thitieth
AM 10:30 カイナシティー 市場
「カエデ、ちょっと時間いいかな?」
「ん?ユウキ、どうしたん?」
朝市で賑わう市場で、ユウキは話を始めた。
「これから会う約束をしている人がいるんだけど、いいな?」
〈昨日戦ったルビーさんのことよね?〉「今朝、ユウキくんが電話で話していた人のこと?」
「うん。この後、俺は次のジム戦をしにいくぐらいしか、やることないから、ええけど?」
「ありがとう。その人とここで待ち合わせているんだけど………あっ、来た来た。」
ユウキ達が話していると、1人の青年が鳥(?)ポケモンに乗って姿を現した。
「ユウキ君、待たせたね。」
「ルビーさん、僕達も今来たところです。」
〈間にあって良かったね☆〉
ルビーはチルタリスから降りた。
「ユウキ、この人は?」
「紹介がまだだったね。彼はルビーといって、一つ星のトレーナーだよ。」
「うん。よろしく。で、そっちは?」
「俺はカエデ、考古学者をしとるよ。ユウキと同じで一つ星や。」
「君もリーグを制覇したんですね。」〈僕はフローゼル。よろしく。〉
「カントーのリーグをな。」〈わたしはチルタリス、よろしくね☆君たちは会うのは二回目だね☆〉
〈そういうことだったのね。〉〈なるほどな。〉
〈エーフィーの[目覚めるパワー]を受けても耐えていたよね♪〉
「うん。あのバトルもすごかったよね。」〈えっ、あの青黒い弾を受けて、耐えたの?結構威力高かったのに!?〉
〈フローゼル、だったよね〜?あの時は、エーフィーは単発で撃ってたけどね〜。〉〈こうして落ち着いて話すのは初めてですね。〉
〈そうだね☆〉
三者三様に挨拶をした。
現在、ボールから出ているのは、エーフィー、コジョンド、ジャローダ、スワンナ、コバルオン、フローゼル、チルタリスの7匹。
「とりあえず、合流できたし、落ち着いて話せる場所に行きましょうか。」
「そうだね。」「えっ、うん。そうやな。」
4人、ポケモン達は歩きはじめた。
………
AM11:00 110番道路
「ここならしっかり聞こえますね。」
「「そうだね」」
「で、話って、何ですか?」
人混みから離れ、カエデがルビーに聞いて、話を始めた。
「じゃあ、話すよ。僕が8年前に体験したことを……。」
ルビーは言葉を区切った。
「僕が旅立った時、ある2つの組織が活発に活動していた。僕はその騒動に巻き込まれたんだ。」
「〈えっ!?騒動に巻き込まれたの!?〉」
「うん。当時、その組織は対立してたんだ。一方は大地を広げるために、もう一方は海原を広げるために、それぞれを司る伝説のポケモンを追い求めていた。要所要所で、僕は運悪く出くわして、戦闘になったんだ……。毎回僕が勝ったんだけど……、遂に両者、一方は[マグマ団]、もう一方は[アクア団]って言うんだけど、伝説のポケモンを見つけだした。」
〈伝説のポケモンが♪!?〉〈[アクア団]、どこかで似たような名前を聞いたような気がするが……。〉
「で、どうなったの?」〈そういえばそんな事あったなー☆〉〈その後はどうなったんですか?〉
続きを聞いた。
「その後、[ルネシティー]っていう街で両者は衝突、その影響でホウエン地方の各地で異常気象が発生した。」
「その伝説のポケモンは[グラードン]と、[カイオーガ]ですね?」
「うん。そう。 僕はその時、その街のジムに挑戦していて、事態をみて、ジムリーダーの助言で、ある場所、[レックウザ]が住むといわれている[空の柱]に向かった。」
《[レックウザ]って、大昔にあったといわれている両者の争いを止めたと伝えられているポケモンよね?》
「!!? うん。そのポケモンのおかげで、争いは収まった。その後、三体は再び深い眠りなついた。 この事態を引き起こした[マグマ団]と[アクア団]は解散した。 こんな感じかな。」
