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PM0:00 ソウリュウシティーシティー
「シャガさん、ジム戦お願いします!」
「来たな、使用ポケモンは3体、ルールは知ってるな。」
「はい!」
この日、ユウキの最後のジム戦が始まった。
「お兄ちゃん、頑張ってね。」
「ではワシからいくぞ、クリムガン!」
〈僕の出番ですね。手合わせお願いします。〉
シャガはクリムガンを出した。
「クリムガンかー。接近戦は向かないか、エーフィー、頼んだよ!」
〈私でいくのね。わかったわ。〉
対してユウキはエーフィーを出した。
「お手並み拝見といこうか、[竜の息吹]!」
〈了解した!〉
クリムガンは青黒いブレスを発射した。
「さっそくドラゴンタイプの技ですか。エーフィー、かわして[シャドーボール]!」
〈ええ、様子見ね。〉
そう言いながら容易くブレスをかわす。
すぐに小さめの弾を作り出し、放出する。
「かわして[ドラゴンクロー]!」
〈了解だ!〉
クリムガンは身軽にかわし、エーフィーとの距離を詰めた。
「エーフィー、来るよ![穴を掘る]でかわして!」
〈…………〉
エーフィーは集中しながら地中に潜った。
〈……ユウキ、終わったわ。〉
「よし、そのままこう……」
「[地震]だ!」
〈よし!渾身の一撃くらうがいい!〉「〈えっ!?」避けきれない!〉
クリムガンは地面を踏みならし、大きな揺れを引き起こした。
〈…くっ、レベルが離れていても、さすがに…威力が倍になると…キツいわね。〉
「さすがに一筋縄ではいかないか。エーフィー、まだいける?」
エーフィーは地震により、引きずり出された。
〈ええ。まだ…大丈夫よ。〉
「追撃だ。[ドラゴンクロー]!」
〈よし!わかった〉
クリムガンはエーフィーとの5Mほどの距離を詰め始めた。
「[サイコキネンシス]で動きを止めて!」
〈ええ。わかったわ!〉
〈なに!?〉
クリムガンは加速していたため、止まることができなかった。
〈…ふぅ、危なかったわ。〉
「そのままクリムガンを投げ飛ばして!」
〈ええ、わかったわ!物理技は苦手だけど、私にはこれがあるわ!〉
〈…ぐわっ!〉
「エーフィー、一度距離をとって!」
〈うん!〉
そう言い、バックステップで距離をとる。
「[竜の波動]で追撃だ!」
〈よし!これで決める!!〉
さっきとは比べものにならないくらいのブレスを放出した。
「エーフィー、一発で決めるよ!接近しながら[サイコキネンシス]で打ち返して!」
〈ええ。これで最後よ!!〉
エーフィーは前に走りながらブレスに技をかけた。
〈っ、さすがに威力が高いわね。[めいそう]。〉
技を受け止めながら意識を集中させる。
「[めいそう]だね。」
〈…よし。これならいけるわ。〉
エーフィーは受け止めていたブレスをねじ曲げて、めいそうにより、威力が倍増したブレスをクリムガンに向けて打ち返した。
〈!!不味い、よれられない!〉
クリムガンは技の最中だったため、かわすことができなかった。
「ワシのポケモンを一発で倒すとは、なかなかやるな。」
シャガは戦闘不能となったクリムガンをボールに戻した。
「オノンド、出番だ。」
〈僕の番ですね。〉
「エーフィー、お疲れ様。ジャローダ、お願い!」
〈ジャローダ、あとは頼んだわよ!〉
〈うん、任せて〜。〉
「オノンド、[竜の舞]!」
〈はい。〉
オノンドは志気を高める。
「ジャローダ、光を溜めながら[リーフブレード]!」
〈OK〜。[ソーラービーム]の準備だね〜。〉
そう言い、オノンドに接近する。
「来るぞ。[ドラゴンクロー]で迎え撃て!」
〈わかりました。〉
オノンドも爪で迎え撃つ。
「そろそろいいかな。地面に当てて[ソーラービーム]!」
〈うん、わかったよ〜。〉
ジャローダはリーフブレートの標的を変えて、飛び上がった。
〈えっ!?〉「なに!?飛び上がった!?」
〈溜まったし、僕の攻撃、くらえ〜。〉
ジャローダは空中で溜めたエネルギーを放出した。
〈うわぁぁ。〉
「そのまま[逆鱗]!」
〈OK〜。…………〉
ジャローダは猛烈な勢いで攻撃を始めた。
「隙をみて[ドラゴンテール]!」
〈うん……わかった。〉
オノンドは倒れる寸前で技を命中させた。
〈「…えっ!?」まだ攻撃終わって……〉
ジャローダは強制的にボールに戻された。
〈…えっ!?なんでウチが!?まだジャローダは終わってないのに♪。〉
代わりにスワンナが引きずり出された。
「交代させる技か……。スワンナきを取り直していくよ!」
〈えっ!?うん♪このままいくのね♪わかったわ〉
