とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§7 millionaire
thity-fifth
PM6:20 110番道路

「ユウキくん、もう遅いけど、部屋空いてるかなー。」
「6時代だから、滑り込みでセーフだと思うよ。」

ニューキンセツから戻り、ユウキとライトは元の姿に戻っていた。

〈キンセツシティーってどんな街なんだろうね〜。〉
〈夜まで賑わってる街らしいぞ。〉
〈夜の街って感じなんだね♪〉
〈なら、できるだけ早く部屋をとっておかないといけないですね。〉
「うん。ちょっと急ごうか。」

空が薄暗くなりはじめ、ユウキ達は繁華街への道を足早に歩いた。

………

PM6:30 キンセツシティー

〈凄く賑やかだね〜。〉
〈街灯が眩しいな。〉〈見たところ、お金持ちが多そうね。〉
「きっとここはカジノ街なんだろうね。」

キンセツシティーはカジノ街へと変貌を遂げていた。

〈まずは、ポケモンセンターね。〉
「うん。 空いてるといいけど。」

不安を感じつつ、繁華街のポケモンセンターに向かった。

 15分後 ポケモンセンター

「やっと見つかった。」
「案外広いんだね。」

道に迷いようやく見つけることができた。

〈部屋空いてるかな〜。〉
「とりあえず聞いてみるよ。すみません、部屋空いてますか?」

受付に声をかけた。

「相部屋になりますが、よろしいですか?」
「えっ、はい。お願いします。いいよね?」
〈私は構わないわ。〉〈俺はいいぞ。〉
〈いいよ♪あと、特訓で疲れたから、回復したいな♪〉
〈僕もお願いします。〉〈僕も〜。〉
「うん。あと、ポケモンの回復もお願いします。」
「そちらの5体でよろしいですね?」
「はい。」
〈なら、私達は戻るわね。〉
「うん。」

ユウキはエーフィー達をボールに戻した。

「トレーナカードを拝見します。」
「あっ、はい。」

ユウキは5つのボールとともに、カードケースを取り出した。

「1つ星ですね。メダル50枚お付けしますね。」
「カジノ街だから、ここはメダルのサービスなんだね。」
「うん。」
「30分後にお越しください。相部屋利用者が見えましたら、内線でお知らせします。」
「はい。」
「145号室をお使い下さい。」

ユウキは鍵をうけとった。

………

PM7:00 145号室

「そこそこ広い部屋だね。」
「相部屋だからね。」

ユウキは12畳の和室に入った。

「一緒の部屋になる人って、どんな人だろうね。」
「さあ。来たらわかると思うよ。」

2人は和室でくつろいだ。

 30分後

「お待たせ。」

ユウキはボールからメンバー全員を出した。

〈今回も大部屋のようですね。〉
〈僕達だけでは広すぎるね〜。〉
「ここは相部屋みたいだよ。」
〈えっ、ライト、相部屋なの♪?〉
「うん。そうみたい。」
「その人が来たら内線で連絡が入ることになってるから。」
〈なるほどな。〉
〈それまでのお楽しみね。〉
「うん。」

ユウキ達は思う存分くつろいだ。

 20分後

♪♪♪♪

ユウキ達が雑談に華を咲かせていると、部屋の内線が鳴り響いた。

〈あっ、同じ部屋を使う人が来たみたいだね♪〉
「きっとそうだろうね。はい。」

ユウキは受話器をとった。

《相部屋を利用するトレーナがお越しになりました。》
「あっ、はい。わかりました。」

受話器を置いた。

〈きたの?〉
「うん。トレーナだって。」
「トレーナかぁー。どんな人だろうね。」

話していると、ドアを叩く音がした。

「入ります。」
「はい。」

声がして、扉が開いた。

「えっ!?ユウキさん!?」「「えっ!?ユウカ」ちゃん!?」
〈利用するトレーナって、ユウカのことだったのね。〉
〈誰かが仕組んだような展開だな。〉

ユウカが姿を現した。

「トレーナって、ユウカちゃんだったの!?」
「まさかユウキさんとライトちゃんだったなんて!」
「本当にびっくりだね。 ジム巡りはどう?」
「順調です!今日はここのジムに挑戦してきました。」
「どうだった?」
「ユウキさんの指導のおかげで勝ったよ!」
〈先を越されたわね。〉
〈実力もついているみたいだね♪〉
「勝ったんだね?」
「はい。!」
《やっぱり私達が見込んだ甲斐があったわね。》
「そうだね。」「!? 誰!?」