「うん。わかりましたよ。ルビーさんも大変だったんですね。」
「うん。 えっ、“も”!?」
〈えっ、ルビー“も”って、どういうこと☆!?〉
ルビー、チルタリスは驚き、反応した。
「そういえば、ユウキがどんな事に関わったか聞いてなかったな。」
〈僕も気になるよ。〉
カエデ、フローゼルも聞いた。
「じゃあ、僕も、伝説を交えて体験を話すよ。」
〈思い出すね〜。〉
〈そうだね♪〉〈今思えば、あの高熱が始まりだったな。〉
「「〈〈うん。お願い〉☆〉」」
今度はユウキが話を始めた。
「僕は放浪の旅の途中で、原因不明の高熱に襲われたんだ。…………(以下、省略します。参照、前作。)…………」
《そして、私達は[プラズマ団]の解放運動を阻止することに成功したのよ。》
エーフィー、コバルオンがテレパシーで補足を加えた。
「ユウキもそんなに壮絶な事があったんやな。」
「そんな能力を………初めて聞いたよ。」
《あと、[絆の力]については公にしてないので、極秘でお願いします。》
〈ユウキさんの能力は特殊だからね。〉〈だからわたし達の言葉が解るんだね☆〉
「うん。それに、姿を変えれるって、すごいことだね。」
「宝具を専門にしている俺でもしらなかったよ。」
《[絆の力]は特殊なのよね。》
「うん。」
「1つききたいんだけど、そのコバルオンがテレパシーを使えるのはわかる。でも、どうしてエーフィーが使えるの?」
ルビーが疑問に思い、ユウキに聞いた。
「エーフィーの希望でね。」
《使えたら、今みたいに意志疎通ができるでしょ。情報収集にも役立つとおもったのよ。言い忘れたけど、エスパータイプのポケモンなら、練習すれば習得できるのよ。この事を知っている人は少ないとおもうわ。》
「古い書籍にしか記載されてないからね。」
「うん。 普通は2年以上かかるけど、エーフィーはたったの2日で完璧に使えるようになったんだよ。」
〈エーフィーの強さなら、納得だね☆〉
〈うん。1つ気になるんだけど、どうして彼女も僕達の言葉がわかるんだろう………。〉
《フローゼルとチルタリスだけに言うけど、私、本当はポケモンなんだよ。》
〈〈えっ!?どう見ても人間にしか見えないよ!?〉瞳が黄色いことだけを除いて……。〉
ライトはテレパシーでフローゼルとチルタリスだけに伝えた。
「へぇー。伝説のポケモンだけじゃないんだー。」《うん。私はまだ完璧に姿を変えれないから、瞳だけそのままになっちゃうんだよね……》
それぞれ別の理由で驚いた。
………
PM0:00 カイナシティー
あの後、現在の状態、目的の情報を交換した。
「……ということは、ルビーさんは密猟集団、[グリース]の動向を追っているんだね。」
「うん。話を聞くと、奴らなら、捕獲するために[デオキシス]の封印を解きかねないね。」
「そうやな。そいつらにも注意するとして、まずは関係する場所の確認やな。」
「うん。 万が一の時のために、アドレスを交換しておかない?」
ユウキが提案した。
「そうやな。それならお互いに離れていても情報交換できるしな。」
《うん。そうだね。」
三人は、それぞれ異なった通信機器を取り出した。
「よし、これでいいね。2人はこの後どうするの?」
ライトが聞いた。
「俺はジム戦を兼ねてムロタウンに行くつもりや。」
「僕はとりあえず、カナズミシティーのほうに行ってみるよ。」
カエデ、ルビーが答えた。
「ユウキくんは?」
「僕は北のほうに行くつもりだよ。」
〈北なら、一番近い町はキンセツシティーだな。〉
〈そこって、ジムはあるの〜?〉
〈タイプはわからないが、あるらしいぞ。〉
〈じゃあ、まずはジム戦だね♪〉
ユウキ達、ルビー、カエデはそれぞれの目的のために別れた。