「オノンド、[竜の波動]!」「スワンナ、[アクアリング]をしながら[ツバメ返し]!」
〈うん……でも、限界かも……。〉〈うん♪わかったわ♪
スワンナは自慢のスピードで接近し、オノンドが技を出す前に技を命中させた。
「速い!!オノンド、よくやった。オノノクス、頼んだぞ。」
〈シャガ、強者(つわもの)らしいな。任せろ!〉
シャガはオノノクスを出した。
その間にスワンナは水のベールを纏う。
「スワンナ、持久戦に持ち込むよ!」
〈うん♪ウチが得意な戦法だね♪久しぶりだわ♪〉
「まずは[波乗り]でフィールドを水で満たして!」
〈うん♪わかったわ♪〉
スワンナは大量の水を出す。
「オノノクス、[竜の舞]だ!」
〈了解した!〉
対して志気を高める。
「今のうちに[冷凍ビーム]!」
〈うん♪〉
フィールドは20cmほど水で満たされた。すぐにスワンナは冷気を放つ。
〈くっ。〉
〈さすがに一発でとはいかないわね♪〉
「[竜の波動]だ!」「手数で勝負だ。[ツバメ返し]で接近して!」
〈水で動きにくいが、了解した!〉〈うん♪任せて♪この技、結構使えるわね♪〉
オノノクスは青黒いブレスを放つが、スワンナに華麗にかわされた。
技をかわし、確実に技を命中させた。
〈なかなかやるな。だが、まだだ。〉〈ウチのスピードについてこれるかしら?〉
「[ドラゴンクロー]!」「[波乗り]!」
同時に指示をだす。
〈任せろ!〉〈うん♪〉
オノノクスは爪で攻撃する。
対してスワンナは再び水を出した。深さが40cmとなった。
〈くらえ!〉
〈うっ!〉
技はスワンナに命中した。
「スワンナ、距離をとって[アクアリング]を重ねがけして。」
〈うん…わかったわ♪〉
スワンナは再び水のベールを纏う。
スワンナの受けたダメージが少しずつ回復していく。
「[竜の波動]!」「[冷凍ビーム]で牽制して!」
〈了解だ!〉〈うん♪…わかったわ♪〉
同時にブレスを放った。威力はほぼ互角だ。
「ワシのオノノクスと互角にやり合えるとは、なかなかやるな。」
「シャガさんも、さすがは最後のジムですね。スワンナ、そのまま維持して!時間稼ぎだ。」
〈……………〉〈…………〉
両者共に集中している。
「技を中断して[流星群]!」
〈一気にいくぞ!〉
オノノクスは技をやめ空中にエネルギー波を放った。
「!!ヤバい、スワンナ、全力でかわして!」
〈流星群!? わかったわ♪〉
すぐに大量の隕石が降り注いだ。
スワンナはスピードを生かし華麗にかわす。その間にも少しずつ体力は回復している。
〈俺の流星群をかわすとは。〉
〈さすがに危なかったわ♪〉
「そのままスピードを維持して[冷凍ビーム]!」
〈うん♪〉
〈!!速い。捉えきれない!?〉
スワンナはさらに加速する。
「[流星群]!」「[冷凍ビーム]連射!」
〈これでどうだ!!〉〈このスピードならできそう♪やってみるわ♪〉
スワンナはスピードを落とさずかわした。続けてオノノクスを翻弄して技を確実に命中させる。
「速い。[影分身]を使っているみたいだ……。」
〈…不味い。身体が凍りついてきた。〉
度重なる攻撃でオノノクスは凍りつき始めた。
〈ユウキ、このスピードなら[ブレイブバード]いけそうな気がするから試していい♪?〉
「うん。任せるよ。」
〈ユウキ、ありがとう♪よし、いくよ♪!〉
スワンナは技をイメージし、集中する。するとスワンナの身体が僅かに光り始めた。
(………これならいけるわ♪)
「いけそうだね。スワンナ、[ブレイブバード]!」
〈よし、いけー♪〉
スワンナは目にも留まらぬ速さでオノノクスに突撃する。
〈!!この水と氷さえ無ければ……〉
スワンナの攻撃でオノノクスの周りの水も凍りついていた。オノノクスは為す術もなく、大ダメージを受けた。
〈ぐわああぁぁ。〉〈うっ、さすがに……反動が大きいわね♪[アクアリング]してなかったら……耐えられなかったかも………。〉
互いにダメージを受け、両者共倒れそうだ。
「[竜の波動]!」「[冷凍ビーム]!」
〈これで……最後だ!〉〈これで……最後よ♪!〉
最後の力を振り絞り技を出した。
〈うっ!〉〈くっ!〉
結果は相打ちとなった。
バタッ
両者共に倒れた。
「相打ち……か……。」「勝った……?」
「ユウキ、ワシの負けだ。久しぶりに興奮するバトルだったぞ!」
「はい。僕もこんなにハイレベルのバトルは初めてでした。」
「またしばらくしてから、また個人的に手合わせ願いたい。」
「はい。その時はお願いします!」
「おっと、忘れるところだった、これがバッチだ。」
「はい。ありがとうございます。」
こうしてユウキは、最後のジム戦で白星を飾った。