とある青年の物語 〜kizuna〜


























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§6 A blue flash
thity-second
PM1:30 110番道路 北端

〈〈[サイコキネンシス]!〉〉

水に潜った瞬間、ソウルとエーフィーは自身の頭の周りに超能力で空間を作り出した。

〈初めてやってみたけど、なかなか厳しいわね……[瞑想]…………。〉
〈潜る深さに比例して水圧がかかるので、慣れてないと大変でしょう。〉
〈………確かに…………調整が難しいわ。………………スワンナは大丈夫なの?〉

エーフィーは集中を切らさないように話した。

〈うん♪水タイプの恩恵をうけてるから、5分ぐらいなら大丈夫だよ。水中でも普通に話せるしね♪〉
〈こういう時に水タイプって、本来の力を発揮するわね。…………〉
〈うん♪ライトは………そうだったね♪ライトも息を止めてたんだよね♪〉
《うん。  あそこに見えてきた洞窟がそう?》
〈はい。あと5秒程で着きます。〉

薄暗い水中に岩陰が見えはじめた。

〈そこに入るんだね♪?〉
〈はい。〉

ソウル、ライト、スワンナはエーフィー、ユウキを乗せ、水中の洞窟に入っていった。

 5秒後 水中の洞窟

〈っ!はーっ、くるしかったー。〉
〈いつもはなんともないけど、凄く長くかんじたなー。〉

ユウキ、ライトは止めていた息を一気に吐き出し、思いっきり吸った。

〈ここがそうなの♪?〉
〈はい。自分はこの洞窟を、キンセツシティーの近くにあるので、[キンセツの空洞]と呼んでます。〉
〈でも、真っ暗でなにも見えないよ。〉

洞窟は闇に包まれていた。

〈少し待っていてください。〉

ソウルは光を纏った。
その間にユウキ達は陸と思われる場所に上がった。
光が収まると、ライボルトが立っていた。

〈[フラッシュ]!〉

ライボルトであるソウルが光の球を打ち上げた。
天井に触れると、その光は辺りに広がった。

〈薄明るいぐらいですが、これくらいならなんとか認識出来るでしょう。〉
〈うん。大丈夫だよ。〉

ユウキが答えた。

〈注意点ですが、あまり激しく呼吸をしないでください。密閉された空間なので。〉
〈ええ。酸素の量が限られているからね。〉
〈ってことは、極力少人数のほうがいいね♪〉
〈うん。コジョンド達には申し訳ないけど………。〉
〈やむを得ないわよね。〉
〈うん。それにしても、結構広いね。〉

ライトに言われて見渡すと、20畳程の空間が広がっていた。

〈話が逸れましたが、ついてきてください。〉

ソウルは歩みを進めた。
それに4匹のポケモンも続く。

〈ここです。〉

ソウルは沢山ある岩のうちの1つの前で止まった。
そこには1つの錆びた何かのかけららしき破片がおかれていた。

〈この破片がそうなんですか?〉
〈錆びているけど?〉

ユウキ、ライトが聞いた。

〈はい。これが自分が守っている[封印の鍵]です。〉
〈これがそうなの♪?〉
〈はい。よく見ると解ると思いますが、刻印が刻まれているのがわかりますか?〉
〈…………確かに、何て刻まれているかわからないけど、彫られているのはわかるわ。〉
〈うん。点がたくさん刻まれているみたいだけど……何の文字だろう……。〉
〈えっ、エーフィーとユウキでもわからない文字ってあるの♪?〉
〈うん。これは僕でもわからないよ。……古代の文字かな………。〉
〈たぶん………紀元前のものだと思います。読めませんが……。〉
〈でも、現物を見れただけで十分だよ。〉
〈そうよね。〉
〈そろそろ出ましょうか。若干苦しくなってきたので……。〉

洞窟にいる全員の呼吸が荒くなり始めた。

〈タイムリミットだね?〉
〈はい。また同じように行きましょうか。〉

ユウキ達は水辺に戻り、また同じように潜った。

………

PM2:00 110番道路 北端

〈っ!はーっ、やっぱり……しんどいかも……。〉
〈実は[キンセツの空洞]も秘境だったんじゃないかしら?〉
〈確かにそうだよね。実際想像出来ないような場所にあったしね。〉
〈うん。秘境と呼ぶのにふさわしいね♪〉
〈極限の環境ですから。〉
〈あっ、ソウルさん、姿変えたんだね。〉

ソウルはライボルトの姿に戻っていた。

〈あっ、そうだ。みんなを出さないとね。〉

そう言い、ユウキは1つずつボールを取り出した。
ちなみに、調整中はバックは見つからないように木の陰に隠していた。

〈ユウキ、見たところ景色が変わってないが、行ったのか?〉
〈うん。訳あってみんなを出せなかったけど………。〉
〈空気が薄くて私達だけで限界だったのよ……〉
〈そんなに厳しい環境だったんだね〜?〉
〈うん♪だから、5分ぐらいしかその場にいられなかったよ♪〉
〈でも、短時間の間に宝具の1つ、[封印の鍵]を確認できたよ。〉
〈確認できたんですね?〉
〈うん。〉

調査結果、[封印の鍵]、確認。

〈ねぇ、ソウルさん、一段落したから聞くけど、この辺に人目につきにくい場所ってある?〉
〈ライトさん、技の練習ができる場所ですか?〉
〈うん。まだ3時になってないし、ユウキくん、いい?〉
〈うん。場所があるなら。ソウルさん、ありますか?〉
〈うーん、この池を南東に渡った先に[ニューキンセツ]という場所があります。そこならほとんど人が来ないので、そこなら最適だと思います。〉
〈うん。わかったよ。ありがとう。〉
〈南東だね?〉
〈たぶん洞窟みたいな入り口があると思うので、その中です。〉
〈わかったわ。行ってみるわ。〉

ユウキ達はソウルに教えられたニューキンセツに向かうことにした。

@ ( 2013/05/21(火) 01:22 )