とある青年の物語 〜kizuna〜


























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PM0:00 トクサネシティー 空港

「ユウキ君、着いたよ。」
「ここがホウエン地方かー。結構いいところだなー。」

宇宙産業で賑わう島にユウキは到着した。

「私はこの町しか知らないけど、いいところだよ。」
「へぇー。」
「ここは昔からロケットの打ち上げが盛んなんだよ。」
「ロケットかー。そういえば、知り合いがいるって言ってたけど、どんな人なの?」
「海運業者の社長だよ。いわゆるビジネスパートナーかな。」
「なるほどね。」
「うん。そろそろ来るはずだけど………あっ、来た来た。」

ユウキ達が話していると、髭を生やした船乗り風の男性が近寄ってきた。

「フウロ、今日は取引はないはずだが、急に呼び出してどうしたんだい?」
「ちょっと急用ができてね。」
「ねぇ、フウロ、この人は?」
「ユウキ君、この人がさっき言ったアクア運送の社長のアオギリさんだよ。」
「どうも、アクア運送社長のアオギリだ。」
「歴史学者のユウキです。」
「ユウキって、ああ、最近論文を発表したあのユウキか。」
「はい、はじめましてですね。ホウエン地方でも報道されてたんだ。」
「ユウキも今では時の人だね。」
「うん。突然ですが、ミシロタウンに一番近い港まで船を出していただけますか?」
「もちろんだ。ちょうど20分後に定期船が出るから、それに乗るといい。自分もそこに用事があるから、乗船料はこっちで立て替えておこう。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、アオギリさんあとはお願いします。」
「ああ、最近任せな!」

ユウキはアオギリに連れられて、船着き場に向かった。

………

PM0:30 トクサネシティー 船着き場 船内

ユウキはアオギリに連れられて、船に乗りこんだ。
乗り込むと、すぐに出航した。

「うちの船内はバトル可能だから、ゆっくり船旅を楽しむといい。」
「はい。さっそくですが、バトル受けていただけますか?」
「やっぱり持っていたか。では、お手並み拝見といこうかな。」
「あまり油断しないほうがいいですよ。」
「では、いくぞ!クロバット頼んだ!」
〈アオギリに直接勝負を挑むとは、自信過剰だな。〉

アオギリはクロバットを出した。

「クロバットですか。なら僕は、スワンナ、頼んだよ!」
〈うん♪ホウエン地方での初めてのバトル、楽しまないとね♪。〉
「使用ポケモンは二体でいいかな?」
「はい!スワンナ、[絆]の力、魅せるよ!」
〈うん!〉
「では、先手はもらうぞ。[エアーカッター]!」
〈よし、[エアーカッター]!〉

クロバットは風の刃を飛ばした。

「スワンナ、かわして[冷凍ビーム]!」
〈うん♪このくらいかわすのは容易いわ♪[冷凍ビーム]!〉

スワンナはそれを軽くかわし、冷気を放った。

「かわすんだ!」
〈くっ、速い!?〉

クロバットはなんとかかわしたが、翼に少しダメージをうけた。」

「結構育てられてるみたいだな。」
「これでも、ジムを制覇する実力はありますから。」
「どうりで素早いわけだ。クロバット、[吸血]で回復だ!」
〈よし、任せろ!〉

クロバットはスワンナとの距離を詰め始めた。

「回復技かー。厄介だな。」
〈ユウキ、ここは一気に決めたほうがいいよね?〉
「うん、そうだね。[ブレイブバード]!」
〈うん♪いくよ!〉

スワンナは急激に加速し、淡い光を纏った。

〈!!ヤバい!〉〈くらえ♪!〉

刹那、クロバットに突撃した。
クロバットは攻撃に耐えられず、倒れた。

「実力は本物みたいだな。トドゼルガ、頼んだぞ!」
〈わかった。闘うのはいつ以来だろうか……〉
「初めて見るポケモンだ………。見た感じ氷タイプかな。なら、コジョンド、お願い!」
〈コジョンド、あとはお願いね♪〉
〈ああ、任せろ!〉
「フウロが持ってなかったから、飛行タイプではないな、」

スワンナは後ろに下がった。

「まずは[アイスボール]!」
〈了解!〉

トドゼルガは大きさの異なる複数の氷塊を作り出し、飛ばした。

「くるよ![波動弾]で迎え撃って!」
〈よし、わかった。〉

コジョンドは手元に青黒いエネルギーを溜め、氷塊に向けて放った。
エネルギー弾はいくつか残り、トドゼルガに命中した。

〈くっ、格闘タイプか………。〉
「[冷凍ビーム]!」
〈よし、全力でいくぞ![冷凍ビーム]!〉「攻めるよ!かわして[飛び膝蹴り]!」
〈望むところだ[飛び膝蹴り]!〉

コジョンドは軽い身のこなしで冷気をかわし、強烈な蹴りを繰り出した。

〈くっ、…強い。〉
「一か八か[絶対零度]!」
〈よし!渾身の攻撃、くらえ!〉「ヤバい、[飛び跳ねる]でかわして!」
〈!!一撃で仕留める気か。〉

コジョンドは間一髪で飛び上がった。

〈やはり…かわされたか。〉
「降下しながら[波動弾]連射!」
〈よし!〉

コジョンドはビー玉程の大きさのエネルギー弾を何十発も放った。

〈くっ、…耐えられない………〉

一発の威力は低いが、撃ち出された弾の8割以上が命中したため、戦闘不能となった。

〈勝負ありだな。〉
「さすがはジムを制覇しているだけあるな。」
「アオギリさんも強かったですよ。[絶対零度]が来たときは、正直焦りましたよ。アオギリさんも結構戦闘に慣れているんですね。」
「若い頃はほぼ毎日闘ってたからな。」
「アオギリさん、バトル可能ってことは、ポケモンを出していてもいいってことですよね?」
「ああ、構わないぞ。」
「ありがとうございます。みんな、お待たせ!」
〈まあ、いいわ。潮風が気持ちいいしね。〉
〈うん。海、初めてだな〜。〉
〈僕も初めてです。〉

ユウキはエーフィー、ジャローダ、コバルオンをだした。

「ホウエン地方にはいないポケモンが、イッシュには沢山いるんだな。」
「イッシュにしかいないポケモンばかりですからね。」
「エーフィーを持っているみたいだけど、どこか違う地方の出身なんだな?」
「はい。生まれと育ちはジョウト地方です。」
〈なんかエーフィーとウチらの立場が変わったね♪〉
〈ええ、そうね。〉
「ジョウトか……。  着くまでまだまだ時間がかかるから、ゆっくり船旅を楽しむといい。」
「はい。」

ホウエン初のバトルを白星で飾った。

〈ねぇ、ユウキ〜。せっかくだから、着くまでバトルしようよ〜。〉
〈バトル可能だし、賛成だな。〉
「うん!ホウエン地方にはどんなポケモンがいるか、調べれるしね。」
〈うん♪楽しくいこ!〉

ユウキ達は船旅を満喫し始めた。

@ ( 2013/04/11(木) 01:45 )