とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§10 match in volcano
fifty-third
PM3:15 フエンの洞窟 sideユウキ

〈オルト、やっぱり環境がかわると生息するポケモンもかわるわね。〉

先ほど名付けられたエーフィー改め、シルクが隣を歩いている感想を漏らした。

〈確かに、そうだな。外はゴクリンとかがいたが、洞窟にいるようなポケモンが増えてきたな。〉
〈うんっ。違う相手と戦えるから、こっちに来てよかったよっ。〉
〈ズバットが相手だと、空中戦の練習になるからね。〉
〈私、思ったんだけど、フライは地面タイプだからユウキと組んだら相性がいいんじゃないかしら?〉
〈地面タイプには電気タイプの技は効かないから、万が一当たっても安心だね。〉
〈うんっ。ボクが進化したら、ユウキくんの弱点も補えるかもしれないねっ。〉
〈ユウキを乗せたまま戦う事も可能かもしれないな。〉〈あら?フライはまだ進化するのね。〉
〈うんっ。今は体の構造上無理だけど、進化したら出来るよっ!〉
〈楽しみだね。〉
〈スワン……スーナとすると、体が持たないかもしれないからな。〉
〈水と飛行はどっちも電気が弱点だから、威力が4倍になるのよね。〉
〈僕は特性もあって、闘っている時は弱い電気を纏ってるから、触れただけで麻痺状態になる。シルクだと僕も麻痺、状態になるけど……。〉
〈私の特性も状態に関わるからね。〉
〈俺は麻痺にならないからその心配ないがな。〉
〈ってことは、ここにいるみんなはユウキくんとは相性がいいってことだねっ?〉
〈そうなるね。〉
〈まだ進化したばっかりだけど、早く進化したいなーっ。〉

ユウキ達は話しつつ、野生のポケモンと戦いながら洞窟の奥へと進んでいった。

………

同刻 山頂付近 side  リーフ

〈もうすぐ山頂だね。〉
〈うん♪木も少なくなってきたから、きっとそうだね♪〉
〈暑いけど、なんとか耐えられるかな〜。〉
〈僕も今は大丈夫です。〉

同じ頃、スーナ達もトークで盛り上がっていた。

〈リーフとコルドは炎タイプだ弱点だけど大丈夫なの?〉
〈うん。特訓だと思えば平気だよ〜。コルドもそうだよね〜?〉
〈はい。僕もまだ未熟なので、もっと実力をつけないといけないですから。〉
〈コルドは今でも十分強いと思うよ〜。〉
〈[正義の剣]、あれは誰にも真似出来ないと思うよ♪〉
〈スーナ?その[正義の剣]っていう技、どういう技なの?初めて聞いたけど。〉

聞き慣れない単語を聞き、ライトがきいた。

〈ライトの[ミストボール]と同じで、コルドの[正義の剣]も専用技なんだよ〜。〉
〈そういえば、コルドも私と同じで準伝説だったね。見てみたいなー。〉
〈なら、次に戦う時に使いますね。〉

スーナ達も話に華を咲かせながら坂道を登り続けた。

 5分後 

「!?見たことないポケモン…よし、捕まえよう!」
〈? トレーナー戦、ですね。〉

山頂が目前に迫ったところでトレーナーの青年が勝負を仕掛けてきた。

「沢山いるから、マリル、ピチュー、ダブルバトルでいくぞ!」

〈OK!〉〈うん〜♪〉

マリルは元気よく、ピチューは鼻歌混じりにボールから出た。

〈言ってたとうり、ここは僕がいきますね。〉
〈うん♪〉
〈じゃあ、私もいい?実践練習になるでしょ?〉「ええっと、このポケモンは………」

青年はポケットから図鑑を取り出した。

〈そうだね〜。 きっとライトは前より凄く強くなってると思うよ〜。〉「こっちのポケモンは……あれ?情報が出ない!? 後ろの2匹も出ない………。なら、こっちは……えっ!?このポケモンが[ラティアス]!!?」

青年は伝説クラスのポケモンと遭遇し、腰を抜かした。

〈うん! あの人、やっぱり驚いているね。〉〈〈えっ!?あの伝説の!?〉〉
〈ライトさんも準伝説ですからね。〉「よし!滅多にない機会、絶対に捕まえよう!」
〈そうだね♪〉
《僕達を侮(あなど)らないほうがいいですよ!》
「!?」
《じゃあ、いくよ!》「声が、聞こえてる!?」
《《[神秘の守り]!》[振るいたてる]!》

