とある青年の物語 〜kizuna〜


























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fourth
PM3:40 101番道路

〈……ってことは、ここの一般的な伝説は、“この地方は大地を作り出すグラードンと、海原を作り出すカイオーガの戦いによって出来上がった。”ってことね。〉
〈うん。あってるよ〜。〉
〈そして、その二体が8年前に同時に復活して衝突したのね?〉
〈うん♪そう言ってたよ♪〉
〈なるほどね。〉
〈補足だけど、ユウキさん。〉
〈ジクザクマ、続きがあるの?〉
〈はい。聞いた話なんだけど、1人の少年が“もう一体の伝説のポケモンのレックウザを連れて二体の争いを止めたらしいよ。〉
〈そんなことがあったんですね。僕もイッシュの伝説の当事者として、興味があります。〉
〈僕達全員が伝説に関わったからね。ジクザクマ、貴重な情報ありがとね。〉
〈うん。  えっ!?〉

ジクザクマは反応が遅れた。

〈そうよ。〉
〈このコバルオンとユウキが特にな。〉
〈えっ、ってことは、この大きい方は伝説のポケモンなの?〉
〈大きい方……僕の事ですね。 はい。それに準じた存在ですが…。〉
〈伝説のポケモンなんだー。初めてみたよ。 あと、ユウキさんも何か関係してるんですか?腕に何か付けてるけど…。〉
〈うん。まあね。案内と情報を提供してくれたお礼に、ミシロタウンに着いたら僕の秘密を教えるよ。〉
〈えっ、本当に?重要な事じゃないの?〉
〈重要だけど、沢山お世話になったから、そのお礼よ。〉
〈ウチらじゃあ集められなかった情報をくれたからね♪〉
〈感謝、だな。〉
〈なら、そうさせてもらうよ。 話してたら見えてきたよ。〉

ユウキ達が話している間に町の入口が見えてきた。

〈あそこがミシロタウンなの〜?〉
〈うん。そうだよ!〉
〈今日中にも、仕事が一つ片付きそうね。〉
〈うん。大切な仕事だからね。無事に届けれそうだね。〉
〈うん♪〉〈ああ、そうだな。〉〈はい。そうですね。〉

ユウキ達はミシロタウンに到着した。

………

PM4:00 ミシロタウン

〈着いたよ。ここがこの地方の始まりの町、ミシロタウンだよ。〉
〈ジクザクマさん、今日はありがとうございました。〉
〈うん。すごく助かったわ。〉
〈そう言ってもらえると嬉しいよ。 ところで、ユウキさんの秘密って何なの?元々トレーナーのポケモンだったとか?〉
〈あってるようで、違うのよね♪〉
〈えっ、違うの?〉

ジクザクマが聞き返した。

〈うん。非現実的な事だから、覚悟してね。〉
〈えっ、うん。わかったよ。〉
〈一つ言うが、ユウキも伝説の当事者だからな。〉
〈ユウキさんも?〉
〈うん。コジョンド、補足ありがとう。この姿は僕が変化した後の姿だからね。今日のお礼として、僕の正体をあかすよ。〉
〈正体?何かの組織の一員とか?〉
〈違うよ。見てて。〉

そう言い、自身の姿を歪ませた。

〈えっ!?〉

たった10秒で変化が終わった。

〈強さと所要時間は比例するみたいだね♪〉
「そうみたいだね。僕が強くなってる証拠かな?」
〈……………ユウキさん、人間だったんだね……。〉
〈黙っててごめんね〜。〉
「そうだよ。」
〈……それって、伝説並みにすごい事じゃん!〉
〈ユウキはいわゆる現代の伝説の当事者だからな。〉
〈ええ、実際に半年前に私達が関わって、伝説が繰り返されたからね。〉
〈メインではないですけどね。〉
〈そうなんだー。人間にも姿変えれる人がいたんだー。〉
「うん。 えっ、人間にも、ってことはポケモンにも姿変えれるのがいるの?」
〈うん。種族は忘れたけど、確か二種類の伝説のポケモンが出来たとおもう。〉
〈伝説〜?〉
〈次の研究テーマになりそうね。〉
〈できれば、直接会って話がしたいですね。〉
「うん。争いを止めた少年も気になるし、そっちも調査してみようかな。」
〈そうだな。〉
〈ジクザクマ、そろそろ私達は行くわねいろいろ助かったわ。〉
〈うん。僕はいつもトウカシティーにいるから、機会があったらよってね。〉
「うん。」

