第8章 古の都
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AM9:50 9番道路

「お兄ちゃん、強いんだね。」
〈僕達ここの暴走族には悩まされてたんだ!〉

ユウキがエーフィー達に自販機でジュースを買っていると、キバゴを連れた少女に話しかけられた。

「えっ、僕のこと?」
「うん。ちょっときて!」
〈何か突然だな。〉
〈突然ごめんね。アイリスはいつもこうだから。〉
〈そうなのね♪ユウキは連れてかれちゃったし、行こっか♪〉
〈そうね。街も近そうだし。〉

ユウキはアイリスと呼ばれた少女に引っ張られ、街と道を結ぶゲートを通っていった。

〈ユウキ〜。待ってよ〜。〉
〈あなたの種族はキバゴですね。案内お願いしてもいいですか?〉
〈はい、こっちだよ!〉
〈頼んだわよ。〉

続いてエーフィー達もキバゴについていった。

………

AM10:00 ソウリュウシティー

「おじいちゃんー、この人が暴走族を追い払ってくれたんだよー。」
「痛いよ……。」
「お前はまた無理やり引っ張ってきたのか…。本当に誰に似たんだろうか……」

ユウキはアイリスに引っ張られ建物の1つに入った。

〈もうー、アイリスったら。〉
〈キバゴ、ここね。〉
〈やっと追いついた〜。〉
〈コジョンド、ここの建物古風な感じだね♪〉
〈そうだな。コバルオン、ここはどんな街なんだ?〉
〈ソウリュウシティーって言う街です。ここははるか昔から栄えてきた街なんです。〉
〈そうなのね。ってことは伝説と何か関係がありそうね。〉
「ここはソウリュウシティーって言う街なんですね。」
「そうだよ。別名竜の里って言うんだよ!」
「竜の里かー。」
「そうだ。そしてワシがこの街の市長のシャガだ。」
「そして私が……」
「アイリス、って言うんだよね?」
「えっ、名乗ってないのになんでわかったの?」
「君のキバゴと僕のポケモン達が言ってるのを聞いて知ったんだ。」

ユウキが話している間、シャガはユウキ達をみていた。

「そのポケモンとそのバンダナから推測すると……、君は[三賢者]の1人だな?」

シャガはユウキを見てズバリ言った。

「えっ、そうですけど……なんでわかったんですか?」
「この街には伝説の続きも語り継がれているんだよ。」
〈うん。そうなんだ!〉
「〈ちゃんと語り継がれているところもあったんですね。〉」
〈さすがは古の都市ね。〉
〈ここなら説明が簡単にできそうだな。〉
「うん。そうだね。一から話さなくてもいいしね。」
「そういえばまだ名前を聞いてなかったな。」
「ユウキと言います。」
「ユウキくんって言うんだー。」
〈青ってことは[絆の賢者]なんだね?〉
「キバゴ、正解だよ。僕は[絆の賢者]です。」
「まさか生きているうちに賢者に会えるとは……。」
「ってことは本当にポケモンの言葉がわかるんだね。」
「うん、そうだよ!」
「[絆]ってことは何かのポケモンにもなれるの?」
〈アイリスって結構好奇心旺盛だね♪〉
〈そうだね〜。〉
「うん。」
「やっぱり伝説は本当なんだー。さっそく見せて!」
「うん。」

ユウキは意識を集中させる。

〈ユウキももう姿かえるのは慣れたものだな。〉
〈うん。もう何回もやってるからね。〉
「何て言うポケモンか知らないけど、かわいいかも!」
{ピカチュウって言うポケモンです。}

一度筆談で伝えると元の姿に戻った。

「シャガさん、市長って事はここのジムリーダーですよね?」
「そうだが?」
「僕の八回目のジム戦受けてもらってもいいですか?」
「ユウキくんってジムを巡ってたんだね。」「ああ、いいだろう。」
「ありがとうございます。」
〈とうとう最後だね♪〉
〈竜の里って事はきっとドラゴンタイプだな。〉
〈ってことはジャローダとスワンナが中心に闘うことになるわね。〉
〈うん。頑張るよ〜。〉
〈皆さん、頑張って下さい!〉
〈うん。もちろん♪〉
「じゃあ、正午にジムに来てくれるか?」
「はい!伺います!」

こうしてこの日のうちにユウキの最後のジム戦が行われることになった。

@ ( 2013/03/27(水) 01:37 )