第9章 伝説、再来
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PM0:35

「二人とも、あの神殿までお願い!」
〈ええ、わかったわ!〉〈うん♪任せて♪〉

四天王の間の地下、ユウキ達はエーフィーのサイコキネンシスによって、空間の上部で重力から解放されて浮遊している。

「重力がかからないって変な感じだなー。」
「うん。そうだね、チェレン。私のムシャーナじゃたぶんこんな事出来ないなー。」
「ってことはやっぱりユウキさんのエーフィーは結構レベルが高いんですね。」
〈ええ、ユウキといる時間が長いから、よっぽどのことがない限りやられない自信があるわ!〉
〈エーフィーはウチらの中でダントツで強いもんね♪〉
「うん! あっ、着いたみたい。」

話している間に神殿の前に到着した。
すぐに降りたつ。

「エーフィー、スワンナ、ありがとう。よし!いこう!」
「〈うん」♪〉「はい!」〈ええ。〉

そのまま全員神殿に入っていった。

  神殿内部

「なんだ!?これは!?」
「これは酷い……。」

中に入ると神殿の壁が無残に破壊されていた。

「あれは……アデクさん、大丈夫ですか!?」

ベルは赤い髪の老人(?)を見つけ、駆け寄った。

「………おぬしらはベルに、チェレンか…………」
「チェレン、この人は?」

ユウキはチェレンに聞いた。

「ユウキさん、この人はイッシュリーグチャンピオンのアデクさんです。」
〈チャンピオンってことはイッシュで一番強いってことだね♪〉
〈そうね。でもうなだれているけど、なにかあったのかしら?〉
「僕はユウキと言います。ここでなにかあったんですか?」
「……ゼクロムを連れた挑戦者に負けたんだが………ワシが油断している隙にこんな事になってしまった………。」
「ゼクロムを!?やっぱり英雄が現れたんだ!」
「ってことはますます危ないよ。アデクさん、あともう一人来なかった?」
「………確か、ジャローダを連れたおぬしら二人ぐらいの少年がいたような………。」
「チェレン、ユウキくん、たぶんブラックのことだよ!」
「うん!きっとそうだよ。アデクさん、あとは僕達に任せてください!」
「………ワシみたいに油断はするなよ。やつは………」
「はい!よし、」

ユウキはアデクの言葉を遮った。

「コバルオン、」「テラキオン、」「ビリジオン、」
「「「頼んだよ!」」」

三人はそれぞれ聖剣士を出した。

〈まさかワシらの代で伝説が再び起こるとは……〉
〈ベル、早く行きましょう!〉
〈はい!任せてください!〉
「…………おぬしらは一体………」

うなだれているアデクを残し、ユウキ達は神殿の奥、奥にある城へと向かった。

………

PM0:50 Nの城1F エントランス

「ふぅ、やっと登りきった。」
〈本当にこの階段、長かったわね。〉
〈でも、この状況だとゆっくりしてられないみたいね♪〉

ユウキ達が城に入ると、ジムリーダー対7賢人(一人除く)の壮絶なバトルが繰り広げられていた。

「我々は王のために誰一人通す訳にはいかんのだ!」
「くっ、なんて強さだ…………。」

状況はジムリーダー連合の劣勢。

〈こちら側が劣勢みたいですね。〉
「よし!僕達も加勢しよう。」
「うん!」「はい!一人につき、二人ですね。」
〈三人ともバッチを全部持ってるから大丈夫よね♪〉
「そうだね。」
「よし!いこう!」
「うん!」「はい!」