こうして、行動を共にしたジクザクマと[絆]を深め、別れを告げた。

〈また会えるといいな〜。〉
〈そうだね♪きっとまたあえるよね♪〉
「うん。きっとね。」

ユウキ達はジグザグマとの別れを惜しんだ。

「じゃあ、まずはここの研究所に書類を届けないとね。」

ユウキ達は研究所へと向かった。

………

PM4:15 ミシロタウン研究所

「着いたね。」
〈ええ。入口が狭いし、私達はボールに戻ったほうがいいかしら?〉
〈そうですね。ユウキさん、お願いします。〉
「うん。みんな、終わったらすぐに出すから。」

そう言い、全員をボールに戻した。

「よし、すみませーん。ここのはオダマキ博士の研究所でよろしいですか?」
「はい、こんな時間に珍しいわね。そうよ。ここはオダマキ博士の研究所よ。私は助手のサファイアです。」
「イッシュの歴史学者のユウキです。オダマキ博士はいらっしゃいますか?」
「ああー、あのユウキさんですね。博士ー、例の学者が到着しましたよ!」
「おぅ、もう来たとはね。」

研究所の奥から、40代ぐらいの研究者が出てきた。

「あなたがオダマキ博士ですね。アロエさんから資料を預かってきました。」
「ありがとう。きみの噂はいろいろ聞いてるよ。半年前にリーグを揺るがす事件を解決したみたいだね。」
「アロエさんに聞いたんですね。」
「えっ、博士、この人が?私と同年代なのに?」
「聞いたところによると、イッシュのジムを制覇したみたいだね。」
「はい、ご存知だったんですね。」
「ユウキさん……」
「呼び捨てでいいですよ。敬語使われるの、慣れてないんで。」
「じゃあ、そうさせてもらうわね。ジムを制覇したってことは、バトルの実力もかなりのあるみたいだね。ルビーとどっちが強いかなー。」
「ルビーって?」
「私の幼なじみで、博士の息子よ。多分今はホウエンのどこかにいるとおもうわ。」
「そうなんですね。」
「ええ。あと、あなたもタメ口でいいわよ。私、24だし、あまり離れてないはずだから!」
「僕のほうが年下だなー。僕は20だよ。」

2人はそれぞれ年を明かした。

「二十歳で!?私より年下なのに研究者ってすごいじゃん!ユウキは何の研究をしてるの?」
「僕は主に歴史や伝承、伝説が専門だよ。この地方には三つの用事できたんだよ。」
「そうなんだね。一つはこの資料のことね。」
「うん。二つ目はここの地方の語られてない伝説の調査、三つ目は純粋にトレーナーとして、ジム巡りだよ。」
「ジム巡りかー。私もルビーと競って巡ったっけ。私が僅差で負けたけど。」
「ってことは、サファイアもかなりの実力を持ってるってことだね。」
「ええ。せっかくだし、お互いのポケモンを見せ合わない?」
「うん、いいね。みんな、お待たせ。」

ユウキは5つのボールを投げた。

〈終わったみたいね。〉
〈ああ、無事に終わってよかったな。〉
〈うん♪〉
〈そうだね〜。〉〈そうですね。〉
「ユウキ君、そのポケモンってエーフィーでしょ!」
「うん。」
「じゃあ、私も出すね。みんな出てきて!」

サファイアも4つのボールを投げた。

〈全員揃ってでるのは久しぶりやな。〉
〈そうだね、オオスバメ。〉
〈最近それぞれ多忙でしたからね。〉
〈そうよね。〉

「確かきみはプラスルって言うポケモンだよね?」
〈船に連れていたトレーナー、いましたね。〉
「うん。正解だよ。あとのポケモンはイッシュのポケモン?」
「うん。左から、コジョンド、ジャローダ、スワンナ、コバルオンって言うポケモンだよ。」
「へぇー。私のほうは左からオオスバメ、プラスル、バシャーモ、サーナイトって言うポケモンだよ。」
〈確かにホウエンにはいない種族ばかりやね。〉
「僕の最初のポケモンはこのエーフィーだよ。」
〈ええ。よろしく。〉
「私はバシャーモよ。」
〈こちらこそ。〉

2人はそれぞれのポケモンを対面させた。

「ユウキ君、ここに来るのに疲れたでしょ?」
「うん。」
〈連続で戦ったり、サイン求められたりしたからな。〉
〈大変だったのね。〉
「今日はこの研究所に泊まっていくといいよ。」
「ありがとう。そうさせてもらうよ。サファイアとポケモン達ともっと話がしたいしね。」

時刻は既に6時となっていた。

「博士ー、空いている部屋ありますかー?」
「たしか奥の部屋が使ってなかったとおもうよ。」
「じゃあ、その部屋使いますね。ユウキ君、こっちに来て。」
「うん。」

ユウキ達はサファイアに連れられて、研究所の奥に入っていった。

@ ( 2013/04/14(日) 02:31 )