39
PM3:00 ソウリュウシティーポケモンセンター
〈ねぇ、ユウキ、これからどうするの♪?〉
〈ジム戦も終わったし、どうするんだ?〉
ユウキはジム戦いを終えてエーフィー達を回復させていた。
「うーん、[ブラックストーン]も今のところは無事みたいだし、一度家に帰ろうかな。」
〈そうね。一応旅の目的も達成したしね。〉
〈ユウキさんはどこに住んでいるんですか?〉
コバルオンはユウキに聞いた。
「そういえば言ってなったね。」
〈カノコタウンだよ〜。〉
〈ユウキと私の生まれ育った街はジョウト地方のコガネシティーっていう所だけどね。〉
〈イッシュ地方の出身じゃなかったんですか?〉
〈確か前回の旅の時に言ってたな。〉
〈ねぇ、エーフィー、その街ってどういう街なの♪〉
〈一言で言うとヒウンシティーみたいな大都会よ。〉
〈一度行ってみたいな。〉
〈そうね♪ウチらはこの地方しか知らないしね♪〉
「また機会があったら行こっか。」
〈そうだね〜。だからまずはカノコタウンだね〜。〉
〈そういえば話がそれてましたね。〉
〈ええ。だから私達は一度戻るわね。〉
「うん。じゃあスワンナ、よろしく。」
〈うん♪〉
ユウキはエーフィー、コジョンド、ジャローダ、コバルオンをボールに戻し、意識を集中する。
〈よし、じゃあスワンナ、お願い!〉
〈うん♪任せて♪〉
スワンナはユウキを乗せて飛び立った。
〈スワンナ、スピードが前より速くなったね。〉
〈うん♪日々飛び回ってるからね♪〉
スワンナのスピードはジム戦前と比べて、格段に上がっていた。
〈このスピードなら30分ぐらいで着くかな♪〉
スワンナはカノコタウンに向けてスピードをあげた。
………
PM3:35 1番道路上空
〈スワンナ、この辺で降ろして。〉
〈うん♪わかったわ♪〉
スワンナは着陸するためにスピードを落としていた。
〈スワンナ、ありがとう。ちょっと歩けば着くし、みんなをだすのは家でいいかな。〉
〈そうだね♪コバルオンは特にそうだよね。伝説のポケモンだし♪〉
〈うん。 ここなら人通りも少ないし、元に戻ろうかな。〉
ユウキは再び意識を集中させる。
「……よし。行こうか。」
〈うん♪久しぶりだなー♪〉
ユウキスワンナは自宅へと歩みを進めた。
………
PM3:40 カノコタウン
「ただいま。」
「あれ、ユウキ、突然帰ってきてどうしたの!?」
「一応旅の目的が達成されたからかな?」
「目的?」
「各地のジムを巡ってたんだよ。」
「ジム巡りかー。懐かしいわ。ユウキもジムを巡ったのは我が家の血筋かしら?」
「そういえば母さんも昔旅をしてたんだっけ?」
〈ユウキのお母さんも旅してたんだー♪あっ、そういえばユウキ?みんなを出さないの♪?〉
「あっ、そうだった。」「その様子だとスワンナの怪我も大丈夫そうね。」
ユウキはスワンナに言われて、慌ててエーフィー達を出した。
〈ユウキ、話に華を咲かせすぎだぞ。〉
〈僕達の事忘れないでよね〜。〉
〈仕方ないわね。久しぶりの帰宅だもの。〉
〈ここがユウキさんの自宅ですか。〉
リビングはユウキのポケモン達でいっぱいとなった。
「エーフィー達も元気そうね。今回の旅で新しい仲間も増えたみたいね。」
「うん。ちょっと訳ありだけどね。」
「そういえばユウキはバトルでポケモンを捕まえた事がなかったわね。」
〈コジョンドもスワンナ達もみんなバトルで加わってなかったわね。〉
〈うん。きっとユウキにはべつの魅力があるからだと思うよ〜。〉
〈ユウキさんと僕の出会いは運命だったのかもしれませんね。〉
〈そうだな。普通に過ごしていると絶対にコバルオンみたいな伝説のポケモンに会えないしな。〉
「そうだね。思い返せば、あの高熱が今回の旅の始まりだったなー。」
「高熱?あの高熱がどうかしたの?」
「あの熱でかなり僕の体質が変わってね…普通では考えられないような事ができるようになったのが始まりかな。」
「体質が?風邪をひきやすくなったとか?」
ユウキに聞いた。
「母さん、そんなありきたりな事じゃないよ。まず、ポケモンの言葉がわかるようになった。」
「えっ!?それはどういう……」
「それから……」
ユウキは構わず話を進めて、意識を集中させる。
「ユウキ?」
変化が終わり、一匹のピカチュウが姿を現す。
「えっ!?このピカチュウがユウキなの!?」
《見てのとうりです。》
「!!これはテレパシー!? ユウキの声じゃないわね………。」
ユウキ母はあまりのことに呆気にとられている。
《コバルオンと申します。あなたはこの地方に伝わる伝説をご存知ですよね。》
「えっ、ええ。 テレパシーを使えるってことは、あなたは伝説かそれに準ずるポケモン?」
《はい。そのとうりです。》
「うん。だからちょっと訳ありでね。」
ユウキはこの間に元に戻っていた。
「コバルオン、説明お願い、」
〈はい。そのつもりです。〉
《まずはこの地方の伝説について説明しますね。……………(省略)…………。続いて僕とユウキさんの出会いと伝説における役割について説明しますね。………(省略)………。》
途中、ユウキが補足を加えながら話を進めていった。その間、エーフィー達は2人の話を聞いていた。後半あたりからジャローダは居眠りしていたが。
「………不思議な事もあるものね……。ユウキもいつの間にか凄い事になってるし……。」
ユウキ母は言葉を失っていた。
「うん。これを踏まえて今回の旅の話をするね。」
時刻は午後5時、ユウキは淡々と話始めた。