とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§12 The new supporter
seventy-first
AM8:40 キンセツシティー 上空

〈ちょっと早いけど、着いたねっ。〉
〈うん♪ ここからルビーさん達を捜してみる?〉
「そうだね。下で捜すより、速く見つかるかもしれないね。」

街の上空20m、三匹の声が響いた。

〈ええっと、……あっ、いたいた。〉
〈あの人は、ルビーさんだね♪〉
〈あの人がそうなのっ?〉
「うん。ユウキくん、見つかったから、行こっか。」

ユウキ達のいるちょうど真下に見覚えのある人物が歩いていた。

〈うん。スーナ、フライ、お願いね。〉
〈うん♪会うの久しぶりだなー♪〉
〈あの人のところだねっ?〉

スーナとフライは、歩いているルビーのところに向けて高度を落とした。

2分後 キンセツシティー

「ルビーさん、お久しぶりです!」

ライトは、ルビーを見つけて大声で呼びかけた。

「!? 上? ああ、久しぶりだね。君はユウキ君の秘書のライトさんだね。」
「はい。」
「ええっと、ユウキ君は………あっ、同じバンダナをしてるから、このピカチュウだね?」
〈はい。お久しぶりです。〉

ユウキはスーナから降りながら手で合図した。

「話では聞いていたけど、まさか本当になれるとはね。」
「ユウキくんはちょっと特殊ですから。 ユウキくん、みんなを出しておくね!」
〈うん。頼んだよ。〉
〈人通りが多いから、ここで姿を変える訳にはいかないからね♪〉

ユウキは頷きながら答えた。
ちなみに、今はユウキの荷物はライトが持っている。

〈着いたな。〉
〈朝早くてもここは人が多いんだね。〉
《そうね。 ルビーさん、久しぶりね。》
《ご無沙汰してます。》
「そういえば、君達はテレパシーが使えたんだよね。うん。久しぶりだね。」

互いに再会を喜んだ。

「あっ、そういえば、僕の友達も調査に協力してもらうことになったから。」
〈《えっ?友達?》〉
《どんな方なんですか?》

ルビーは思い出したように言った。

「腕利きのトレーナーだよ。僕のほうがトレーナー歴が長いけど、いつの間にか抜かれちゃって……、とにかく僕より強いんだよ。」
〈ルビーさんより強いってことは、最低でも一つ星は確定かな?〉
〈そうなるな。シルク、コルド、聞いてくれるか?〉
〈トレーナーとして、僕も気になるよ。〉
《ええ、きいてみるわ。 ルビーさんその人の星の数はいくつなのかしら?》

シルクはユウキ達の代わりに聞いた。

「確か……2つ星だったかな。」

〈ユウキより多いね。 なら、心強いね。〉〈《2つ星ですか!?》相当強いんだろうな。〉

《でしょうね。 ルビーさん、その人もこれから来るんですか?》
「うん。 あっ、この光は……。」

「《《〈光?》》〉」

ユウキ達が話しているところに、一筋の光が出現した。
光はほぼ人の大きさぐらいになった。
光が収まると、そこにはルビーぐらいの年の青年と、一匹のポケモンがそこにいた。

「ミンク、ありがとね」
《お安いご用よ。ルビー、久しぶりね。》
「うん。3年ぶりぐらいかな?ミツル君も、久しぶりだね。」
「うん、そのくらいになるね。 ルビーくん、彼女は誰?」

ミツルと呼ばれた青年はライトのほうを見て言った。

「彼女はライトと言って、前に話した考古学者のユウキ君の秘書をしているんだよ。」

「へぇー。でも、肝心の本人の姿が見えないけど……。」「はじめまして、ライトと言います。[サーナイト]の君はテレパシーを使えるんだね?」

「ちょっと訳があって、ここでは姿を見せれないんだよ。」《はい。》

「訳って? 極度の人見知りとか?」
《そんな理由ではないわ。 私達のトレーナーの体質はちょっと特殊なのよ。あっ、私はエーフィーのシルク、よろしくお願いするわ。ミンクさん、あなたのも固有の名前かしら?》

「?テレパシー? シルク、だね? 君は相当の実力を持っているみたいだね。」〈はい。ミツルに使える事を教えてもらったのよ。〉

《一応、私が一番戦闘経験が長いわ。》「ミツルさん、ユウキくんが姿を見せれない訳は後で説明しますね。」

《シルクさんはユウキさんのパートナーですから。なので僕達の中では一番強いんです。 申し遅れましたが、僕はコバルオンのコルドと言います。》「……何か重大な秘密があるみたいだね。」

〈ちなみに、俺はコジョンドのオルトだ。〉《わかってもらえて助かるわ。カエデさんが着いたら説明するわ。》

〈ミンクさん、僕はジャローダのリーフ。よろしく。〉「うん。 それにしても、カエデくん、遅いね……。」

〈ウチはスワンナのスーナ、よろしくね♪〉「ハジツケタウンにいるって言ってたからかな。」

〈ボクは見ての通り、フライゴンのフライ、よろしくっ!ボクでメンバーは全員だよっ。〉「なら、仕方がないね。 7匹だから……全員がユウキくんのメンバーではないね。
ピカチュウだけ腕にバンダナを付けているのが気になるけど……。」

ミツルは青いバンダナをつけたピカチュウを見て言った。

〈よろしくお願いしますね。 で、このピカチュウは?普通のポケモンにしては違和感があるけど……。〉「訳ありだから、後で説明するよ。」

ミンクはピカチュウに何か違うものを感じた。

〈さすがにエスパータイプの君は勘が鋭いね。 確かに、僕はちょっと特殊だから。〉
〈特殊、というと……一体……。〉

ミンクはユウキの意味深な発言に、疑問符で満たされた。

〈初めに言っておくけど、僕がユウキで、このみんなのトレーナーだよ。〉
〈えっ!?何ですって!?〉

ミンクはあまりの衝撃にしりもちをついた。

〈言葉だけだと信じられないよね。 カエデがきたら証明するよ。〉

〈???〉

ミンクの頭上にはいくつもの疑問符が飛び交っている。

《…………とりあえず、カエデさんを待ちましょうか。》
「うん。」
「全員揃ってからでないと、二度手間になるからね……。」

ユウキ達は、まだ到着していないカエデを待ち続けた。

■筆者メッセージ
ミツルはR.Sで登場した少年です。

あと、登場時にサーナイトのミンクが使用した技は[テレポート]です。
@ ( 2013/07/04(木) 00:32 )