ライトとコルドは臨戦態勢にはいった。

〈威圧感が、凄い……。〉〈これが、伝説のポケモン〜♪?〉「マリルは[水鉄砲]、ピチューは[電光石火]!」
〈さっそく、試してみようかな?[サイコキネンシス]!〉〈OK![水鉄砲]!〉〈うん〜♪[電光石火]!〉

マリルは水の塊を飛ばし、ピチューは体に似つかない速さで接近した。

《[絆]の名に賭けて、いきますよ![ラスターカノン]!》〈えっ!?止められた!?〉〈くらえ〜!〉〈やった、うまくいった!よし!〉
〈!?っ!〉

ライトは水の塊を受けとめ、コルドに接近するピチューに向けて打ち返した。

〈ピチュー!大丈夫!?くっ!〉〈ライトさん、助かりました! 僕達もそろそろ攻撃に移りましょうか。〉「!?[雨乞い]、[電気ショック]!〉
〈うん。コルド、いくよ!〉〈コルドとライト、息ピッタリだね〜。〉

ライトとコルドは次の攻撃のため、接近した。
マリルは目を瞑り、祈り、ピチューはやや強い電流を放った。

〈[竜の波動]!〉〈[正義の剣]!〉
〈〈えっ!?速い!?〉〉

ライトは口元に青黒いを溜めてピチューに向けて放った。
コルドはマリルに接近し、すれ違いざまに自身の角で居合いのごとく切り裂いた。

〈うわっ!………っ!〉〈!!?〉〈距離が足りなかったかなー。よし、今度は別のものを試してみようかな。〉〈よし、と。〉

マリルは耐えられず、力尽きた。
距離が開きすぎていたため、ピチューはかわしたがわずかに掠めた。

「これが……伝説……パッチール、今度こそ!」

青年は三体目のポケモンを出した。

〈[ミストボール]、手元に溜めれるかな?コルド、溜めている間に時間稼いでくれる?〉
〈はい!ライトさん、任せてください![ラスターカノン]!ユウキさんに教わった技、いきますよ!〉〈わかったよ*〉

ライトは、少し苦戦しながら短い手元に純白のエネルギーを溜め始めた。
コルドは慣れた手つき(?)で大小二つの白銀の弾を放った。
二つの弾は衝突し、相性とのちょうど中間で弾けた。

〈うわっ!近づけない!?〉〈数が増えた!?〉〈……やった!溜まった!〉
〈ライトさん、成功したんですね?一度僕達の技、あわせてみますか?〉
「[電光石火]、[ピヨピヨパンチ]!」〈口元に溜めるとエネルギーを留めれないけど、手元ならできるんだー。 うん!やってみよっか!〉
〈うん。当たるかな……〉〈わかったよ*。〉
〈[ラスターカノン]!〉

ライトとコルドは同時に弾を発射した。
完全には混ざらなかったが、輝きを増した純銀色の弾が接近を続けるピチューに向けて、等加速度運動をしながら飛んでいった。

〈えっ!?僕に!? !!!?〉

轟音と共にピチューは後方に飛ばされた。
地面に落下すると、目を回して倒れていた。

〈[ピヨピヨパンチ]!〉
〈しまった!〉〈コルド!![サイコキネンシス]!〉
〈やった、当た……ってない!?〉

ライトは間一髪で攻撃を受けとめた。

〈ライトさん、ありがとうございます!〉〈ふぅー。間に合った。っ!〉

そのまま相手のパッチールを頭上に飛ばして技を解除した。
それを追うように飛び上がり、

〈[竜の波動]!〉〈うわっ!投げ出された!?〉

重力に引かれて落下を開始したパッチールに向けて青黒いブレスを放った。

〈!!?くっ!〉

相手は為す術がなく、技をまともにうけた。

〈っ!〉

地面に叩きつけられ、戦闘不能となった。

「…………全滅………。伝説のポケモン……全く歯が立たなかった……。」

青年はメンバーを戻しながら呟いた。

@ ( 2013/06/16(日) 23:51 )