とある青年の物語 〜kizuna〜


























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third
PM2:00 定期船内

「よし、最後に[シャドーボール]!」
〈ええ、[シャドーボール]!〉
〈うわっ、強い!〉
「キャモメ!?」

この日、3回目の漆黒の弾が放たれた。
相手のキャモメに命中した。

〈ふぅ、さすがに連戦は疲れるわね。〉
「お疲れ。これで15勝目か。」
「ありがとうございました。やっぱり強いんですね。」
「これでもトレーナー歴4年だよ。」
「私より短いのに……。」
「別の地方だけど、ジム制覇しているからね。ちなみにまだ二十歳だよ。」

ユウキが相手トレーナーと話をしていると、

《大変長らくのご乗船、ありがとうございました。まもなく、トウカ港に到着いたします。》

アナウンスが流れた。

〈もうすぐ着くみたいですね。〉
〈うん。そうだね〜。でも、着く前に疲れたな〜。〉
〈相手の強さがバラバラだったからな。〉
〈でも、このバトルは沢山収穫があったよね♪〉
「うん。ホウエン地方のポケモンの何種類かが見れたからね。」
〈そうね。情報は大切よね。 船も港に着いたみたいだし、降りましょ。〉
「うん。いこうか。」

ユウキ達は船を降りた。

………

PM3:00 トウカシティー

「あー、やっと終わった………。」
〈有名になったらなったで大変ですね。〉
〈発表してから、外にあまり出てなかったもんね〜。〉
〈歌手とか、俳優の気持ちがわかった気がするな。〉

船を降りてから思いがけず、ユウキのサイン会が催された。

〈このままいくと、旅に支障が出そうだね♪〉
「うん。これからは、変装するとか、姿変えるとかしないといけないなー。」
〈そうね。とりあえず今は、姿変えたらどうかしら?〉
〈そうだな。騒ぎになるといけないから、人のあまりいない所でないとな。〉
「うん。さすがに港はマズいからね。」

ユウキ達は人通りの少ない路地に向かった。

〈この辺なら大丈夫だね〜。〉
「うん。じゃあ、やるね。」

ユウキはすぐに姿を歪ませ、ピカチュウの姿になった。

〈これならどう見ても、ただのピカチュウだね〜。〉
〈ウチらぐらい強いのを除いてね♪〉
〈まあ、そうだね。準備もできたし、いこうか。〉
〈そうね。ここから東のほうにあるのはわかってるけど……道、わかるの?〉
〈……わからない。でも、道聞けばいいよね。〉
〈今の状態だと、地元のポケモンになりますね。僕のテレパシーを使う訳にはいきませんきらね。〉
〈使えるのはコバルオンみたいな伝説かそれに近いポケモンだけ
だからな。〉
〈うん♪突然使ったらたぶんそれどころじゃなくなるからね♪〉
〈話していても始まらないから、そろそろいこうよ〜。〉
〈ええ。〉

ユウキ達は、とりあえず歩き始めた。

 5分後

〈ねぇ、そこの君、ちょっといいかな?〉
〈えっ、僕のこと?〉

ユウキは町の東側で野生と思われるジグザグマに話しかけた。

〈あなたの種族はジグザグマでいいですよね?〉
〈そうだけど、君たちは?この辺では見かけないけど…〉
〈ウチらはただの旅のポケモンよ♪〉
〈ミシロタウンに行きたいんだけど、道案内を頼んでもいいかな?〉
〈僕でよかったら、いいけど。〉
〈ありがとな。〉〈お願いね!〉
〈じゃあ、ついてきて!〉

ユウキ達はジグザグマについていった。

………

PM3:20 コトキタウン

〈ここがそうなの〜?〉
〈いや、ここはコトキタウンという町だよ。……あまり名所と言われている建物とかは無いけど……。〉
〈そうなんだね〜……。せっかくだし、少しだけ調査しよっか〜。〉
〈そうね♪ユウキ、10分ぐらい時間いい?〉
〈うん。スワンナ、ジャローダ、いつもどうりお願いね!〉
〈任せて♪〉

スワンナ、ジャローダは伝説についての情報収集のため、2人でユウキのもとを離れた。

〈ピカチュウさん、ユウキって呼ばれてたけど、ニックネームなの?〉
〈……そのようなものかな。〉
〈そういえば、何か調べてるの?〉
〈ええ、私達は各地の伝説について調べてるの。〉
〈そうなんだー。〉
〈はい。〉

ユウキ達が話していると、

「あっ、ピカチュウ、ラッキー。私の二番目のポケモンにしよっと。」
〈ん?〉
〈ユウキのことみたいね。〉
〈ああ、そのようだな。〉
「キモリ、初めてのバトル、いくよ!」
〈私、上手くできるかな。〉
〈新人みたいですね。〉
〈ブラック達の旅立ちを思い出すなー。〉
〈初々しいわね。〉

新人トレーナーの少女が勝負を仕掛けてきた。

「キモリ、[はたく]攻撃。」
〈うん。[はたく]!〉
〈まって!僕には触れないほうが……〉

キモリは先制してユウキに技を命中させた。

〈やった!出き……えっ、痺れて動かない!?〉

特性[静電気]によってキモリは麻痺状態となった。

〈遅かったか……。君達はまだ新人だよね?〉
〈えっ、そうだけど…〉
〈勝つためにはまず、相手の特性を把握することが大切だよ。例えば、僕の[静電気]みたいにね。〉
〈そうなの?〉
〈ユウキの指導が始まったな。〉
〈そうみたいですね。〉
〈初々しいわね。〉
「キモリ、[睨みつける]!」
〈うん。〉
〈相手の能力値を下げるのも大切だよ。〉
「あれ、攻撃してこないな。」
〈そろそろ攻撃しないとなー。[目覚めるパワー]!〉

ユウキは手元に紅蓮のエネルギーを溜めて、ビー玉ぐらいの大きさの弾を放った。

〈うわっ!〉

命中。

〈ごめんね。これが一番威力が低い技なんだ……〉
〈……………あなた、攻撃しないと思ったら……そんなに……強かったのね。〉
「キモリ、大丈夫!?」
〈………限界…かも……〉
〈これ使うといいわ、[オボンの実]よ〉
〈ありがとう……。あなたは?〉
〈エーフィーよ。あなたのトレーナーの名前、聞いてもいいかしら?〉
〈ユウカって言うの。〉
〈わかったわ。覚えておくわ。あなた達はきっと強くなるわ!〉
〈本当に?〉
〈長年旅してきた勘よ。 そろそろ時間かしら。〉

ユウキ達がスワンナ達と別れてから約10分が経った。

〈ユウキ〜。お待たせ♪〉
〈調査終わったみたいだな。〉
〈じゃあ、私達はそろそろ行くわね。〉
〈うん。ありがとうございました。〉

ユウキはユウカと名乗るトレーナーとキモリと別れた。

〈ユウキさん、そろそろ時間ですね。〉
〈ごめん、待たせたね。〉
〈ジクザクマさん、引き続きお願いします。〉

ユウキ達はスワンナ達と合流し、ジクザクマの案内でミシロタウンに向かった。

■筆者メッセージ
今作は野生のポケモンも多めに登場させようとおもいます。
@ ( 2013/04/12(金) 01:20 )