seventy-eighth
PM5:50 102号室
「それでは、自分はこの後呼ばれているので、失礼します。」
集合時間の10分前、スカイは一礼し、102号室をあとにした。
「お兄ちゃんと久しぶりに話せてよかったよ。」
〈元気そうで安心だな。〉
〈うん♪それに、教職が型についたって感じだね♪〉
「そうだね。」
〈ライトちゃんのお兄ちゃんに始めて会ったよっ。〉
〈ねぇユウキ、話変わるけどこの後何か食べにいかない?〉
話していることろで、リーフが話題を変えた。
〈…そうね。まだはやいけど、今日は食堂は混みそうだから早めに行ったほうがいいわね。〉
「もしかすると、向こうでお兄ちゃんにも会えるかもしれないね。」
〈そうだね♪本当はもっとはなしたかったから、ちょうどいいね♪〉
「うん。 まだはやいけど、行こうか。」
ユウキは財布を持ち、夕時の食堂に向かった。
………
PM6:00 ヒマワキシティーポケモンセンター 食堂
「やっぱり、まだ少ないね。」
ユウキ達は嵐の前のように静まり返った食堂に一番乗りで入った。
ポケモンセンターの食堂は、ポケモン用の料理も出していて、和、洋、中華など、場所によって形式が異なっている。
ヒマワキシティーの場合、ビュッフェ形式の洋食だ。
〈おそらく、この後にスカイさん達の団体が来る予定だからだろうな。〉
〈きっとそうですね。〉
〈そうに違いないね♪ とりあえず、埋まってない場所に席を取ろうよ♪〉
「うん。私、センターの料理、好きなんだよねー。だって、場所によって種類が違うでしょ?」
「確かに、そうだね。 でも、正直、料金も割り引きになったらもっといいんだけどね…。」
ユウキは残念そうに呟いた。
〈宿泊料が割り引きされる代わりに、ここで
賄っているんじゃないか?〉
〈きっとそうだね。 早速食べようよ!〉
〈うんっ!ライトちゃん、ここの形式は知らないから、教えてくれるっ?〉
「うん。いいよ!」
ユウキ達は散り散りになり、自由に夕食を取りにいった。
25分後
「あっ、お兄ちゃん達、来たみたいだね?」
外が赤く色づき始めた頃、賑やかな声が聞こえはじめた。
「はい、今日はお疲れ様でした。食べる前にいくつか明日の連絡をします。」
教師の1人が言うと、当たりがすぐに静かになった。
「明日の自由散策についてですが……」
〈あっ、スカイさんが話しはじめたわね。〉
話し手はスカイに交代した。
「行動時間は午前9時から午後3時まで、範囲はヒマワキシティー内と天気研究所周辺までとします。」
〈明日は自由行動なんだろうねっ?〉
〈話を聞いていると、そうらしいね♪〉
ユウキ達は盛りつけた料理を頬張りながら、スカイの話に耳を傾けていた。
「自由時間に、バトルをしても、観光をしても構いません。………明日については以上です。何か質問がある人はいますか?」
スカイは少し大きめの声で生徒達に聞いた。
すると、1人の生徒が手を挙げた。
「はい。トレーナーの人とバトルをしてもいいんですか?」
「…、構わないですが、賞金をもらうことは禁止とします。」
質問に簡単に答えた。
「ありがとうございます。」
「他に質問がある人はいますか?………はい、ないので自分からの連絡は以上です。」
その後、誰も手を挙げなかったので、話を切り上げた。
「最後に、夕食ですか、ポケモンを出すことを可とします。ただし、技を指示する事は禁止とする。決してバトルをする事がないように。以上!」
スカイを含めた教師陣の話が終わり、生徒達は待ちに待った夕食にありついた。
〈スカイさん、格好良かったね。〉
話を聞き終え、リーフは感嘆の声をもらした。
「正に教師って感じだったね!」
〈うんっ!教師って格好良いいね! ライトちゃん、ライトちゃんのお兄ちゃんってことは、あの人もポケモンなんでしょ?〉
フライはモモンの実でできた料理を口にふくみながら、ライトに聞いた。
「私とは種族がちがうけど、そうだよ。前にも話したとおり、私達は性別によって種族がかわるからね。」
〈そういえば、そう言ってたねっ。〉
フライはライトの言葉に納得した。
「ライト達は特殊な種族だからね。」
〈そうよね。ライト達は準………〉
「あっ、ユウキさんも来ていたんですね?」
シルクの言葉を遮り、スカイがユウキ達の前に姿を現した。
「あっ、はい。僕達も夕食です。」
〈スカイさん、格好良かったよ。〉
「どうも。君はジャローダだったね?」
〈うん。種族はね。名前はリーフっていうんだよ。〉
リーフは簡単に自己紹介した。
「君の名前だね?」
〈それから、私はシルク。〉
〈俺はオルトだ。〉
〈ウチはスーナ。〉
〈僕はコルドです。〉
〈ボクはフライ、よろしくねっ!〉
「うん。よろしく。」
一同は簡単に名前を伝えた。