とある青年の物語 〜kizuna〜


























小説トップ
§12 The new supporter
seventy-third
AM10:30 シダケタウン

〈あっ、そういえばユウキくんっ?〉
「ん?フライ、どうしたの?」

フライは思い出したように、ユウキに聞いた。

〈今思い出したんだけど、ルビーさん達に[砂漠遺跡]の事を聞いてみたいんだけど、聞いてくれるっ?〉
〈確か、何か意味がありそうな言い伝えがあったね。〉
「そういえば、そういうのがあったね。」
「ん?ユウキ、どうしたんや?」

ユウキが突然1人で話はじめたので、カエデは不思議に思い、尋ねた。

「ええっと、1つ聞きたい事があるんですけど、いいですか?」

ユウキは自分のバッグからノートを取り出しながら言った。

「いいけど?」
「……調査中に気になる伝承を耳にしたんですけど………(省略。参照、§8)…………。こういう伝承を砂漠に住んでいるポケモンから聞いたんですけど、何か知ってますか?」
「うーん、聞いたことないよ。」
「でも、滅びた3つの古代都市って言うのが気になるな。」
「3つの古代都市、封印石の数も3つだから、無視できないね。」
《そうですね。数が一致しているから、関係がありそうね。》
《仮にその2つが関係しているとすると、[砂漠遺跡]みたいな史跡があと2つある事になるわね。》
〈うん。もしそうだとすると、その滅びた古代都市が封印石と関係しているかもしれないねっ。〉
《そうですね。 本当なら、封印されたポケモンと、都市の滅亡が繋がりますね。》
〈僕もそう思うよ。〉
「そういえば、滅亡した古代都市の事を知っていたみたいですけど、ここでは有名なんですか?」

ルビー、ミツルの様子を見たユウキは疑問に思った。

「うん。ホウエン地方出身の人はみんな知ってるよ。」
「栄華を誇った3つの都市が何らかの理由で突然滅んだのは[ホウエン創造伝説]に次いで有名だよ。」
《なぜ滅んだのかは未だに解明されていませんけどね。》
「そうなんですかー。」
「ユウキくん、調べてみる甲斐がありそうだね!」
〈この伝承と古代都市についても調べてみようよ♪!〉
「うん。もしこれが事実で、証明できたら大発見やな!」
〈そうだな!俺もそんな気がしてきた!〉
〈この感じ、久しぶりだよ。〉
「なんかワクワクしてきたよ!」
「そうだね。じゃあ、この事についても調べてみようか。」
「そうだね。」「「はい!!」」

ユウキ達はたてた仮説の証明のため、改めて団結した。

………

AM11:00 シダケタウン

「……言った通り、分担はこれでいいですね?」
「うん。僕は[グリース]の追跡調査、ミツル君は古代都市の位置の捜索、カエデ君はまだ誰も調べていない本島の北東部の調査、そしてユウキ君がポケモンへの聞き込み調査だね?」
「はい。」
「2人のジム巡りの事も考えると、それが一番いいね。」
「ポケモンに聞くのはユウキにしかできやんからな。」
《そうですね。 ミツル、2人のアドレスを交換したほうがいいと思うわ。》
《何か発見した時に連絡がとれるので、それがいいですね。》
「うん。ミンクとコルドの言うとおりだね。」
「そうやな。」

3人はそれぞれの通信機器を取り出した。

「うん。これで大丈夫だね?」
「はい。 年下の僕の提案を聞いてもらえて嬉しいです。あと、アドレスありがとうございます。」
「確かに僕達の方が年上だけど、専門家の2人にはかなわないよ。」
《考古学に関する知識ではかないませんからね。》
「でも俺達、まだ新人ですよ?」
「ルビーくんの言うとおり、僕達は一般人だから。」

2人は謙遜した。

 

5分後 

「……久しぶりの里帰りだからキンセツまで送れないけど、道わかる?」
「「………わからないです。」」

ユウキとカエデは声を揃えた。

「キンセツシティーなら、東に向けて進とすぐに着くよ。」
「真っ直ぐやな?」
「わかりました。ありがとうございます。では、行きますね。」
「うん。僕は別の用事があるから先に行っててくれるかな?」
「はい。」
「ユウキ、せっかくやから、途中まで一緒に行かないか?」
「うん。そうだね。では、失礼します。」

ユウキ、カエデは2人に一礼し、シダケタウンをあとにした。

………

AM11:00 117番道路

「ユウキ、一度ユウキのバトルを見たいんやけど、ええか?」

町を出てから数分後、カエデはユウキに話しかけた。

〈ユウキ、いいんじゃない?〉
「うん。そうだね。」
《ユウキの実力は本物よ。》
「そうなんやな。」
「うん。 とりあえず、僕はカエデのポケモンということでいいかな?」
「えっ?ああ。」
「ユウキくんとは直接会話が出来なくなるけど……。」
「大丈夫。自分の判断で動くから。」

