第9章 伝説、再来
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AM11:45 自宅

♪♪♪

ユウキ達が休憩をしていると、ライブキャスターに連絡が入った。

「こんな時間に誰だろう?」
〈こんな時間に着信って珍しいわね。〉
「うん。 はい?」

ユウキはライブキャスターをつないだ。

《あっ、ユウキくん、たっ、大変だよ!》
「!ベル、そんなに焦ってどうしたの?」

電話の相手はベルだった。

《とにかく大変だよ!》
「ベル、まずは落ち着こうか。」
《うん。手短に言うと、[リュウラセンの塔]が、何者か、たぶんプラズマ団だと思うけど……に壁の一部が破壊されて、侵入されちゃったの。》
「えっ!?何だって!?」
《その時私は湿原にいたんだけど、急いで行ったら塔の頂上から黒くて大きなポケモンがリーグ本部があるほうに飛んでいったのが見えたの。》
「黒いポケモン!?そのポケモン、電気を纏ってなかった?」
《遠かったからよく見えなかったけど、そのポケモンから何か青白いものが出てたような………》
「嘘だろ……。そのポケモンは絶対にゼクロムだよ!」
《えっ!?》
「うん。さらにマズいことがあるんだけど、ベルはブラックが今リーグに挑戦してるのは知ってるよね?」
《うん。今朝チェレンから聞いたよ。》
「そのブラックが今、レシラムが姿を変えた[ホワイトストーン]を持ってるんだよ。」
《えっ!?じゃあ、もしゼクロムとブラックが接触したら……》
「伝説が再び起こる。」
〈〈〈〈〈えっ!?〉〉〉〉〉《えっ!?》

近くで話を聞いていたエーフィー達も驚いた。

「コバルオンがブラックには英雄になる素質があるって言ってたから、可能性はかなり高いよ!」
《じゃあ、もしレシラムが覚醒したら…》
「そう、それが今起ころうとしている。ベル!僕達は今からリーグに向かうから、ベルはチェレンに連絡して、先に行ってて。僕達はちょっと時間がかかりそうだから!」
《うん!わかったよ!じゃあ、そこで合流しよ!》
「うん!頼んだよ!」

そう言い、電源を切った。

「話は聴いてたよね?」
〈ええ、なら早くいかないといけないわね!〉
〈そうだね〜。〉
〈ユウキさん、ここは僕に任せてください。〉
〈えっ!?ウチじゃなくて?〉
〈はい。ユウキさんは姿を変えるのに3分ぐらいかかりますよね?〉
「うん。」
〈そうか、いまは一刻を争う状態だから時間を短縮するためか!〉
〈はい!〉
〈わかったわ♪!じゃあ、今回は任せたわよ♪!〉
〈ええ、ユウキ、お願い!〉
「うん!」

ユウキはコバルオンを除く全員を戻した。
戻すとすぐに外に出てコバルオの背中に乗った。

「あら、ユウキくん、そんなに焦ってどうしたの?」

絶妙なタイミングでアララギ博士が現れた。

「博士今はそれどころじゃないんです。コバルオン、お願い!」
〈はい!しっかり捕まってください!〉

そう言い、コバルオンは全速力で走り始めた。

「ちょっとユウキ君ー。 行っちゃった……。そう言えばユウキ君は、あのポケモンにコバルオンって言って…………って、えっ!?コバルオン!?」

一人取り残されたアララギ博士は、遅れてコバルオンの存在に驚いていた。

………

PM0:25 リーグ本部

〈ユウキさん、つきましたよ。〉
「コバルオン、ありがとう。」
「あっ、ユウキくん、来たね。」
「ユウキさん、聞きましたよ。早く行きましょう。

家を出て30分後、リーグ本部に到着した。

〈随時早かったわね。〉
〈前より強くなったみたいだな。〉
〈はい!これもユウキさん達のおかげです。〉
「2人とも、お待たせ。君は[志の守護]のテラキオンだね。」
〈そうだ。ワシが……〉

テラキオンが自己紹介をしようとした時、

「「「地震!?」」」
〈いや、違うみたいですよ。〉

ビリジオンが施設の後ろを見て言った。

「「!!何だ!?あれは!」」
「〈城?〉」

施設の背後に巨大な城(?)が現れた。

〈あれは………皆さん、とにかく急ぎましょう!〉
「うん!行こう!」

ユウキ達は施設の係員に止められたが強行突破した。

………

PM0:30 リーグ 四天王の間(勝手に命名)

「………一応入ったけど、あそこにどうやっていけば………」

中に入ると広い空間に出た。

「確か中央の石像に仕掛けがあったと思います。」
「…でもチェレン?真ん中に大きい穴があるだけで石像なんてないよ?」

ベルが指摘した。

「ってことは誰かが既に下に降りたってことだね。」
「そうですね。でもどうやって降りれば………」

そこにいるほとんどが手詰まりで困り果てていると、

「よし!ここは僕に任せて。コバルオン達はちょっとボールに戻ってくれる?」
〈はい。何か案があるんですね。〉
〈ベル!〉〈チェレン、たのんだぞ。〉

聖剣士三匹はそれぞれボールに戻った。

「よし、エーフィー、スワンナ、お願い!」
〈ユウキ、わかったわ!〉〈ウチらの出番ね♪〉

ユウキはエーフィーとスワンナを出した。

「まずスワンナはエーフィーを乗せて!エーフィーは僕達三人を[サイコキネンシス]で下まで運んで!」
〈うん。わかったわ♪!〉〈ええ、任せて![サイコキネンシス]!〉

エーフィーはスワンナに飛び乗り、三人に技をかけた。

〈よし、いくわよ♪!〉
「すごい!浮いてる!」
「ユウキさん、さすがですね。」

ユウキの提案でなんとか進み始めた。



@ ( 2013/04/03(水) 00:52 )