第6章 真実の軌跡
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AM8:00 フキヨセシティー

「じゃあ、準備できたし、行こっか。」
〈うん、そうね。〉
〈フウロは何タイプのポケモンを使うのかな〜。〉

ユウキ達は予定通りジムに向かっている。

〈全く予想できないな。〉
〈そうだね♪場合によっては作戦練り直さないといけないね♪〉
〈そうよねー。ユウキは何かいい案あるの?〉
「うーん、今のところないかな。」
〈なら、とりあえずいつもどうりだな。〉
〈そうね。〉

話してる間にジムに到着した。小さい町なので思ったより早く着くことができた。

「……来たね。じゃあさっそく始めよっか!」
「うん。」
〈今回は誰から闘うの〜?〉

今日は全員出したままだ。
「よし、まずはエーフィー、お願い!」
〈ええ。ある程度は対応できるもんね!〉

エーフィーは呼ばれて前に出た。

「そのポケモン、エーフィーって言うんだー。じゃあ、私もいくよ、ケンホロウ!」
〈うん!もちろん!〉
「見た感じ♀だね。エーフィー、いつもどうり[めいそう]!」
〈えええ。…………〉
「ケンホロウ、[翼で撃つ]!」
〈うん!〉
「エーフィー、くるよ!」
〈……………〉

めいそうしているエーフィーに接近し、技をだす。

〈周りを見てないと痛い目にあうよ!〉
〈………ちゃんと見えてるわよ………〉

めいそうを終えていないエーフィーは、集中を切らさずに紙一重でかわす。

〈なかなかやるね。〉
〈………〉
〈エーフィー、腕上げたわね♪〉
〈……ユウキ、終わったわよ!〉
「よし、とりあえず[サイコキネンシス]!」「そのまま[アクロバット]!」
〈ええ、わかったわ!〉〈うん。〉

両者同時に技をだす。

「エスパータイプみたいだね。」
〈覚悟しなさい!〉
〈受けて立つわ!〉

ケンホロウは絶妙な間合いで接近する。
対してエーフィーは攻撃に備えて身構える。

〈よし、当たった?……えっ!?体が動かない。〉
Γエーフィー、そのまま地面に叩きつけて!」
〈ええ。 覚悟しなさい!〉
〈うっ!〉
「やっぱり強いね。」
「僕達はただ旅をしているだけじゃあないからね。エーフィー、もう一度[サイコキネンシス]!」
〈ええ。[シャドーボール]と[穴を掘る]は効果がないからね。〉

そう言い、再び同じ手順で攻撃する。

〈うっ、…私がこんなにあっさり…やられるなんて……。〉

ケンホロウは倒れた。

「ユウキ君のポケモンってやっぱり強いね。じゃあ、私の2匹目は、ココロモリ、お願い!」
〈……うん、わかったよ。〉

そう言い、フウロは、ココロモリをだした。

(ココロモリか……)
「エーフィー、お疲れ様。スワンナ、お願い!」
〈ええ。スワンナ、あとはお願いね。〉
〈うん。ウチにまかせて!〉

エーフィーはスワンナと交代した。

「ココロモリ、[脅かす]!」
〈…うん。〉
〈えっ!?〉

スワンナはひるんでしまった。

「そのまま「アクロバット]!」
〈うん。わかった。〉
〈くっ! なかなかやるね♪。〉
「さすがに一発じゃあ無理かー。」
「スワンナ、浮上して[アクアリング]!」
〈よし、動ける。 わかったわ♪!〉

スワンナは、すぐに水のべールを纏う。

「続けて[輪唱]!」「接近して[冷凍ビーム]!」

2人は同時に指示をだす。

〈うん。〉〈わかったわ♪!〉

スワンナは、華麗に音波をかわし、技をだす。

〈うっ!〉
「[エアラッシュ]!」
「[波乗り]を凍らせて押し返して!」
〈〈うん!〉やってみるわ♪!〉

ココロモリは風の刃を作り出しスワンナに飛ばす。
対してスワンナは大量の水の壁をだし、すぐに凍らせた。
水の加速度がたかかったため、凍ったままココロモリに激突した。

〈ううっ……〉

ココロモリは目を回して倒れていた。

「まさかこんなにあっさりやられんなんて…。私の最後のポケモン、スワンナ、出番だよ。」
〈よし、僕の出番だね。〉

フウロはスワンナ(♂)をだした。

「フウロもスワンナ持ってたんだね。」
「うん。私の切り札よ!」

(スワンナか………。弱点つける技、誰も持ってないからな………。)
〈ユウキ、ここからどうするの〜?〉
「うーん。電気タイプの技誰かが使えたら良かったんだけど………。」
〈………あっ、ユウキ、ウチら以外に闘えるメンバーいるじゃない♪〉
「〈えっ!?〉」
〈…そうか、ユウキ『自身』が闘うってことか。〉
〈でも、それじゃあ………〉
「ユウキ君、何を独りで喋ってるの?」
(よし、こうなったら、これしかないか………。)
「フウロ、君だけ(5人目だけど)に僕の秘密を暴露するよ。」
「えっ!?」
「でも絶対に外部に漏らさないでよ。」
「えっ!? うん、わかった。」
〈ユウキ、まさか本当にやるつもり?〉
「うん。これしか方法が思いつかなくて……」

そう言い、ユウキは別の姿をイメージする。いつものようにユウキの姿が歪む。

「ユウキ君、大丈夫?」

そう言っている間にも、ユウキの変化が終わる。

〈ふう。よし。いくよ!〉
「〈えっ!?まさか……〉このポケモン?って昨日の……」
〈[充電]!〉

ユウキは電気を溜め始める。

「あっ、そうだった。相手はユウキ君?だけどジム戦の最中だったんだ。スワンナ、[アクロバット]!」
〈えっ、ああ、うん。〉
〈よし、[放電]!〉

接近してくるスワンナに放電で迎え撃った。

〈うわっ、かわせない!〉
〈くっ、やっぱり技は痛いな。〉

技は相打ちになった。結果的にユウキは耐えたが、水、飛行タイプのスワンナは、大ダメージをうけて倒れた。
結果を確認すると、ユウキは元の姿に戻った。

「まあ、これが僕の秘密だよ。実はこのバンダナがないとコントロールできないんだけどね。」
「………凄い……ユウキ君、いろんな意味で凄いよ!」
「……受け入れてもらえてよかったー。」
〈本当にそうね。フウロは信頼出来そうだったから、あんまり心配してなかったけど。〉
〈そうだな。〉
〈性格良さそうだったしね〜。〉
「ユウキ君、いろいろ聞きたいことがあるんだけといいかな?」
「うん。」
〈いっそのこと全部話したらどう♪?〉
「そうだね。じゃあ、話すよ。………」

ユウキは自分のことについて話し始めた。

「………。これで以上かな。」
「へえー。いろんな事があったんだね。」
「うん。 あっ、もうこんな時間だ。」

バトルを終えたのは昼前だったが、既に空は赤くる染まっている。

「ほんとだ。話に夢中だったから全然気付かなかった。」
〈これからは話す時は、時間とか考えないとな。〉
〈そうだね♪〉

その後、雑談で盛り上がった。
こうしてユウキはフウロと[絆]を深めた。

  第6章 完

@ ( 2013/03/20(水) 02:38 )