生如きに何ができる!!そっちはトレーナー少数に対してこっちは組織全員だ!!イータ、デルタ、次を作戦に移るぞ!!」
ライト「次の作戦!?」

うそ!?

作戦!?

ということはまさか………2つ目と3つ目の封印も…………解かれた!?

って事は残りはここの1つだけ!?

………どういう物か情報不足で分からないけど………。

デルタ・イータ「もちろんだ!」「やっと私達の出番ね………。」

ガンマ「幹部4人相手にどう立ち向かう!?」

ガンマが眉を吊り上げながら言い放った。

ミツル「幹部全員となると、さすがに僕達でも厳しいかもね……。」
ルビー「それにこの数、想定外だよ……。」
アルファ「お前達も、全力でかかれ!!」

本当に、マズい………。

例え星を持っている2人でも、この数は………。

ウチは何も出来ず、諦めかけたその時、

???「いや、人数は俺達で丁度幹部の数と同じやろ?それに星の合計は
4やよ!!だからそっちも油断すると負けるんとちゃうか!?」

???「ライトちゃん!!」

!?

今度はカエデにユウカ!?

ライト「えっ!?ユウカちゃんも!?」
ユウカ「うん!ライトちゃんがピンチだって聞いたらいてもたってもいられなくて……。それに、1人でも味方が多い方がいいでしょ?」

今度はピジョットに乗ったカエデと、進化して[ボーマンダ]になったフィルト。

……もしかして、ミツルさんと一緒に来たリーフ達が伝えてくれたのかな?

ベータ「!? とにかく、行くぞ!![レジロック]……」

デルタ・イータ「[レジアイス]…」「[レジスチル]…」

ベータ・デルタ・イータ「「「出番だ!!」」」

レジロック〈……………〉
レジアイス〈……………〉
レジスチル〈……………〉

!?

何!?この種族!?

アオイ〈何よ!?コイツ等!?今から戦うとうのに無視する気!?〉

ルビー「!? とにかく、倒すよ!!」
ミツル「もちろんだよ!!」
カエデ「はい!!」
ユウカ「なら私は残りの女の人の相手をします!!」
チルタリス〈最初から……〉
ミンク〈私達は……〉
ピジョット〈そのつもりです!!〉
フィルト〈だから俺達に任せろ!!〉

戦えないウチらの代わりに、みんなが戦闘体勢に入った。

リーフとフライも、ずっと闘ってくれている。

…………あと、ここにいないのはユウキとシルク、そしてソウルさんだけ……。

みんな強くて心強いけど、さすがにこの数は……、半年前の“プラズマ団”の時よりも多い……。

倒しても無限に湧き出てくる………。

本当に、キリがない………。

流石にウチでも心が折れそうだよ………。

闘いたいのに戦えないから尚更……。

立ち向かう手段を無くしたオルトとコルドも、ウチと同じ気持ちのはず……。

オルト〈………せめて……、エネルギーを回復出来たら……〉
コルド〈体力も殆ど削られてないので………悔しいです………〉

ふたりは悔しそうに歯を食いしばった。

ふたりとも、まだ諦めてない………。

ライト「……だから、わたし達はわたし達で出来る事をしよ!」
スーナ〈ライト………。…………うん!そうだよね♪!!戦えなくても出来る事はあるよね!!〉

ライト、君の言葉で目が醒めたよ!!

ウチらにも、出来る事がきっとある!!

ウチは彼女達の言葉で再起動した。

コルド〈僕は一度、[絆のチカラ]でユウキに居場所を聞いてみます!!〉
スーナ〈なら、ウチはユウキ達を迎えにいくよ♪!!〉
オルト〈なら俺はユウカ達のメンバーの誰かが倒れた時の為に傷の介抱をする準備をしておく!〉

ウチらは決意を新たに、自分に出来る事をしようと行動を開始する。

ライト「なら、この中で唯一闘ってないわたしは戦闘に加わる準備を………」

ライトも、行動しようとしたその時、

???「みんな、待たせたね!!」
???〈だから、みんなはゆっくり休んでて!!〉

2つの声が響いた。

@ ( 2013/11/24(日) 23:32 )