とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§10 match in volcano
fifty-fifth
PM3:50 デコボコ山道 山頂付近 sideコルド

《わかった。ありがとう。》

時は数十分さかのぼり、コルドがユウキにライトから聞いた事を話し終えた頃………。

〈……皆さん、お待たせしました。 ユウキさん、言っていたポケモンと闘っていた最中だったようです。〉
〈えっ!?言っていた、威圧感が凄いポケモンと♪!?〉
〈種族は何て言ってた〜?〉
〈リーフさん、[キュウコン]だそうです。〉
〈えっ!?まさか、威圧感のあるキュウコンって…………そのひと、絶対にアオイさんだよ!!〉

ライトは声を張り上げた。

〈アオイって、さっきライトがコルドに言っていたポケモンのこと♪?〉
〈スーナ、そうだよ。アオイさんはソウルさんと同じで伝説に関わる宝具、[鋼の封印石]を守ってるんだよ。 ちょっとプライドが高いのが玉に瑕だけど、多分シルクと互角、いや、それ以上に強いかもしれないよ。〉
〈なら、ユウキ、大丈夫かな〜。〉
〈多分大丈夫だと思います。今頃、僕達の目的を話している頃だと思います。〉
〈なら、きっと大丈夫だね〜。〉

ライト達はコルドの言葉を聞き、一安心した。

………

10分後 山頂 sideスーナ

〈えっ♪!?これは……一体………。〉〈!? 何が……あったの………。〉〈〈!?〉〉

山頂には無惨な光景が広がっていた。
この火山に生息する野生のポケモンがいくつもの檻に閉じ込められていた。
まだそれほど時間が経っていないらしく、それを行ったグループらしき集団が檻の見張りをしていた。

〈……っ!これは……〉〈………思い出したくない光景……♪。リーフ?〉

スーナの表情は曇っていき、逆にリーフは険しいものになっていった。

〈スーナ、コルド、ライト、捕らえられたらひと達を……絶対に………救出するよ!!……あいつ等……絶対に………許さない!!〉
〈〈!!?〉〉〈リーフ、言われなくても、そのつもりだよ♪!!〉

穏やかだったリーフの表情が、まるで別人のように様変わりした。
一部始終を見ていなかった者はおそらく、同一人物たとは気づかないだろう。
それくらい、リーフの表情は鋭く、怒りで満ち溢れていた。

〈!?リーフさん!?〉〈リーフ!?〉〈コルド、大至急ユウキを呼んで!!〉
〈コルド、いそいで!!リーフの雰囲気が変わって驚いているかもしれないけど……後で説明するから、とにかく急いで♪!!〉
〈えっ!?はい……。〉〈話では聞いていたけど………リーフって、こんなに変わるんだ………。〉
(ユウキさん、すぐに来れますか?)〈ライトとスーナは僕と来て!!奴らと戦うよ!!〉
《えっ!?うん。僕達はちょうど[鋼の封印石]を確認できたところだから、行けるけど?》〈わかったよ♪リーフ!〉〈えっ!?うん。〉
(なら、僕達だけだと人手が足りないかもしれないので、すぐに来て下さい!)〈[リーフストーム]!!〉
「「「!!?」」」

リーフは怒りで強化された深緑の嵐を集団に向けて放った。

《何があったのか知らないけど、すぐに行くよ。》「!!?なんだ!?」〈この人達、もしかして、[グリース]!?コスチューム、同じだし……〉〈ライト!ウチらは空からいくよ♪!!〉
〈よし。[奮いたてる]!!お待たせしました!〉「野生!?襲ってくるなら、いくぞ!!」〈うん!〉

ライト、スーナは飛び上がった。
その間にリーフも集団との距離を詰めていた。

戦力は、リーフ達4に対して、相手は30。

〈スーナ、私達が圧倒的に不利だよね。最初から全力でいかないとね!![ミストボール]!!〉〈数が多い!![リーフブレード]!!〉
〈うん♪そのつもりだよ!!この暑さだと水では威力が半減するから……[冷凍ビーム]!〉
〈リーフさん、援護します![ラスターカノン]!〉

ライトは上空で手元に純白のエネルギーを蓄積しはじめた。
リーフは放たれた深緑の嵐を追うように接近し、草の刃を群がる相手に振りかざした。
スーナは加速度を落とさずに凍てつく冷気を放った。
コルドはリーフの後を追いながら白銀の弾丸を数発放つ。

ライトが放った純白の弾は、スーナの冷気によってコーティングされ、淡い水色となった。それは斜め上方から相手に向けて等加速度運動を始めた。
白銀の弾はリーフを追うように相手に迫った。

淡い水色の弾はある程度進と、地面との角度を保ったまま、進行方向に向けて扇状に拡散した。

〈よし!まずは2体。[ソーラービーム]!!〉〈ライト、ナイス♪!〉〈[神秘の守り]!〉
〈うん!ありがと![竜の波動]!〉「クソっ!野生のクセに強い!?」

リーフ達は次の攻撃の準備にはいった。

《コルド、もうすぐ山頂だよ。》〈[ブレイブバード]♪!〉
(!?ユウキさん!まっすぐ山頂に入らずに、回り込んでください!!今は戦闘中なので、後ほど理由は説明します!!)〈[正義の剣]!!〉
《!?うん?》

リーフは予め溜めていた光エネルギーを最大出力で放った。
ライトは青黒いブレスを接近しながら発射した。
スーナは淡い光を纏って翻弄されている集団に向けて突っ込んだ。
コルドは自身の角ですれ違い様に迅速の斬撃をくらわした。

「クソっ、押されてきたか!?」
「アルファさん、早く……戻ってきてください………。」

団員は悲鳴に近い声で叫んだ。



@ ( 2013/06/19(水) 01:04 )