05
PM7:00 1番道路
ユウキはいつものようにテントを組み立てる。もちろんポケモンは出したままだ。
「ひさしぶりの野宿だなー。けっこう好きだからいいけど。 コジョンド、ちょっと手伝って。」
「コジョッ!」
承諾したのか、組み立てるのを手伝い始めた。
「ありがとう。じゃあ組み立てはよろしくね。その間にご飯作っておくから。」
「コジョン。」
答えるとテントを組み立てはじめた。ユウキ日はくコジョンドがユウキのポケモンの中で一番手先が器用らしい。
ジャローダとエーフイーは自分の思うようにくつろいでいる。
……
PM9:00 テント内
「よし、明日は早めにカラクサタウンに行こうと思ってるから、早めに寝よっか。」
夕食の片付けも終えてユウキはこう提案した。
「フイー。」
「ジャロッ。」
「コジョッ。」
「じゃあ、おやすみ。」
全員横になって寝始めた。
(ああー、今日は疲れたな〜。 そういえばさっきから頭が痛いな。 あんまり痛くはないけど、明日は大丈夫かな?)
ただ1人だけ不安を抱えながら眠りについた。
………
AM6:45 テント内
ユウキは目を覚ました。ジャローダとコジョンドはまだ寝ているがエーフイーはもう起きているみたいだ。
(ふう〜。頭痛が収まってよかった。 エーフイーはもう起きてるみたいだな。じゃあそろそろ起きようかな。)
ユウキは横になったまま思った。
〈エーフイー、おはよう。〉
しかし、テントの内に響いたのはいつものユウキの声ではなかった。
「ピカ、ピカチュウ」
「「………………」」
「ピカ!?」〈えっ!?〉
「フイッ!?」〈えっ!?〉
そこにいたのはユウキではなくて、一匹のピカチュウだった。
〈えっ?何で僕がピカチュウになってるの??〉
〈なってるのって、まさか、ユウキなの!?〉
どうやらユウキはピカチュウになってしまったらしい。
〈あっ、ああ。そうみたいだ。これはきっと夢に違いない。エーフイー、僕に体当たりしてみて。〉
〈わかったわ。ユウキが言うなら…。えいっ!〉
エーフイーはユウキに体当たりをした。
ドン
技は見事に命中。
〈いたたたた。 やっぱり夢じゃないか。〉
〈そうみたいね。〉
ユウキは必死に平静を装ってる。エーフイーには慌てていることがばれているが…。
〈 でも、冷静になって考えると、こうしてエーフィーと話ができて嬉しいな。 ポケモンになったんだから当然か。〉
〈ユウキ、あなたは昔からそうだけど、どれだけポジティブなのよ!?〉
エーフィーにツッコまれた。
〈ううっ。エーフィー?騒がしいけど何かあったのか? ってかそのポケモンだれだよ。
なんとなく雰囲気がユウキに似てる気がするけど…〉
ユウキ達が言い合っている間にコジョンドが起きたようだ。
〈コジョンド、起きたのね。あなたの直感は間違っていないわ。喋り方といい、雰囲気といい、ユウキそのものだし。〉
〈まじか! ひょっとするとこの前の病気が原因じゃあないのか?〉
エーフィは物事の整理が得意でコジョンドは平均以上にカン(字忘れた)が冴えてる。
〈うん。僕もそう思ってるんだよね。〉
〈 やっぱりこの喋り方、ユウキだ。 ってか相変わらずジャローダはマイペースだな。まだ寝てるよ〉
ジャローダはユウキのポケモンの中で一番マイペースだ。
〈まあ、話しているだけじゃあ事は進まないし、とりあえずジャローダを起こして、出発する準備しよっか。〉
〈そうね。ジャローダ、いつまで寝てるの?〉
そう言ってエーフィはサイコキネシスでジャローダを起こした。まだ眠そうだ。
〈うーん、もう朝?〉
〈相変わらずお前はマイペースだな。〉
エーフィーが言うには、このやりとりは日常茶飯事らしい。
〈ジャローダ、とにかく出発する準備しよっか。〉
〈うん。 あっ、まさかその声はユウキ?〉
〈〈〈気づくの遅いよ。〉〉〉
ユウキ達の声が揃った。
………
AM8:00 1番道路
〈やっぱり慣れない体だと疲れるな。〉
〈片付けてないで休んでいたらよかったのに〜。〉
〈ジャローダ、そういう訳には行かないよ。この体に慣れないといけないからね。〉
〈確かにそうね。〉
〈だな。〉
ユウキは慣らすために自らテントを片付けていた。
〈コジョンド、いつもこういうことをさせてわるいけど…僕のショルダーバック、持ってくれる?〉
〈まあ、いいけど。修行になるし。〉
〈ありがとう。 コジョンドは努力家なんだね〉
〈まあな。〉
〈そのほうが効率がいいわね。さすがだわ。〉
コジョンドは少し照れてる。
〈じゃあ予定通りカラクサタウンに出発しよっか。〉
〈うん〉
〈ええ。〉
〈ああ。〉
予定より遅れてユウキ達は出発した。