第5章 伝説との遭遇
25
AM8:00 ポケモンセンター

「ヤバい、寝過ごした!」

この日ユウキは珍しく寝坊した。既に全員起きている。

〈ユウキが最後って珍しいね〜〉
〈昨日はいろいろあったから、仕方ないよねー♪〉
〈そうだな。〉〈たまにはいいんじゃあないかしら?〉
「ありがとう。じゃあ、朝食にしよっか。」
〈〈うん!〉♪〉〈ええ。〉〈ああ。〉
「昨日買っておいてよかった。」
〈えっ?いつの間に!?〉
「みんなを回復させている間にふらっとね。閉店前だったから、焦ったけど。」

そう言い、朝食を取り始めた。

《ユウキさん、聞こえますか?》
(!! コバルオン、聞こえるよ。)
〈ん?ユウキ、どうした?〉
「コバルオンから連絡がきた。」
《ユウキさん、これから会えますか?》
(うん、大丈夫だよ。で、今どこにいるの?)
《僕は今タワーオブヘブンの近くです。》
「タワーオブヘブンかー……」
〈ユウキ、タワーオブヘブンがどうしたの〜?〉
「コバルオンは今その近くにいるんだって。」
〈ちょっと遠いわね♪〉
《ユウキさんはどこにいるんですか?》
(僕はまだホドモエシティーだよ。)
《そうですか。なら電気石の洞穴で待ち合わせるのはどうですか?》
(そこならすぐに行けそうだよ。)
《ならそこで会いましょう。ではこれで失礼します。》
(うん、また後で。)
〈……終わったみたいね。〉
〈で、どこにいくの〜?〉
「電気石の洞穴で待ち合わせることになったんだ。」
〈結構近くだね♪〉
〈そこならすぐに行けるな。〉
〈じゃあ、いきましょ!〉
「〈うん!〉」

ユウキ達は朝食を終え、ポケモンセンターを後にした。

………

AM9:30 電気石の洞穴入り口

〈着いたな。〉
「僕、結構気に入ってるんだよね。」
〈ウチはちょっと………。〉
〈スワンナは水タイプだからね〜。〉

ユウキ達は待ち合わせ場所に着いた。

(コバルオン、着いたよ。)
《着きましたか。ならB2Fにきてください。そこで待ってます。》
(わかったよ。)
「コバルオンは地下2階にいるって。」
〈じゃあ、いきましょ!〉
〈うん!でも電気はちょっと……。だから戻ってていい♪?〉
「うん。」

そう言い、スワンナをボールに戻した。

……

AM9:35 電気石の洞穴1F

「やっぱりここはいいなー。」
〈ユウキがここを気に入ってるのは、ユウキが電気タイプのポケモンになるからじゃあ、ないかしら?〉
〈そうだね〜。〉
「じゃあ、ここで変わろうか………」
「あら、ユウキ君久しぶりじゃない!」

洞窟に入るとすぐに懐かしい人物に再会した。

「アララギ博士、お久しぶりです。こんな所で何してるんですか?」
「ここに生息しているギアルの調査よ。」
「そうなんですか。」
「ところでユウキ君、ベルがどこにいるかわかるかしら?」
「ベルですか?ベルなら昨日ホドモエジムに挑戦するって言ってたんで、そこにいけば会えると思います。」
「ありがとう。助かったわ。旅楽しんでね♪」
「はい。博士もお元気で!」

そう言い、博士とわかれた。

〈危うく博士に知られるところだったわね。〉
「うん。本当に危なかったよ。」
〈入り口だとまた誰か来るかもしれないから、もう少し奥で変わったほうがいいんじゃあないか?〉
〈そうだね〜。鉢合わせしたらヤバいしね〜。〉
「うん。とりあえず奥に進もっか。」
〈ええ。〉

ユウキ達は洞窟の奥へと進んだ。

AM9:50 B1F

〈やっと下に降りれたわね。〉
〈この洞窟、結構長いからな。〉
「うん。コバルオンを待たせる訳にはいかないし、急ごっか。
〈そうだね〜。連絡きてから少し経ったしね〜。〉

ユウキ達は地下2階へと急いだ。

15分後 B2F

〈ここって案外広いんだね〜。〉
〈ああ。大きめの岩がいくつかあるだけの空間だからな。〉
「コバルオンはどこかに隠れてるみたいだね。」
〈誰かに見つかったら大騒ぎになるわね。〉
〈伝説のポケモンだからな。〉

