とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§11 after the battle
sixty-fourth
PM9:30 フエンタウン

「ライトちゃん、本当に強いんだね!?」
《私も……強くなってるのを実感できたよ。これもユウキくん達の……おかげかな。》

戦った直後で、ライトは切れ切れに言った。

「ユウカも腕を上げたね。[宿り木の種]の使い方も凄く良かったよ。」
《コドラとイーブイの動きも良かったわ。》
「本当ですか!?」
「うん。見込んだ甲斐があったよ。」
《ユウキさん達の目に狂いはありませんでしたね。》
《これだけの実力だと、ここのジムもクリアーしたのかしら?》
「うん。エーフ……」
《名前貰ったから、[シルク]と呼んでくれるかしら?》
「えっ?うん。シルクの言うとおり、なんとか勝てたよ。」
〈ということは、4個目のバッチを手に入れたんだね♪?〉
〈はい。 相性の関係で私は闘ってないけど。〉
〈僕達みたいに草タイプだと苦労するしね。〉
〈私も炎タイプにはトラウマが……、あっ、私はこのジャローダ、リーフの姉のモミジです。〉

モミジは思い出したように自己紹介した。

「とりあえず、道具をあげるから、ジュプトル達を回復させてあげたら?」〈あっ……よろしく……お願いします。〉

「あっ、そうですね。」〈ちなみに、俺の本当の名前はオルトだ。〉

「[元気の欠片]3つと、[凄い傷薬]3つで足りるかな?」〈あと、ウチはスーナ。〉

「はい。それだけあれば十分です。」〈僕はコルドです。〉

「なら、はい。使って。」〈聞いたと思うけど、ボクはフライ、よろしくねっ!〉

「ありがとうございます。みんな、出てきて!」〈そして、私はシルクよ。 これが、私達の本当の名前よ。〉

ユウカはメンバーを回復させるために、2つのボールを手に取り、投げた。

〈……ふぅ、ユウキさん、強かった……。〉〈改めて、よろしくお願いします。 私の本当の名前は[ツバキ]と言います。〉

〈ジュプトル達の……言うとおりだったよ。〉《[ツバキ]、いい名前ね。ユウカ、ジュプトルの固有の名前は[ツバキ]と言うらしいわ。》

「みんな、お疲れ……、えっ!?」〈僕達みたいに、草タイプらしい名前だね。コドラとイーブイは?〉

ユウカは突然響いたシルクの声に驚き、リーフはユウカに回復してもらっているコドラとイーブイに聞いた。

「皆が言うには、そうらしいね。」
〈僕は[クロム]っていうんだ。イーブイは?〉
〈ぼくは[ニトル]です。〉
《コドラさんは[クロム]、イーブイさんは[ニトル]と言う名前なんですね。》
「みんなにも固有の名前があったんだね? 知らなくてゴメンね。」
〈ユウカ、謝ることはないわ。直接会話出来ない以上、仕方ないわ。〉
「気にしないで、だって。」
「…うん。 なんか、本当の名前を知って、更に仲良くなれた気がするよ。」
《私達、ポケモンの名前はまず知れないからね。知っているだけで強い[絆]で結ばれるし、ね。ちなみに、私はそのまま[ライト]が固有の名前だよ。あと、ユウキくん、私の回復もしてくれてありがとね。》
「うん。どうも。」

ユウキは会釈した。

《そういえば、ユウカさんはこの後、どうするつもりなんですか?》

一通り話が終わったところで、コルドがユウカに聞いた。

「ええっと、私はトウカシティーのジムに行くつもりです。ユウキさん達はどこに行くつもりなんですか?」
「僕達は一度カイナシティーに行く予定だよ。」〈あっ、シルクさん、ぼく、何に進化するか決めました!〉

《途中まで一緒だね?なら、カイナシティーまで一緒に行かない?》〈あら、遂に決心したのね。〉

「それいいね!ユウキさん、私もついて行ってもいいですか?」〈何タイプになるつもりなのっ?〉

「もちろんだよ。1人でも多いほうが楽しいからね。」〈ぼくは水タイプの[シャワーズ]になるつもりです。〉

「やった!ありがとうございます!」〈水タイプか。水タイプなら、水中で自由に行動出来るな。〉
〈あと、純粋な水タイプだから、30分ぐらいは水の中で動けるようになると思うよ♪ ちなみに、ウチは10分ぐらいかな♪?〉
〈俗に言う水タイプの恩恵ですね。〉
〈ツバキ、たぶんあってると思うよ。〉
「ユウカのメンバーの相性を考えると、それが良いかもしれないね。進化したら戻れないけど、ニトルはそれでいいの?」

イーブイのニトルの希望を聞き、ユウキが聞き返した。

〈うん!もう迷いはありません! ユウカにそう伝えてください!〉
「うん。わかったよ。ユウカ、ニトルは水タイプに進化したいって。」
「水タイプなんですね?」
《ええ。そう言っているわ。ユウカ、[水の石]は持っているかしら?》
「えっ? 持ってないけど………。」
〈なら、ユウキ?私達って持っていたかしら?〉
「ええっと………。ごめん、僕は持ってないよ。」
〈残念ね……。〉
〈………[水の石]なら、カイナシティーの市場に売っているんじゃないか?〉
〈オルト、確かにありそうだね♪〉
〈結構広い市場だったから、一軒ぐらいはありそうだね。〉
《なら、市場に見に行こうよ!》
「それがいいね。じゃあ、さっそく行こっか。」
《<善は急げ>ですね。》

コルドが付け加えた。

「でも、ユウキさん、ここからだと遠いけど、どうやって行くんですか?」

ユウカは重大な事に気づいて聞いた。

「<飛んで>いくよ。」
「えっ!? でも私、飛行タイプのポケモンを持ってないんですが……。」

ユウカは再び聞いた。

《ユウカちゃん、私が乗せて行こっか?》
「えっ?いいの?」
《うん!》
《とりあえず、ユウカは決まったわね。》
「そうだね。いつもなら僕はスーナに乗せてもらっているけど、たまには、フライ、頼んでもいい?」
〈うんっ!〉
〈なら、僕達はいつも通りボールの中だね?〉
〈そうなるな。〉
〈ユウキさん、お願いします。〉
「うん。いつも悪いね。」〈なら、ウチはシルクを乗せたいな♪〉
〈ええ。なら、スーナ、お願いね。〉

ユウキはオルト、リーフ、コルドをボールに戻した。
その間にユウカも自分のポケモンを戻していた。

〈私はどうすれば………。〉

そこで、モミジが聞いた。

〈私の[サイコキネンシス]でなら可能よ。〉
〈[サイコキネンシス]で?〉
〈シルクなら大丈夫だね♪〉
〈バトルの時みたいに強く拘束しないから、大丈夫よ。このくらいだから。[サイコキネンシス]!〉

シルクはモミジに技をかけた。

〈!? 痛く、ない?〉
〈強さを調節したから。〉
〈モミジさん、行けますね?〉
〈あっ、はい。〉
「準備できたみたいだね。フライ、スーナ、ライト、お願い!」
〈〈〈うん♪/っ!/!!〉

スーナ、ライト、フライは飛びたった。


@ ( 2013/06/28(金) 00:38 )