とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§9 a hot spring resort
forty-sixth
PM6:55 フエンタウン ポケモンセンター 202号室 sideユウキ

「…………よし、終わった。」

ユウキは1人でいる間に、この日の調査をまとめていた。

「……もうこんな時間かー。 そろそろ戻ってくるかな。」
〈ユウキ〜、ただいま〜。〉〈ユウキさん、今戻りました。〉〈ユウキ、待たせたな。〉

ユウキが書類を片付けていると、コジョンドが扉を開けて、三匹が帰ってきた。
ちなみに、この日は洋室だ。

「おかえり。どうだった?どこかに良さそうな店あった?」
〈うん。温泉卵とか、和食とかがあったかな〜。〉
〈どの店も混んでいましたよ。〉
〈それだけ賑わっているということだな。〉
「なるほどね。明日にでも行ってみようか。」
〈そうですね。〉
〈あと、ジムがあったよ〜。〉

ジャローダが話題を変えた。

「えっ、ジムがあったの?」
〈ああ。おそらく、水、炎、地面のどれかだな。〉
〈温泉に行った後で作戦会議をしませんか?〉
「うん。そうしようか。」
〈だから、今はエーフィー達を待たないとね〜。〉
「そうだね。 今のうちにタオルとか準備しておこうか。」
〈そうですね。〉

ユウキ達は準備をしながらエーフィー達の帰りを待った。

 10分後 合流

「ユウキくん、お待たせ。」
〈ちょっと遅れちゃったね♪〉
〈結構混んでたからねっ。〉〈混んでたから、仕方がないと思うわ。〉

エーフィー達が5分遅れて帰ってきた。

「やっぱり混んでたんだね?」
〈ええ。それもあるけど、懐かしい人物に再開したのよ。〉
〈え? 誰に会ったの〜?〉
〈ベルだよ♪ ベルは旅行で来ているらしいよ♪〉
〈ベルちゃん、優しそうな人だったよねっ?〉
「うん。ベルさんもユウキくんと同じで、伝説に関わっているんだよね?」
「もうそこまで聞いたんだー。懐かしいなー。」
〈久しぶりに会いたいな。〉
〈話を聞いていると、元気そうだね〜。〉
〈一応、10時ぐらいに来てくれることになっているわ。〉 
「10時なら大丈夫そうだね。」
〈時間に余裕がありますからね。 これから温泉に行きませんか?〉
〈うんっ!〉〈そうね。〉
「きっと帰って来たらいいぐらいの時間だね。」〈準備は出来てるの♪?〉
〈うん。出来てるよ〜。〉
「じゃあ、さっそくいこうか。」

ユウキの号令と共に、全員が部屋を出た。

………

PM7:20 フエンタウン 旅館 ロビー

〈ボクたちも入れるんだねっ?〉
〈公共の施設だから心配だったけど、よかったね〜。〉
〈ウチらが自由時間に調べたから♪〉
「結構多かったから、ちょっと大変だったかな。」
「ありがとね。」
〈特典で貰えたチケットで、実質無料だしな。〉

ここでの特典は入浴無料券だったようだ。

「男女別だから、出たらここで待ち合わせだね。」
〈うん♪〉
〈じゃあ、後でね〜。〉

男女、♂♀で別れて暖簾をくぐった。

………

PM9:00 旅館 ロビー

〈予想以上に広かったわね。〉
〈種類も多かったしね♪〉
「なにより快適だったね。」

女性陣が先に出てきた。

「ユウキくん、達の方がかかると思ってたけど、案外時間がかかっているんだね。」
〈人数も多いし、中でいろいろ聞かれているんじゃないかしら?〉
〈メディアに出ていて、顔が知られているからね♪〉
「たぶんビブラーバは人が多くて戸惑っているだろうなー。」
〈人混みは初めてだからね。〉
〈とりあえず、ユウキ達が出てくるまで待とっか♪?〉
「うん。」〈そうね。〉

ライトは適当な椅子を見つけて腰掛けた。

10分後

「……長く入りすぎたかも……。」
〈ユウキ〜、本当に大丈夫〜?〉
〈どう見ても大丈夫じゃなさそうですが………〉

ユウキはコジョンドに肩を借りながら出てきた。

「えっ!?ユウキくん!?大丈夫?」〈その様子だと、のぼせたんだね♪?〉
「うん……。高温多湿な環境に弱い体質だったのをすっかり忘れてたよ。」〈そういえば、前に行った時ものぼせていたわね。〉

どうやらユウキはのぼせたようだ。

〈温泉のような環境がユウキの弱点なのかもな。〉
「意外、だね。」

この日、ユウキの意外な弱点が発覚した。

〈とりあえず、水分をとったほうがいいと思います。〉
「私が何か飲み物をもらってくるよ。」
「ありがとう。助かるよ。」

ライトはユウキのために水を取りに行った。
十分に水分を取った後、ユウキ達は自分達の部屋へと戻っていった。

………

PM9:30 202号室

ユウキはなんとか元の体調に戻っていた。

「ビブラーバ、約束だから、僕達の事について話すよ。」
〈けっこう省略するけどね♪〉
〈うんっ。〉

ユウキ達は自分達の経緯を話しはじめた。

45分後

「………で、ここでの調査を始めて、今に至るよ。」
〈大まかに話すとこんな感じよ。〉
〈へぇー。そんな事があったんだねっ。それに、ユウキ君は元から能力があったわけではなかったんだねっ。〉
〈はい。本当は全部話したいところですが……〉
〈全部話すと半日かかるからね〜。〉
〈だから、まだ一割も話してないな。〉
〈また時間がある時に順番に話すよ♪〉
〈うんっ。その時にまた聴かせてねっ。〉
「うん。夜に少しずつ話すよ。」

ここで一度話を終わらせた。

〈…10時を過ぎたから、そろそろ来る頃かしら?〉

分針は4を指していた。
そこに、

コンコン

と扉をノックする音がした。

@ ( 2013/06/09(日) 01:06 )