ユウキの号令で三人は戦闘に加勢した。

  Sideユウキ

「……こっちはフウロとハチクさんか……」
「………拙者が負けるとは…。」
「負けた……!ユウキくん、助けに来てくれたんだね。」
「うん!フウロ、まずは簡単に状況を説明してくれる?」
「うん、私とハチクさんでこの二人に挑んだんだけど…相手の3体を倒した時点で私達が全滅しちゃって……。」
「わかったよあとは僕に任せて!相手はレパルダスとコマタナか……なら、よし!コジョンド、頼んだよ!」
〈よし!任せろ!〉
「誰がきたところで結果は同じだ。」
「我々七賢人を相手にしたことを後悔する事だな!」
「そのままそっくり返しますよ!」
〈でもユウキ、2体相手に俺だけか?〉

コジョンドは疑問に思い、ユウキに聞いた。

「相性的に僕がいくよ。エーフィー、スワンナ、コバルオン、ジャローダ、いつでも動けるようにスタンバイしてて!」
〈うん!わかったわ♪〉
〈OK〜。〉
〈はい!〉
〈わかったわ![めいそう]!〉

コジョンド以外は後ろにさがった。続けてユウキは意識を集中させる。

〈………よし![絆]の名の下に、いざ!コジョンド、いくよ!〉
〈もちろんだ!〉
〈まずは[飛び跳ねる]をお願い!〉
〈ああ、わかった!〉

コジョンドは脚力を生かし、飛び上がった。

〈よし![放電]!〉

ユウキは広範囲に電撃を放った。

「……はっ、レパルダス、[電光石火]!〉「[辻切り]!」

相手はあまりの事に反応が遅れた。

〈………〉〈………っ。〉

〈よし!当たった。コジョンド、そのままレパルダスに[跳び膝蹴り]お願い!〉
〈ああ。〉

相手は技をかわすことができなかった。

〈……動かない………。〉

レパルダスは運悪く麻痺状態となった。
そこで、コジョンドは空中で体制を立て直し、技の準備をした。

〈麻痺状態か。ユウキ、ありがとな。よし!くらえ!〉
〈……っ!〉

コジョンドの蹴りは命中し、レパルダスは倒れた。

〈よし!コジョンド、ナイ……うっ、しまった、わすれてた!〉 

ユウキは気を取られ、コマタナの辻切りをまともに受けた。

〈ユウキ、大丈夫か!?〉
〈うん。…これくらいなら。よし![目覚めるパワー]!〉

ユウキは体制を立て直し、手元に紅蓮のエネルギーを溜め始めた。

「まさか私のポケモンが一発で……モノズ!」
〈………うん。〉
〈相手、やっと喋ったな。〉
〈そうだね。コジョンドも[波動弾]の準備お願い!〉
〈ああ、任せろ!〉

続いてコジョンドも手元にエネルギーを溜める。

〈よし!くらえ!〉

ユウキはコマタナに向けて紅蓮の弾を放った。

〈……うっ。〉
〈よし!でもさすがに一発じゃあむりか。コジョンド、お願い!〉
〈ああ、くらえ!〉

コジョンドも溜めていたエネルギーを放った。
技は命中し、コマタナも戦闘不能となった。

〈よし!コジョンド、あとはモノズだけだよ。[跳び膝蹴り]お願い!〉
〈ああ、あと少しだな。[跳び膝蹴り]!〉

コジョンドはモノズとの距離を詰めた。

「モノズ、[突進]!」
〈………うん。〉

モノズもコジョンドに向けて突撃し始めた。

〈コジョンド、援護するよ!〉
〈ああ、頼んだ!〉

コジョンドは攻撃の体制に入った。

〈よし、[アイアンテール]から[10万ボルト]!〉

ユウキは硬質化させた尻尾を地面に打ちつけ、飛び上がった。直後に強力な電撃を放った。

〈うわっ!〉〈くらえ!〉

二人の連続攻撃に耐えられず、モノズは倒れた。

〈よし!〉
「なに!?我々七賢人がやられただと!?」
「これが[絆]の力だ!」

ユウキは後ろに下がりながら姿を元に戻した。

「ユウキくん、ありがとう。」
「うん、どうも。」

ユウキは白星を飾った。


@ ( 2013/04/05(金) 00:52 )