とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§10 match in volcano
fiftieth
PM 0:00 112番道路

メンバーの回復を終え、ユウキ達は日差しの照りつける荒野に来ていた。

〈火山か〜。〉
「ジャローダは草タイプだけど、大丈夫なの?」
〈うん。修行と思えば、なんとか耐えられるよ〜。〉
〈ジャローダにとっては弱点だからな。〉
「そうだね。 あんまり無理しないようにね。」
〈うん。〉
〈倒れそうになったら、ウチが冷やしてあげるから♪!〉
〈スワンナ、頼りにしてるわ。〉
〈うん♪任せて!〉

スワンナは自信満々に言った。

〈ボクは暑さに慣れてるから大丈夫かなっ?〉
「ビブラーバは砂漠の出身だもんね。」
「ビブラーバの実力が少し心配だけど、大丈夫かな。」
〈もしもの時は私達がフォローするわ。〉
「みんなも、お願いね。」
〈うん。もちろんだよ〜。〉〈ああ。なら、ビブラーバは特訓を兼ねたらどうだ?〉

コジョンドがビブラーバに提案した。

〈その案、いいかもね♪〉
〈うんっ!ボクも早くみんなに追いつきたいから、ぜひっ!〉
〈僕も全力でお手伝いします!〉
「なら、決まりだね。回復用の道具も揃ってるから、安心して!」
〈うんっ!〉

ユウキ達は木々が茂る登山道に入っていった。

………

PM0:15 デコボコ山道(確かこんな名前だった。)

〈山道はまだそれほど暑くないんだね〜。〉
「うん。フエンタウンとあまりかわらないね。」

山の麓は木が茂っているためか、それほど気温は高くはなかった。

〈じゃあ、さっそく戦いたいなっ。〉
「なら、まずは野生のポケモンから慣らしていく?」
〈うんっ!〉
〈準備運動ですね。〉
〈さっそく、始めましょ!〉

ユウキ達は適当な相手を探し始めた。

〈まずはきみからかなっ。バトルにつき合ってくれるっ?〉
〈ん?オラのことかい?〉

ビブラーバは野生のゴクリンに話しかけた。

〈うんっ!〉
〈いいよ。[胃液]!〉
〈うわっ!〉

ゴクリンは承諾するとすぐに技をだしたため、ビブラーバは慌ててそれをかわした。
しかし、距離が近かったためわずかにかかってしまった。

〈よし。〉〈いきなり守りを軟化されてしまいましたね。〉「ビブラーバ、まずは自分自身で考えて動いて。」
〈うんっ!ユウキくん、わかったよっ。[騙し撃ち]!〉
〈!?〉

ビブラーバは急に接近し、不意打ちをくらわせた。

〈[超音波]!〉

すぐに羽を振動させ、周波数の高い音波を発生させた。

〈!!? 見えない??〉〈やった!初めてしたけど、成功したっ!〉
〈いい連携ね。〉
〈あれなら命中率の低い技も確実にヒットするね♪〉

エーフィー達はバトルの様子を見守りながら評価した。
音波をうけ、ゴクリンは混乱した。

〈??[毒々]!〉〈そろそろ攻めようかなっ?[岩雪崩]!〉

ゴクリンは焦点が合ってないためか、汚染物資を明後日の方向に飛ばした。
ビブラーバは的確に相手の頭上に複数の岩を出現させた。
重力に引かれ、岩が降下した。

〈!!?っ! まだまだ……![蓄える]!〉〈[竜の息吹]!〉

ゴクリンは、1つ蓄えた。
ビブラーバは青黒いブレスを放った。

〈っ! よし!見える![吐き出す]!〉
〈えっ!?もう!? っ!〉

ゴクリンは混乱が治り、蓄えていたものを吐き出した。
それがビブラーバに命中した。
ビブラーバの技はかわされた。

〈もう一度、[毒々]!〉
〈ヤバいっ![騙し撃ち]!っ!〉
〈!? くっ!〉〈[竜の息吹]!〉

相手は再び汚染物資を飛ばした。
ビブラーバに少し掠めたが、気にせず懐に潜り込んでブレスを放った。

「ビブラーバは[騙し撃ち]で潜り込むのが得意みたいだね。」
〈物理攻撃が出来たら強みになるな。〉
〈不意打ちになるしね〜。〉
〈!?……まだ……まだ!〉〈[岩雪崩]!これで最後っ!〉

頭上に岩を出現させた。

〈!!?うわっ!〉

命中。
戦闘不能となった。

〈うん、よしっ!〉「ビブラーバ、おつかれ!」
〈ビブラーバは相手を惑わす戦法を得意としてるのね。〉
「君も、ありがとね。」

ユウキはゴクリンに[凄い傷薬]を使った。

〈……えっ!?ありがとう、ございます。〉
〈ボクの特訓につき合ってもらったからねっ。〉
「ありがとうね。」
〈うん。じゃあ、オラはもういきますね。〉

ゴクリンは一礼し、去っていった。


@ ( 2013/06/14(金) 00:28 )