第6章 真実の軌跡
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PM3:40 ヒウンシティー上空

五分前、ブラックはヒウンシティーに用事があるらしく、ユウキとは別れていた。曰く「せっかく近くを通ったんだから買い物に行ってくる。」だそうだ。そのため、近くにいるのはスワンナだけである。

〈ヒウンシティーなら品揃えいいもんね♪〉
〈うん。そうだね。〉
〈ねえ、ユウキ、コバルオンには[ホワイトストーン]の事報告したの♪?〉
〈あっ、そういえばまだだった!〉
〈ユウキにしては珍しいわね♪〉
〈うん。うっかりしてたよ。じゃあ、始めるね。〉

そう言いユウキは意識を集中させる。

(コバルオン、[リュウラセンの塔]に着いた?)
《はい。今着いたところです。》
(そっちの様子はどう?)
《今のところ何ともないです。尋常じゃないくらい寒いですけど。》
(そうだったね。そっちは雪積もってたね。)
《はい。 ユウキさん、連絡をくれたってことは何かあったんですね?》
(うん。いい知らせだよ。[ホワイトストーン]が見つかった。)
《本当ですか!?》
(うん。予想通り[古代の城]にあったよ。)
《やっぱりそうでしたか。で、今手元にあるんですか?》
(いいや、直接ブラックに渡したよ。)
《あの人にですか? なら安心ですね。》
(うん。そっちは今のところ何もないみたいだから、引き続き情報収集お願いね。)
《はい、了解です。では、失礼します。》

〈で、何て言ってた♪?〉
〈[リュウラセンの塔]は何の異常もないって。〉
〈なら安心だね♪。〉
〈うん。〉
〈ところでユウキ、行き先聞いてなかったけど、どこに行けばいいの♪〉

スワンナはユウキに聞いてみた。

〈じゃあ、フキヨセシティーに向かって。〉
〈うん!わかったよ♪〉

ユウキ達はフキヨセシティーに向かった。

………

PM4:00 電気石の洞穴付近 上空

〈そろそろだね。〉
〈うん♪。昨日は着いてすぐにシッポウシティーに向かったもんね♪。〉
〈うん。  ん?何か飛んでくるけど、あれ何だろう?〉

ユウキ達の位置からだと、ちょうど東側から赤い物体(?)が飛んできた。

〈あれって飛行機じゃあないかしら♪?〉
〈………そうかもね。あそこにあるのは滑走路みたいだし。〉
〈にしては小さいわね。旅客機じゃあなさそうね♪〉

話している間にかなり接近してきていた。

「あら?このスワンナ、この辺では見かけない子みたい。見たことない可愛いポケモンつれてるけど。」
〈………可愛いって僕のことかな………〉
〈そうみたいね♪エーフィー達はボールの中だし。〉
〈うん。 とりあえず着いたみたいだし、降りようか。〉
〈そうね♪〉

スワンナは着陸するために高度を落とした。

………

PM4:40 フキヨセシティー

〈よし、みんな着いたよ!〉

ユウキはスワンナから降りて、持っていたバックのポケットからエーフィー達を順番に出した。

〈着いたみたいね。〉
〈やっぱりシッポウシティーからここは遠いな。〉
〈うん。そうだね〜。〉
〈これからどうする?〉

ユウキはエーフィー達に聞いてみた。

〈私は時間も中途半端だし、今日は特にしたいことはないかな。〉
〈俺もないな。〉
〈僕も〜。〉

エーフィー、コジョンド、ジャローダはそれぞれ答えた。

〈ウチはさっきの人が気になるな♪〉
〈ああ、さっきの人?〉
〈うん♪。〉
〈じゃあ、滑走路に行くのはどうだ?飛行機に乗っていたみたいだし。〉
〈そうね。じゃあ行きましょ!〉
〈〈うん。〉〉

ユウキ達は赤い飛行機が着陸したと思われる滑走路に向かった。

5分後 滑走路

「ここだね。」
〈うん。結構広いわね。〉
〈そうだね♪ あっ、あれじゃあないかしら♪〉

スワンナはさっき見かけたセスナ機を発見した。この時既に元の姿に戻っている。

〈まだ何か作業しているみたいだから、着陸してそんなに経っていないんじゃあないか?〉
〈きっとそうだね〜。これから暇だし、そこに行ってみようよ〜。〉
「うん。そうだね。」

ユウキ達はセスナ機の整備をしている少女:ユウキと同じぐらいの年だろうか…:に話しかけた。

「すみませーん。」
「えっ、はい?あっ、この子さっきのスワンナだ。どうりで見たことないわけだ。」
〈この人、ユウキと同じぐらいの年じゃあないかしら?〉
「この子は僕の仲間です。はじめまして、ユウキと言います。」
「そうだったんだね。私はフウロよ、よろしくね。あと、普通にタメ口でいいよ、みた感じ同年代だし!」
「ああ、うん。そうだね。」
〈この人結構おしゃべりだな〜。〉
「あと私、これでもここのジムリーダーなの。まだ新米だけどね。」
「えっ、そうなの!?」
「うん。もしよかったら明日ジムにきて!ユウキ君のポケモン、強そうだし。」
「そうさせてもらうよ。ちょうど僕達ジムを巡って旅してるから。」
「そうなんだー。じゃあ明日、待ってるよ!」
「うん、明日!」

ユウキは滑走路をあとにし、ポケモンセンターに向かった。

………

PM7:00 ポケモンセンター

〈結構明るい感じの人だったわね。〉
「うん。フウロとは気が合いそうだなー。」
〈俺達と話している時みたいに打ち解けていたしな。〉
〈そうだね〜。結構いい感じの人だったね〜。〉
「ブラック達みたいに仲良くなれそうだなー。」
〈まさかユウキ、一目惚れしたの♪?〉
「いやいや、そういうのじゃあないよ。ただ馴染みやすいひとだなー、って思っただけだよ。」
〈じゃあ、明日が楽しみね。〉
「〈うん。」♪〉

この後、夜遅くまで雑談で盛り上がった。

@ ( 2013/03/19(火) 00:49 )