第9章 伝説、再来
44
PM1:30 Nの城 1F Sideユウキ

「くっ、やっぱり元に戻ってもダメージは残るか……。」

ユウキはさっきの戦いで負傷したのか、右腕を抑えている。

〈ユウキ、本当に大丈夫なの?〉
「たぶん右腕、折れてると思う。でも、こんな時に休んでいられないよ。」
〈確かにそうですが………あんまり無理しないでくださいよ。〉
「うん。やっぱり僕はまだまだだなー。」
〈でも、フウロ達が苦戦していた相手を倒しただけでも凄いじゃん♪。〉
〈うん。落ち込むことはないと思うよ〜。〉
「みんな、ありがとう。」
〈私達はどうにかなったけど、ベルとチェレンも心配よね。〉
〈たぶんあの2人ならきっと大丈夫よ♪〉
〈そうだな。〉

ユウキ達は戦っているベルとチェレンの結果を待つことにした。

 
  5分後 合流

「チェレン、そっちは終わった?」
「うん。その様子だと、ベルも勝ったみたいだね。」
〈ベル達も勝ったみたいね♪〉
「うん。なんとかね。スワンナ、ユウキくん、腕抑えているけど、どうかしたの?」
〈うん。[辻切り]を不意に受けたみたいで……。〉
〈それで、右腕を折ったみたいです。〉
「えっ!?大丈夫なの!?」
「後方から援護するくらいなら、なんとか…。」
「休んでいたほうがいいんじゃないですか?」
「この状況では休んでいられないよ。」
〈ユウキもこう言ってるから大丈夫じゃないかな〜。〉
〈本人も大丈夫って言ってるから…………〉

エーフィーが話していると、突然今までない規模の揺れが襲った。

「!!この揺れはなに!?」
〈まさか、レシラムが覚醒したんじゃあないかしら♪〉
〈可能性は高いな。〉
「うん。だとしたら、戦闘が始まっているかもしれませんね。」
〈なら、早く行きましょう!〉
「〈うん!〉」

ユウキ達は揺れが収まると急いで階段を駆け上がった。

………

PM1:50 Nの城 3F 玉座の間

「!!これは………。」
「N!君達は間違ってる!レシラム、[クロスフレイム]!」「キミに僕やトモダチの苦しみがわかるものか!ゼクロム、[クロスサンダー]!」

ユウキ達が玉座の間に入ると、2人の英雄による壮絶な戦いが繰り広げられていた。

「……まるで伝説をそのまま見ているみたいだ……。」
〈私達じゃあかないそうにないわね……〉
〈さすがに俺達でも、一発でやられそうだな。〉
「うん。テラキオン、一応出ていて。」
〈……ワシらはこの状況では何も出来ないか………。〉
「ビリジオンもお願い。」
〈私もこの状況は初めてです。〉

2人もテラキオン、ビリジオンを出した。

「………まさか、我が同士がやられるとは思いませんでしたね。」
「「!!お前は……ゲーチス!」」

物陰からプラズマ団のリーダー、ゲーチスが姿を現した。

「どうです、この伝説に残る戦いは。」
「ゲーチス、まだポケモンを解放するとか言ってるのか!」 

チェレンが怒鳴った。

「そうです、我々の真の目的は、我が英雄のNが王位に就くこと……。そして王の号令により、全ポケモンをトレーナーから解放すること……。ポケモンは解放されてこそ、真の力を発揮するのです!」
「それは違う!人やポケモンとの[絆]、[友情]、そしてそれを守り抜く[志]があってこそ、本当の力を発揮できるんだ!」

ユウキが反論した。

「そうだよ!それは私達だけでなくて、みんなが思ってるはずだよ!」
「だからポケモンを解放するなんて事は絶対にさせない!」

2人も加勢した。

「……どうやらこの私に反抗するようですね。よろしい、それならこの私を止めることだな!サザンドラ、キリキザン、アギルダー、この愚かな三人に制裁を加えなさい!」
〈………〉〈我々に刃向かうとはな……。〉〈ゲーチス様に刃向かうとは……愚かな……。〉

ゲーチスは手持ちの三体を出した。

「ベル、ユウキさん、ここはトリプルバトルでいきましょう。」
「うん!私達が止めないと、大変なことになるよね。絶対に勝とう!」
「うん![三賢者]の名に賭けて全力で止める!コバルオン、」
「テラキオン、」「ビリジオン、」
「「「頼んだよ!!」」」
〈もちろんだ!〉
〈[守護]の名に賭けて、〉
〈僕達が全力で止めてみせます!!〉

対してユウキ達は守護三体を出した。

「我々の計画を邪魔すると言うのなら全力で潰すまでだ!!」
「「「望むところだ!」」よ!」

こうして、イッシュの運命を賭けた最終決戦の烽火(のろし)が上がった。  

@ ( 2013/04/07(日) 01:11 )