ユウカは驚いて辺りを見渡した。

《私、エーフィーよ。》
「ポケモンが喋った!?」
《正確には、頭の中に語りかけているのよ。》「そういえば、ユウカはテレパシーを経験するのは初めてだったね。」「普通に生活していたら、まず体験できないもんね。」
「テレパシー!?」
「そう。経験を積んだエスパータイプのポケモンと伝説クラスのポケモンが使える能力だよ。」
「かなりの練習と根気が必要だけどね。」
「へぇー。そんな事かできるんですね。ポケモンと話すの初めてだよ。」
「使えるポケモンは限られているからね。」
〈ユウキとライトだけでなくて、エーフィーを通しても会話ができるね〜。〉
〈そうだね♪〉
「ところで、ユウカちゃん、時間はいいの?」
「えっ、あっ!いけない!もうこんな時間!?」

部屋の時計の長針は[6]を指していた。

「ユウキさん、私のポケモンをとりに行ってきますね!」

ユウカは慌てて部屋を飛び出していった。

 5分後

「ふぅ、ギリギリ間にあった。」
「危うく呼び出されるところだったね。」
「うん。恥をかかなくて良かったよ。そういえば、前から気になっているんだけど、ユウキさんはポケモンをボールに戻さないんですか?」
「うん。僕の出身地ではこのほうが主流なんだよ。」
《私達ポケモンと言葉が通じなくても[絆]を深められるでしょ?》
〈確かにそうだよね♪ウチらはユウキが言葉がわかるようになる前から、みんな仲良かったもんね♪〉
〈確かにそうだね〜。通じなくてもなんとなく伝わっていた気がしたしね〜。〉「へぇー。そんな意味があったんだー。私もそうしてみようかなー。」

そう言い、ユウカは2つのボールを取り出した。

「メンバーが増えたんだね?」
「うん。出てきて!」

すぐにボールから出した。

〈相部屋なんだね?〉
〈そうみたいね。 あっ、お久しぶりです。〉
〈久しぶりといっても、1日しか会ってないけどね〜。〉
〈あなたははじめましてですね。〉
〈どうも、ココドラです。ジュプトルから話は聴いてるよ。凄く強いんでしょ?〉
〈ウチらは長年旅をしているからね♪〉〈よろしくな。〉
「やっぱりいつみても、ユウキさんのポケモンは誰も強そうですよ。気迫が凄いです。」
「日々トレーニングをしているからね。」〈エーフィーさん、前から気になっているんだけど、1つ聞いてもいいですか?〉
〈ん?ジュプトル、どうしたの?〉

ジュプトルがエーフィーに質問した。

〈あの日、私が初めてバトルをした時に、私が戦ったピカチュウが見当たらないんですけど、いないんですか?ユウキさんと声が似ている気がするんですけど………。〉
〈やっぱり感付かれましたね。〉
〈そうね。いつかはバレると思っていたけど………、とうとうって感じね。〉
〈えっ!?〉「感付かれていたか………。」
「えっ、ユウキさん、どうかしたんですか?」
「私達の秘密、ばれちゃったかな。」
「〈えっ!?秘密!、〉」

ユウカとジュプトルの声が重なった。

「ユウキくん、ユウカちゃんに私達の秘密、明かしちゃう?いつかは言わないといけないから。」
「確かに、そうだね。[絆]を深めた仲だから、信じてくられるよね?」
「えっ、はい?」
「極秘でお願いね。じやあ、ライト!」
「うん!」

2人は目を合わせて頷いた。

「〈〈えっ!?〉〉ユウキさんにライトちゃん!?」

ユウカ達はあまりのことに口が開いたままになっている。
変化を終え、ピカチュウとラティアスがそこにいた。

「えっ!?2人共、ポケモンだったの!?」
《私はそうだけど、ユウキくんは違うよ。》
《伝説に関わっている関係で姿を変えられるのよ。》
《ですから、ユウキさんは特殊な体質を持つ人間なんです。》
「!!? 全く状況が整理できないんだけど………。」〈えっ!?まさか、あの時のピカチュウって、ユウキさんたったの!?〉
〈そうだよ。僕じゃあ伝えられないから、エーフィー、コバルオン、ライト、説明お願い。〉
 
〈うん。〉〈ええ。〉〈はい。〉
《まず、私からだけど、黙っててごめんね。私は[ラティアス]っていうポケモンなの。普段は人間の姿でいるんだけどね。》
「えっ!?うん。そんな秘密があったんだー……。」
《そう。私の種族はちょっと特殊でね、こうやって姿を変えられるの。だから、私は一般的に言うと、準伝説かな。 こんな私だけど、今までどうり友達でいてくれるよね?》
「…………うん。せっかく友達になったのに、裏切る訳にはいかないよ!秘密を話してくれたんだし!」
《そう言ってくれるって信じていたよ。ありがとう。》
「うん。もちろんだよ!」
〈ライト、よかったね♪〉
〈うん。思い切って話してよかったよ。今度はユウキくんの番だね。〉
〈うん。ふたりとも、説明よろしく。〉
《わかったわ。》《はい!今度はユウキさんをはじめ、僕達について説明しますね。》

すっかり日が暮れた相部屋で、エーフィーとコバルオンによる説明会が始まった。

@ ( 2013/05/25(土) 00:47 )