そういうと、ユウキは姿を歪ませた。

《カエデ、ここからはユウキが言ったことは私とコルドが通訳するわ。》
〈僕達だと伝えれないからね。〉
〈そうだねっ!〉
「………さっそく、行こっか。」

そう言い、一同は歩き始めた。

3分後

「俺様と勝負しろ!」
「ん?ええけど?」
「ダブルバトルで勝負しろ!」
「この人、口悪いね。」
〈おそらく、不良だった経歴があるな。〉

〈たぶん、そうだね♪〉「ダブルバトルやな。なら……」〈ダブルバトルね。なら、フライ、ふたりでしようか。〉

《カエデ、ここは私達に任せてくれるかしら?》〈うんっ!やっとユウキくんと連携出来るよっ!〉「グラエナ、プクリン、俺様達の力を見せつけろ!」

「えっ!?うん?」〈じゃあ、いくよ!〉〈仕方ないね……〉〈ハァー。やるか。〉

〈フライ、さっそく乗ってもいい?〉
〈うんっ!〉

「プクリン、[往復ビンタ]、グラエナ、[噛みつく]!」〈じゃあ、僕は[10万ボルト]で牽制するから、フライは[目覚めるパワー]を溜めておいて! [10万ボルト]!〉

〈はいはい。〉〈とりあえず、どうにかして下に落とさないとね。〉〈うんっ![目覚めるパワー]!〉

相手の二体は技の為に接近を開始した。
フライはユウキを乗せて、手元に群青色のエネルギーを溜め始めた。
ユウキは高電圧の電撃で相手の接近を阻止した。

「お前、指示しないから自爆してるんじゃねぇか?フライゴンは飛行タイプだろ?さてはお前、新人か?」

相手は眉を釣り上げて(本人は間違いに気づいていないが)挑発した。

〈ユウキ、溜まったよっ!〉〈〈!!近づけない!?〉〉「ハァー。あんたこそ、アマやな。見てみな。」〈なら、打ち出して!〉

「お前、ムカつく……何!?効いてない!?」〈うんっ!〈[目覚めるパワー]!!〉〉

フライは群青色の弾を発射し、少し遅らせてから、ユウキは紅蓮の小球をそれに衝突させた。

「フライゴンはドラゴンと地面タイプ。電気技は無効、常識やよ。」〈〈混ざった!?〉〉〈配合してないから威力は落ちるけど、これなら大丈夫かな。〉

二色の弾はえんじ色に変色し、プクリンの目前で小爆発を起こした。

〈うっ!  !?混乱!?見えない!?〉

配合の効果が発動し、プクリンは混乱状態となった。

〈悪タイプはこんな効果があるんだねっ?〉「!!?」〈大丈夫か!?〉〈フライ、今度は僕をグラエナの上で落としてから、プクリンに[ドラゴンクロー]、頼んだよ![エレキボール]!〉

〈任せてっ!〉

ユウキはフライの背中から2つの黄色い弾を放った。
フライは言われた通り、グラエナの頭上に移動した。
その間に弾は衝突し、いくつもの小球に弾けた。

「「!!?」」

口論していた2人はその光景に目を奪われた。

〈よし!〉〈いくよっ!〉

相手に黄色い雨が降り注ぐ。
ユウキは降下しながら右腕に力を溜め始めた。
フライは一度旋回してから急降下した。
その時には、フライの両手は暗青色のオーラに包まれている。

〈上から!?〉〈どこ!?見えない!?〉〈[気合いパンチ]!〉〈[ドラゴンクロー]!〉

ユウキは重力を拳に乗せてグラエナを殴りつけた。
フライはパニックに陥っているプクリンを切り裂いた。

〈〈っ??!!〉〉

相手の二匹は地面に無理やり叩きつけられた。
立ち込める砂煙……。
その中でユウキは衝撃に備えて受け身を取った。
フライは羽ばたき、着陸した。

「!!?どうなった!?」

〈……視界が冴えないね。フライ、払ってくれる?〉
〈うんっ。〉

フライは羽ばたき、砂煙を払った。

「クソっ!負けた!? お前、一度も指示してないだろ!?」

(ユウキが指示を出してたのか?)「予めたてておいた作戦や。 あと、もう一度バトルについて学びなおしたほうがええよ。」

「クソっ、こんなガキに!?」
「そうそう。見た目で判断しないほうがええよ。 これでも俺は1つ星のトレーナーやから。」
「……覚えていやがれ!!」

そう言い残し、チンピラは敗走した。

〈よし、終わったね。〉
「フライ、お疲れ。」

ユウキは喋りながら姿を変えた。

〈悪タイプは相手を混乱させる効果があるんですね。〉
〈そうみたいね。知れて良かったわ。〉

「ユウキ、本当に強いんやな?フライ、だったか?に、指示しとったんやな?」
「うん。そうだよ。」
「あと、どう見ても[目覚めるパワー]やったのに、どうして混乱状態にさせれたんや?」

カエデは溜まりに貯まった疑問をユウキにぶつけた。

《特殊技は合わせる組み合わせによって、いろんな効果が発動するのよ。》
《解説すると、炎タイプは混ざると小爆発を起こして、悪タイプは相手を混乱状態にする、のかな、このように固有の効果があるんです。》
「そうなんやー。」
「上手くタイミングを会わせないと、失敗するけどね。」
「……高度な技なんやな?」
「そうなるのかな……。本当はシルクの戦法だけど…。」
《でも、始めに見つけたのはユウキだから、私の特許という意識はないわ。 むしろ皆に使って欲しいぐらいよ。》

「なんやかんや言って、結構みんな使ってるよね?」(私を含めて。)

〈そうだな。〉

ユウキ達はカエデへの解説を終えた。

「……とりあえず、キンセツシティーに行こっか。」
「……そうやな。」

ユウキ達は昼の街道をカジノ街に向けて歩き始めた。


§12 End. To be continued...

@ ( 2013/07/05(金) 02:10 )