とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§9 a hot spring resort
forty-fourth
PM3:45 112番道路

「4時前だし、もう調査は出来なさそうだね。」
〈今から始めると、かなり遅くなるからな。〉
〈なら、とりあえず先にフエンタウンに行こうよ〜。〉
〈そうだね♪そういえば、コジョンドの話だと、温泉があるんだよね♪?〉
「温泉かー。」〈そんな噂を聞いたことがあるよっ。〉

ユウキ達は、この日仲間に加わったビブラーバと荒野を雑談を交わしながら歩いている。

〈部屋を予約してから行きませんか?〉
〈いいわね!天然の温泉に入るのって、いつ以来かしら?〉
「イッシュに引っ越す前だったから、3年以上前になるかな。」
〈そのくらいになるわね。その時はまだ進化してなかったかしら。〉〈ユウキ達はどこかで入ったことがあるの〜?〉
「そういえばそうだったね。 昔に家族と旅行に行った時にね。」「たしか、イッシュには温泉の名所はなかったな。〉
〈懐かしいわね。確か[1の島]だったかしら。〉〈どんな場所だったのっ?〉
「そうだったね。 一言で例えるなら、火山の島って感じかな。」
〈へぇーっ。 話かわるけど、ユウキくん達の事、詳しく聞かせてくれるっ?〉
〈夜に話すよ♪〉
〈たくさん時間があるからな。〉
〈うんっ。わかったよっ。〉

その後を雑談をしながら歩みを進めた。

 20分後

「〈えっ!?崖?〉」

盛り上がるユウキ達の前に切り立った崖が立ちはだかった。

「飛んでいくしかなさそうだね。」
〈山を越えるルートがありそうですが、時間がかかりそうですね。〉
〈となると、いつものパターンだね〜。〉
〈そうなるな。〉
「私は自力で飛べばいいんだよね?」〈なら、僕達は一度戻りますね。〉
〈僕達は体が大きいから、スワンナ達に乗せてもらう訳にはいかないからね〜。〉
〈俺もだな。〉
「うん。いつもごめんね。」〈こういう時しか、ボールに戻らないんだねっ?〉

ユウキは謝りながらコジョンド、ジャローダ、コバルオンをボールに戻した。

〈ユウキくん、私は準備出来たよ。〉

ライトはこの間に本来の姿に戻っていた。
ユウキもすぐに姿を歪ませた。

〈よし、と。〉
〈ボクは自力で飛んでいけばいいんだねっ?〉
〈ビブラーバも飛べるからね。〉
〈うん。じゃあ、今日はライト、頼んだよ。〉
〈ユウキくんは私だね?いいよ。〉〈ということは、私はスワンナね?〉
〈うん♪いこ♪!〉

ユウキとエーフィーはスワンナとラティアスの背中に乗り、三匹は飛びたった。

………

PM4:30 フエンタウン 入り口付近

〈この辺ならいいかな♪?〉
〈そうだね。〉

三匹は草木の茂る道の脇に降りたった。

〈姿変えるところを見られたら、大変な事になるからね。〉
〈私達の内ではもう常識だけど、他の人達は違うもの。〉
〈やっぱり細心の注意を払うんだねっ。〉
「僕達は非現実的な事をしているからね。」
「じゃあ、さっそくいこ!」
「その前にコジョンド達を出さないとね。」

ユウキはバッグから3つのボールを取り出し、残りのメンバーを出した。

〈全員揃ったから、行こ〜。〉〈では、行きましょうか。〉
〈まずは部屋の予約だな。〉

ユウキ達は再び歩き始めた。

………

PM5:00 フエンタウン

〈結構賑わっているわね。〉
〈大規模な温泉街ですからね。〉

ユウキ達は部屋の予約、メンバーの回復を既に済ませていた。
荷物を部屋に置いてきたので、財布とカードケース(トレーナーカード入り)を除いて手ぶらの状態だ。

「せっかくの温泉だから、夜に行かない?」
〈天然温泉の醍醐味よね。〉
〈そうなんだ〜。〉
〈なら、これからどうするのっ?〉

ビブラーバが聞いた。

「いつもなら、街の観光かな。」
〈そうだな。この街、以外と広そうだしな。〉
〈久しぶりに自由行動にする♪?〉
〈賛成です!〉
〈観光かーっ。なら、ボクはライトちゃんとまわろうかな。〉
「そうだね。久しぶりにね。」
〈なら、ウチもついて行ってもいい♪?〉
「スワンナもだね?」
〈うん♪ビブラーバの事をもっと知りたいしね♪〉
「ライト達は決まりだね。コジョンド達は?」
〈俺はとりあえずふらーっと、って感じだな。〉
〈僕もついて行っていい〜?〉
〈ああ。〉〈僕もいいですか?〉
〈もちろんだよ〜。〉

