とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§7 millionaire
thity-sixth
PM9:30 145号室

《………大まかに説明するとこんな感じよ。》
《イッシュの伝説と僕達の経緯をわかっていただけましたか?》
「…へぇー。ユウキさん、偉人並みに凄いですよ。」
《改めて聴くと、やっぱり凄いなー。》

30分に及ぶユウキの探検記の要約が完結した。

〈今回は大分省略したから、随分早く終わったね♪〉
〈要点だけを言っていたからな。〉
〈エーフィーはこうやってまとめるのか得意だからね〜。〉
〈エーフィーって、こういうのが得意なんだね?〉
〈うん。全部話そうと思うと、5、6時間かかるから……〉
《全部話すと、5時間以上もかかるの!?》
「そんなにも長くなるの!?」
《ええ。昼に話し始めて、終わったら日が暮れていたことがあったわ。》
《へぇー。 そういえば、ユウキくん。》
〈ライト、どうかした?〉

ライトは話題を切り替えた。

〈部屋を予約した時に何かもらってたけど、あれはどうするの?〉
〈あっ、すっかり忘れてたよ。〉
「そういえば、サービスで貰えたメダルがあったっけ。」

ユウキは元の姿に戻りながらいった。

「ユウキさんって、本当に自由自在に姿を変えれるんですね。 そういえばメダルって言ってたけど、どこで貰えたの?」
「確かに、私もなかったけど………あっ、そっか。トレーナカードのランクの特典だったっけ?」

ライトも姿を変えた。

〈忘れてたけど、もらってたね〜。〉「えっ、トレーナカードの?」
「うん。リーグを制覇するごとにカードのランクが上がるんだよ。」
「そうなんですか?」
《そうらしいです。》
《最大5つまで星が増えて、ランクに応じて公共施設でいろんな特典が付いてくるのよ。》
「トレーナなら、覚えておくといいよ。」
「いいことがあるんですね? ユウキさんって、どのランクなんですか?」
「僕は1つ星だよ。もしよかったら、僕のメダル使う?」
「「えっ、いいの?」」
「うん。受付で聞いたら、メダルを買うのは結構お金がかかるらしいからね。せっかくここに来たんだし、僕だけ楽しむ訳にはいかないからね。」
「ありがとー。」「ありがとうございます!」
「どうも。 という訳で、カジノを見に行こうと思ってるけど、みんなはどうする?」

ユウキはエーフィー達に聞いた。

〈私はいいわ。〉〈俺はいい。見るだけになりそうだからな。〉〈賑やかすぎるのはちょっと………〉
〈みんなは行かないんだね♪ウチは街を見てまわるのは好きだから、付いて行こうかな♪?〉
〈別行動になりそうなので、僕は残りますね。〉
「ということは、スワンナだけだね。」
「ジュプトルとココドラはどう?」
〈私も行ってみようかな。〉
〈僕は眠いから残るよ。〉
「ジュプトルは行きたいって。」
「あと、ココドラは残るって言ってるよ。」
「うん。わかった。」
「こんな感じだから、留守番お願い。」
〈ええ、その間に手分けして今日の調査結果をまとめておくわね。〉
「うん。お願いね。」
「昼のことだね?」
「うん。 今メダルを渡しておくよ。」

ユウキは2人に12枚ずつメダルを渡した。

………

PM9:45 キンセツシティー カジノ

「夜遅いのに、たくさんいるね。」
「きっとどの人もお金持ちだろうね。」

広大な敷地に様々なテーブルゲーム、スロットなどが展開されていた。

「メダルの枚数が限られているから、大切に使わないとね。」
〈10枚とちょっとだからね。〉
「とりあえず、トランプを使うやつをやってみよっか。」
〈一番手ごろだしね♪〉「そうですね。」

ユウキ達は散策をはじめた。

 10分後

「………僕はここで<大富豪>をやってみようかな。」
「<大富豪>って?」
「ライトちゃん、<大富豪>はトランプの定番のゲームなんだよ。カードの数字によって効果があったり、無かったりして……戦略をくんで、早く手札を出し切るゲームだよ。何回かして、一番順位が高い人の勝ちになるんだよ。」
「へぇー。おもしろそうだね。」
「ルールが複雑だから、ユウキさんがやってるのをみたらはやいかな。」

「お一人でよろしいですね?」
「はい。」
「プレイヤーが揃ったので、ゲームを開始しますね。」

ユウキを含め、5人による大富豪が始まった。

 5分後

「…………負けた。」

結果、終始大貧民。

「ユウキさん、禁止あがりしたらダメですよ。」
「知らないルールばかりだし、第一に他の人が強すぎるよ。」
〈ユウキが惨敗なんて、珍しいね♪〉
「おかげで、メダルを使い切ったよ…。」
「何となくわかったし、今度は私がやってみようかな。」
「ライトちゃんもするんだね?」
「うん。 参加でお願いします。」
「お一人ですね。少々お待ちください。」

しばらくして、プレイヤーが集まり、ライトのプレーが始まった。

 5分後

「………やっぱり、バトルみたいにはいかないな……」

最終結果、貧民、枚数不足により離脱。

「でも、楽しかったなー。ユウカちゃんもするの?」
「うん。 これでもスクール時代はクラスで一番強かったから!見てて!」
「自信あり、って感じだね。」
「久しぶりだから、どうなるかわからないけど、参加でお願いします。」
「少々お待ちください。」

ユウカは他のプレイヤーを待った。

「たまには<大富豪>もいいか。」

また一人、参加した。

「あっ、アオギリさん、お久しぶりです。」
「!? 誰かと思ったらユウキ君か。」

運送業社長のアオギリが参加した。

「えっ、ユウキくん、知り合い?」「ユウキさん、知り合いなんですか?」
「うん。ホウエン地方に着いた時にお世話になってね。」
「アクア運送社長のアオギリだ。2人はユウキ君の知り合いかい?」
「社長さんなんですか!? はい。 アクア運送って、フェリーを運航している業者ですよね!?」「うん! 社長さんなんだね!?」
「そういうことだ。  さあ、対戦を始めようか。」
「話しているうちに揃ったらしいね。」「はい!」
(社長さんと対戦かー。緊張するなー。)

ユウカとアオギリを含めた5人による対戦が始まった。

 10分後

最終結果、ユウカ、富豪、獲得枚数 30
     アオギリ、平民、獲得枚数 5
他プレイヤーの所持枚数不足により終了。

「ユウカ、強いね。」「なかなかの腕前だな。」
「本調子ではないけどね。」
「ユウカちゃん、凄いよ。次も参加するの?」
「うん。これなら勝てそうだからね。」
〈ユウカにこんな才能があったんだー。〉
〈ギャンブラーだね♪〉
「なら、このまま続けるとするか。」

2人は再び他のプレイヤーを待った。


あと1人となった時、

ドーン

辺りに爆発音が響いた。

「「いまのは何!?」」
「爆発?」
「何かあったような感じだな……」
「ちょっと様子を見に行ってみるよ!」
「おおごとのような気が………」
「ユウカちゃん、ユウキくん、行ってみよ!」

アオギリを含め、4人は煙の上がっている方に向かった。

@ ( 2013/05/26(日) 01:15 )