第8章 古の都
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AM11:00 9番道路

〈とうとう最後のジム戦ね。〉
「そうだね。いま思えば長いようで結構短かったよね。」
〈そうだね♪ ねえ、ユウキ。〉
「どうしたの?スワンナ。」

ユウキ達はジム戦に備えて最終調整をしていた。

〈ウチ、技を利用しなくても長距離を飛べるようになったから、新しい技を習得したいな♪〉
「新技かー。」
〈攻撃技か、補助技のどっちにするの?〉

エーフィーが聞いた。

〈補助技は[アクアリング]があるから、攻撃技がいいな♪〉
〈攻撃技か〜。近距離か遠距離のどっちにするの〜?〉
〈ウチは遠距離技中心だから近距離技かな♪〉
〈近距離ですか。今のところ飛行タイプがないと思うので、飛行タイプにしたらどうですか?〉
〈うん♪そうするわ♪〉
「飛行タイプだね。僕が持ってる技マシンだと、[ツバメ返し]があるけど、どう?」
〈[ツバメ返し]かー。確実に命中するけど、回復手段があるから捨て身の攻撃がしたいな♪〉
〈それなら[ブレイブバード]はどうだ?〉
〈それいいね♪〉
〈それならスワンナのスピードを生かせるわね。〉
〈かなり上級の技ですけど大丈夫ですか?〉
〈多分大丈夫だと思うよ〜。〉
「そうだね。スワンナも結構経験積んでるからね。」
〈なら大丈夫そうですね。〉
〈うん♪ でもあんまり時間がないけど、どうする♪?〉

時刻は11時20分になっていた。

〈ユウキさんの持っている[ツバメ返し]から派生させるのはどうですか?〉
〈コバルオン、その案いいかもな。〉
〈どっちもスピードを生かした技だからね〜。〉
「スワンナ、それでいい?」
〈うん♪もちろん♪〉
〈なら決まりね。〉
「ちょっと待ってて。今だすから。」

そう言い、ユウキはバックからCDケースを取り出した。中にはいくつものCDが入っている。

〈長年集めたものがさっそく役に立ったわね。〉
「うん。 あった、これだ!」

そう言い一枚のCDを取り出す。

「スワンナ、ちょっと変な感じがすると思うけど、少しだけ我慢してね。」
〈うん♪〉

ユウキは技マシン[ツバメ返し]をスワンナに使った。

「……よし。とりあえず[ツバメ返し]は出来るようになったから、あとは練習すれば完成すると思うよ。」
〈うん、わかったわ♪15分くらい練習してみようかな。〉
〈そうだな。調整を兼ねて俺達も手伝うよ。〉
〈ええ。〉〈もちろん!〉
〈みんな、ありがとう♪〉
「よし、せっかく技マシン出したから、僕も何か使おうかな。」
〈ユウキは電気タイプの技が中心だからね〜。〉
「うん。 これにしようかな。」

そう言いもう一枚取り出した。スワンナ、エーフィー、コジョンドは練習を始めた。
その事を確認しながらユウキは意識を集中させる。

〈よし!これで準備はOKかな。〉

そう言い、ユウキは技マシンを使った。

〈何の技にしたんですか?〉
〈[目覚めるパワー]だよ。まだ何タイプになるか分からないけどね。〉
〈[目覚めるパワー]か〜。それなら種族に関係なく覚えられるね〜。〉
〈うん。じゃあ、さっそく使ってみるね。〉

そう言い、ユウキは手元にエネルギーを溜め始めた。
赤色の弾が形成され始めた。
5秒ほどで野球ボールぐらいの大きさになった。

〈周りに被害がでるといけないのて僕が技を受けましょうか?〉
〈うん。お願い。いくよ!〉

ユウキはコバルオンに向けて赤いエネルギー弾を発射した。

〈結構スピードあるね〜。〉

命中した。

〈くっ。 タイプはたぶん炎だと思います。〉
〈炎かー。弱点だけど大丈夫だった?〉
〈はい、なんとか。たぶんユウキさんがもっと練習したら耐えられないと思いますが………。〉
〈練習次第では威力はもっと上がると思うよ〜。〉
〈そうだね。コバルオン、ありがとう、もうほとんど時間ないからこれ使って。〉

ユウキはバックから凄い傷薬を取り出した。

〈ありがとうございます。もうそろそろ時間ですし、エーフィーさん達も呼んで行きましょうか。〉
〈うん、そうだね。〉

ユウキは再び意識を集中させて元の姿に戻った。

「スワンナ、技の調子はどう?」
〈うん。まあまあかな♪〉
〈一応[ツバメ返し]は形になったと思うわ。〉
〈[ブレイブバード]はもう少し練習が必要だと思うがな。〉
「うん。続きはジム戦終わってからにしよっか。」
〈そうだね♪〉
〈じゃあ、行きましょ。〉
〈ジム戦だから俺達は一度戻らないとな。〉
〈そうだね〜。〉

ユウキは全員をボールに戻した。

「よし、最後のジム戦、頑張ろ!」

ユウキはソウリュウシティーのジムに向かった。



@ ( 2013/03/28(木) 00:19 )