ユウキ、エーフィー以外の予定が決定した。

「エーフィーは?」
〈私はスワンナ達についていこうかしら。〉
「みんな決まったね。 僕は部屋でゆっくりするよ。バトルでは全力で戦ったからね。」
〈わかったわ。集合場所はどうする?〉
「7時はどう?」
〈丁度いい時間だな。〉
「なら、部屋に来て。」
〈202号室だよねっ。〉
「うん。」

ユウキ達はここから別行動をとった。

………

PM5:10 フエンタウン sideエーフィー

「ねぇ、まずはどこにいく?」
〈とりあえず、一通り見てまわろうよ♪〉
〈そうね。見るのは全部見てからのほうがいいわね。〉
〈うんっ。〉

ライト達は歩き始めた。

5分後

〈ここは温泉だけじゃなくて、温泉卵とかも有名なんだね♪〉
「あと、砂風呂とかもあるらしいしね。」
〈砂風呂は少し興味あるよっ。〉
〈後で行ってみましょ。〉
「〈〈うん〉」♪〉

エーフィー達は今後の予定で盛り上がった。

「やっぱり、温泉はいいよね。」
〈そうだね。俺も前から来てみたかったから、凄く楽しいよ。〉

そこに1人のトレーナーと1匹のポケモンが通りかかった。

「あれ?エーフィー、あの人とポケモン、会話が成り立ってない?」
〈確かに、そうだねっ。〉
〈スワンナ、あの人は間違いなくベルだよね♪?〉
〈ええ、話せる人はめったにいないし、[友情の証]が証拠ね。〉
「えっ、エーフィー達はあの人と知り合いなの?」

ライトがエーフィーとスワンナに聞いた。

〈うん♪そうだよ♪ ベルー、ダイゲンキ、久しぶりー♪〉〈もしかしてあの人、ボク達の言葉がわかるのっ?〉
「!!?この声って、スワンナ? しか、有り得ないよね。」〈ええ、そうよ。条件付きだけど……。ベル、久しぶりね。〉

出会ったトレーナーはベルだった。

「スワンナとエーフィーがいるってことは、ユウキくん達もいるんだね? あと、君たちははじめましてだね。」
〈うん♪今はこの街の中で別行動をとっているんだよ♪〉「えっ、うん。ライトと言います。スワンナ達とはどういう関係なの?」
〈彼女はユウキと同じで、伝説の当事者よ。〉
〈ウチらとも切っても切れない存在だよ♪ベルも[三賢者]のうちの1人だから♪〉
〈ベルは[友情の賢者]だからね。まさかこんな所で会うとは思わなかったよ。〉
〈[友情の賢者]っ?何?それ?〉
〈後で説明するわ。〉「あと、ライトさんはどういう関係なの?」

ベルがライトに聞き返した。

「私は………いわゆるユウキくんの秘書かな。」

ライトは少し間を開けて言った。

「秘書かー。 そういえば、目が黄色って、変わってますね。」
「遺伝でね。」〈あっ、ベルの年は16で、ライトは17だから、普通にタメ口でいいと思うわ。〉
〈年近いんだねっ?ベルさんって、どうしてボク達の言葉がわかるのっ?〉

ビブラーバはベルに聞いた。が、

「ダイゲンキ、通訳頼んでいい?」
〈いつも通りだね。種族はわからないけど、どうして言葉がわかるの?って、言ってるよ。〉
「なるほどね。私はある伝説に関わっていて、その関係で心を許してくれたポケモンなら、言葉がわかるんだよ。」
〈へぇー。〉「ユウキくんと同じような感じなんだね。」
「うん。」

この後もベル、ダイゲンキ、エーフィー達の交流会が続いた。

@ ( 2013/06/07(金) 01:36 )