とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§7 millionaire
thity-seventh
PM10:30 キンセツシティー カジノ

ほんの数分前、賑わうカジノで大規模な爆発が起こった。

〈あの音からしてヤバそうだね♪〉
「うん。早くいかないとね。」
「ライトちゃん、私、事件に遭遇するのは初めてだよ。」
「私もだよ。 嫌な予感しかしないけど……。」

テーブルや椅子の間を走り抜けながら3人は話した。
それにアオギリは黙ってついてくる。

《ユウキさん、さっき凄い音がしましたが、何かあったんですか!?》
「!?」
(コバルオン、大変だよ!)

[絆]の力を利用して、コバルオンが話しかけてきた。

(カジノで何者かが爆発を起こしたんだよ!)
《えっ!?カジノだったんですか!?皆さんは大丈夫ですか!?》
(うん。僕達は運よくそこから離れていたから……全員無事だよ! コバルオン、念のため来れるメンバーでこっちに来て!規模が大きかったから……とにかく来て!)
《えっ、はい!すぐに行きます!》
(頼んだよ!)
「………よし!スワンナ、一応コバルオンに来れるメンバーで来るように頼んでおいたから、闘う準備しておいて!」
〈えっ、うん♪わかった♪〉


スワンナは念のため戦闘態勢をとった。

 2分後 爆発現場

「………早く、運び出せ!」
「「了解!!」」

「……やっと着いた。」
「ここは金庫みたいですね。」
「強盗か…………」
「ここで何をしているんですか!!」

ユウキは怒号混じりに言った。

「「クソっ、もうきたか!?」」
「派手に破壊したからな!そうだ、見てのとおり軍資金調達だ。」
「「えっ!?」」「軍資金調達!? さては良からぬ事を考えているのだろ!」

アオギリも声を張り上げた。

「おや、これはどこかの頭領じゃないか。」
「あれはもう過去の事だ!俺みたいに愚かな事をすると、後で後悔することになるぞ!」
「[アクア団]のリーダーさんもすっかり角が取れたか。」
「〈えっ、[アクア団]!?〉」

ユウキとスワンナが声を揃えた。

「何故知っているのか知らないが、お前らは何者だ!」「ユウキくん、[アクア団]って、ルビーさんが言ってた解散した組織じゃないの!?」
「特別に名乗ろうか。俺達は組織、[グリース]の一員で、俺は幹部のベータだ!覚えておけ!」〈たぶんそうだよね♪〉
「えっ!?[グリース]だって!!? まさか、こいつらがルビーさんが言ってた……、スワンナ、奴らを止めるよ!」
〈うん♪この組織なら、封印を解いてもおかしくないもんね♪〉
「俺達に手出しをすると言うのなら、野郎共、総動員でかかれ!」「ユウカ、アオギリさん、戦えますか?」
「「「「了解!!」」」」「えっ、はい。ジュプトル、いくよ!」「そのつもりだ!クロバット!」
「まずは[アクアリング]!」〈数が多いけど、私達で大丈夫かな……。〉〈まさか、愚かな事を考えている奴らがいたとは………。〉「私も戦いたいけど……この状況だと無理だな………。」

戦況はユウキ達が3体。
対して相手は20。

「スワンナ、応援が来るまで耐えて![ハイドロポンプ]!」
〈明らかにウチらが不利だよね♪……[ハイドロポンプ]!〉「[種マシンガン]!」「超音波]!」
〈うん。[種マシンガン]!〉〈[超音波]!〉

スワンナは飛び上がり、高圧の水流を放った。
ジュプトルは相手の技をかわしながら複数の種を飛ばした。
クロバットは周波数の高い音波を2、3体に向けて放った。

〈さすがに私達だけだと厳しいかも……〉
〈ジュプトル、ユウキがコバルオン達を呼んでくれたから、それまで耐えて♪!〉
〈えっ!?ユウキさん、いつの間に!?通話している様子はなかったけど……〉

