06
AM9:30 カラクサタウン
〈カラクサタウンでゆっくりするのはひさしぶりだなー。〉
〈そうね。いつ以来かしら。〉
〈俺はその時、まだ一緒にいなかったから初めてだがな。〉
小さな町に3匹のポケモンの楽しそうな声がした。ユウキ一行だ。
まだ9時半なので人影はまばらだ。
〈3年ぐらいになるかな。最近通ってるけど、それどころではなかったからね。〉
〈そっか。もう3年になるのね。 ユウキ、提案があるんだけどいいかな?〉
〈何?提案って。〉
〈ひさしぶりのカラクサタウンだし、1時間ぐらい自由行動に
するのはどうかな?〉
〈エーフィー、それいいな。俺はここに来るのは実質初めてだし、賛成だ。〉
〈いいよ。ジャローダはどうする?〉
ピカチュウ(ユウキ)は話をぼーっと聞いていたジャローダに聞いてみた。
〈えっ、僕? 僕はユウキについていこうかな。〉
〈よし、決まりね。じゃあ一時間後にポケモンセンターの前で集合ね。〉
〈〈〈りょうかい。〉〉〉
♂3匹(男子1人 ♂2匹)が揃って答えた。
………
AM10:00 カラクサタウン Side ユウキ
ユウキとジャローダはのんびりと町を眺めていた。
〈やっぱりのどかな町にいると落ち着くな〜。〉
〈ジャローダはこういうことろが好きなんだね。〉
〈うん!〉
どうやらジャローダは風光明媚な町が好きなようだ。
「あっ、あのポケモン珍しいな!さっそくゲットしよう!」
「ピカッ!?」
ユウキは突然背後に殺気を感じ、慌てて振り返った。少年がボールからミネズミを出し、突然襲ってきた。
「ミネズミ、あのポケモンに体当たりだ。」
〈OK、うりゃー。〉
ドン
〈うっ。〉
ユウキに命中した。
(そっ、そうか。僕は普通の人から見たらただのピカチュウだったんだ。この地方に生息しないから尚更か。)
「やった!当たった。頼む、捕まってくれー。いけ!モンスターボール!」
ユウキめがけてボールが飛んできた。
(ヤバい。このままだと…。)
ユウキは恐怖で動くことが出来なかった。
〈ユウキに手をだすなー!!〉
突然ユウキの前に緑色の影が現れた。
ユウキのジャローダだ。ジャローダはユウキのポケモンで一番仲間思いの優しいポケモンだ。そのため、仲間が傷つくとじっとしていられない。
パシッ。
モンスターボールはジャローダに当たり、機能せず地面に落ちた。
「「!?」」
突然の出来事に相手は言葉を失ってる。
「あのポケモンなんだよ、腹立つな!ミネズミ、あっちにたいあた……」
〈リーフストーム!!〉
相手トレーナーの言葉を遮り、ジャローダは強力な技を出した。
ミネズミに命中し倒れた。
「何!?あのポケモン強い。悔しいけど俺にはコイツしかいない。今度こそ捕まえてやる!」
少年は泣きながら去っていった。
〈ユウキには二度と手をだすな!! あとトレーナーなら僕の種族ぐらい知っていろよ!!〉
〈………。ジャローダって、ここまで変わるんだ………。〉
ユウキはジャローダの変貌ぶりに呆然としていた。
〈ふう〜。 ユウキ、無事でよかった〜。〉
気がつくといつものジャローダに戻っていた。
………
AM10:45 カラクサタウンポケモンセンター前
〈エーフィー、コジョンド、ジャローダってあんなにかわるの?〉
〈〈あれ?言ってなかったっけ?〉〉
ユウキは一部始終を話した。
〈そんなことがあったのか。〉
〈うん。突然だったからビックリしたよ。〉
〈私も突然襲われたらビックリするわ。 ユウキ、私はこれからのために鍛えたほうがいいと思うわ。〉
〈確かにな。〉
〈僕もそう思うよ〜。〉
3匹の意見が一致した。
〈そうだね。でも、大分ダメージをくらったから休ませて。〉
〈〈〈うん。〉〉〉
4匹は襲われないように目立たない路地裏で休むことにした。