ふたりは、飛び交う技をかわしながら会話した。

〈後で話すよ♪〉「「冷凍ビーム]!」「[リーフブレード]!」「[エアーカッター]!」

それぞれが的確に指示を出す。
それに答え、一体ずつ確実に倒していった。

〈くっ、このままだと…キリがないわ………。〉
「もう少しで来るはずだから![冷凍ビーム]!」

ジュプトルに疲労のいろが見え始めた。
指示をうけ、スワンナは上空から相手のいる場所を凪払った。

「くっ、圧されてきたか。ヘルガー、ジュプトルに[火炎放射]だ!」
〈俺様の出番か。くたばれ![火炎放射]!〉
「〈えっ!?〉」

背後で様子を伺っていたベータがとうとう動きだした。

「マズい![ハイドロポンプ]で………」〈ジュプトル♪!!〉〈っ!!?〉

不意をつかれ、炎がジュプトルに命中した。

〈…………っ、あと一発………受けたら……倒れるかも……〉

ジュプトルは膝をつき、なんとか倒れるのをこらえている。

「くっ、間に合わなかったか……ユウカ、ジュプトルは下がってて!」
(みんなが必死で戦っているのに……私だけ何もできないなんて………)「えっ、はい!」〈……うん…………。〉
「させるか![追い討ち]!」

ライトは拳を堅く握りしめた。

〈えっ!?…………マズい………!〉「ジュプトル、よけて!!」〈!![ブレイブバード]!!〉

退き際に追撃され、ジュプトルはやられる覚悟をした。
誰もがやられると思ったその時、

〈[ラスターカノン]!!〉〈[目覚めるパワー]!!〉

二色の弾が混ざりながら放たれた。
膨張し、火炎を打ち消した。

〈………えっ!?熱く……ない……!?〉〈よかった!間に合ったわね。〉〈間一髪、ですね。〉「えっ!?いったいどこから!?」「〈何!?〉」「〈エーフィー、コバルオン!助かったよ」♪〉

エーフィーとコバルオンが到着した。

〈ユウキ、コバルオンから聞いたわ!相手は多勢みたいね!〉
「うん。エーフィー、今日編み出したあれでいくよ!使う組み合わせは任せるよ!」
〈わかったわ!ジュプトル、まだ動ける!?〉「何体来ても同じだ![悪の波動]!!」「いつの間に!?」
〈うん………。なんとか……〉〈了解だ![悪の波動]!〉
〈なら、[種マシンガン]お願い![目覚めるパワー]、[サイコキネンシス]!〉
〈えっ!?……うん。[[種……マシンガン]。〉

エーフィーは放たれた邪悪な波をかわしながら暗青色の弾を頭上に放った。
それをジュプトルが放った種と混ぜ合わせた。

〈[絆]の名に賭けて、止めてみせるわ!!〉「[火炎放射]!」「[ハイドロポンプ]!」
〈お前の相手はこっちだ![火炎放射]!〉
〈言われなくてもそのつもりだよ♪![ハイドロポンプ]!〉

両者が同時に放った。
その間にも、形容し難い色の弾が膨張しながら、アオギリ達の相手(その他大勢)のもとへととんでいった。
それはエーフィーの想定通りに群衆のなかで横方向に弾けた。
結果、相手は全滅した。

「「「「〈!!?〉」」」」「!!?この数を簡単に!?」

アオギリ達も目が点になった。

〈上手くいったわ。さあ、ここからよ!スワンナ、コバルオン、行くわよ!〉
〈うん♪!〉〈はい!〉「下っ端共を瞬殺しただと!?」
「よし、さんにんで強力して一気にいくよ!!スワンナは少量の[ハイドロポンプ]、コバルオンは[ラスターカノン]、エーフィーは[サイコキネンシス]で混ぜ合わせて!」
〈うん♪[ハイドロポンプ]!〉〈はい![ラスターカノン]!〉〈わかったわ![サイコキネンシス]!〉

スワンナは少量の水を放ち、コバルオンは白銀の弾を打ち出した。
それをエーフィーが超能力で混ぜ合わせた。

「何をするつもりだ?」〈これできめるわ!![瞑想]!〉

薄青い光沢のある弾が相手のヘルガーに向けて放たれた。

「〈!?〉」

標的に向けて飛び、目前で進行方向に向けてとてつもない威力の弾が弾けた。
相手は威力に耐えられず、吹っ飛んだ。

〈………くっ………そっ!〉
「一発でやられただと!?」
「凄い。これが……」
「ユウキくん達の本気………?」

ライト、ユウカは呆気にとられていた。

「くそっ!作戦失敗だ!撤退だ!」
「「……了解!!」」

下っ端達は撤退した。

「貴様、何者だ!?」
「僕はただのトレーナーだよ。」
「貴様は俺達の脅威となるな。覚えておこう。フーディン、[テレポート]!」

相手のベータは瞬時に姿を消した。

こうしてユウキ達は組織の襲撃から金庫を守った。

@ ( 2013/05/27(月) 00:56 )