地下2階はユウキ達の声を除いて静まり返っていた。

(コバルオン、着いたよ。)
《お待ちしておりました。》

コバルオンが姿を表した。

「万が一の事を考えて僕も姿変えるね。」
〈誰かに聞かれたらマズいからな。〉
〈そうね。そのほうがいいわね。〉
〈そうですね。〉

そう言い、ユウキはピカチュウの姿をイメージする。

〈………よし、終わった。〉
〈これで大丈夫だね〜。〉
〈はい。〉
〈コバルオン、昨日聞き忘れたけど、[ホワイトストーン]って、見た目はどういう感じなの?〉
〈ええっと、一言で言うと白くてまるい球体です。シッポウシティーに行けば資料があると思います。〉
〈確かにあそこならありそうね。〉
〈広いしね〜。〉
〈わかったよ。ここを抜けたら行ってみるよ。情報ありがとう。〉
〈いいえ。で、僕から頼み事なんですが、ベルさんとチェレンさんにテラキオンとビリジオンに、会いに行くよう伝えて頂けますか?〉
〈うん。伝えておくよ。〉
〈ありがとうござい………〉

コバルオンがユウキにお礼を言おうとした時、

「………………」「…」「…」

〈!! 話し声が!〉
〈この状況マズいわね。〉
〈今からだと間に合わないかもしれません。〉
〈どうしよう〜。〉

誰かが地下2階に降りてきたようだ。

〈ユウキ、モンスターボールを使うのはどうだ?〉
〈モンスターボールですか……それならこの状況を凌げそうですね。コジョンドさんありがとうございます。ユウキさん、お願いします。〉
〈うん。いくよ。〉

そう言い、ユウキはコジョンドに持たせているバック(久しぶりの登場)から、からのボールを取り出し、ピカチュウの姿のままコバルオンにボールを投げた。

〈………コバルオン、本当に入っちゃったわね……。〉

ユウキはコバルオンを捕まえる(?)ことに成功した。

〈ふうー。危なかった。〉

そう言い、一応ボールをしまった。

「……俺達はここでいいのか?」
「たぶんここだと思う。」

〈!? あれってプラズマ団か?〉
〈みたいだね〜。〉
〈本当に危機一髪だったわね。〉

話し声の主はプラズマ団だった。

「ここでブラックとか言うガキを待ち伏せするんだろ?」
「それが今回の任務みたいだしな。」

〈狙いはブラックみたいね。〉
〈プラズマ団をどうにかしないと出れないと思うから、ブラックを待ったほうがいいんじゃあないかな〜?〉
〈そうだね。〉〈そうだな。〉
〈じゃあ、僕は一度物陰で元の姿に戻るよ。〉
〈そのほうがいいわね。〉
〈ああ。〉

そう言い、ユウキ達は物陰に隠れた。
今度は元の姿をイメージする。

「他にもいそうだし、ここのやつらは僕達で倒しておく?」
〈それいいわね。〉
〈ちょうどいい運動になるしね〜。〉
〈もしかすると敵(プラズマ団)の情報が手に入るかもしれないしな。〉
「よし、みんな、いくよ!」
〈ええ。〉〈うん!〉〈ああ。〉

ユウキは戦闘態勢に入った。

………

AM10:20 B2F

「くそっ、突然なんだよ!」
「しかも強い!」
「みんな、ありがとう。」
〈もちろんよ!〉
〈準備体操程度しかならなかったがな。〉
〈レベル低すぎて退屈だったけどね〜。〉

あっさり決着がついた。

「………ここにもいたか。」
〈あっ、ブラックがきたみたいよ。〉
「くそっ、覚えてろよー!」

そう言い、プラズマ団は敗走した。

「あれ?プラズマ団が逃げてく………。ユウキ君、君がやってくれたんだね。」
「うん。倒さないと進めそうになったからね。」
「そうなんだ。ありがとね。」
「どうも。せっかくだから一緒に行かない?」
「うん。ぜひ!」

ユウキ達はブラックと合流し、出口を目指した。

………

AM10:45 1F出口付近

「やっと出口だー。」
〈長かったね〜。〉
〈先輩、お疲れ様です!〉
〈さすがに数が多いと疲れるわね。〉
〈そうだな。〉

ここまで20人以上のプラズマ団(本編でのイベント含む)を倒した。

〈そろそろ2人を出してもいいんじゃあないかな〜。〉
〈そうね。ブラックが驚くと思うけど。〉
「そうだね。プラズマ団も引き上げたみたいだし、そろそろいいかな?」
「スワンナのこと?今日はみてないし。」
「うん。」

そう言い、2つのボールを取り出す。

「えっ、2つ?ほかに誰か仲間にしたの?」
「うん。説明が難しいけど。」

ユウキはスワンナとコバルオンを出した。

〈奴らは去ったみたいですね。〉
〈そうみたいだね♪〉

「えっ、このポケモンって…………。」

ユウキは図鑑を取り出し、コバルオンを認識した。

「…………伝説のポケモン?」
「うん。ちょっとした事情があって……。」
〈ユウキさん〉
「ん?どうしたの?」

コバルオンが話かけてきた。

〈この人、2人の英雄のうちの1人かもしれません。〉
「〈〈〈えっ!?〉〉それどういうこと?〉」
〈この人から[真実]を求める心が強く感じられます。〉
「えっ、ブラックに英雄の素質が!?」
〈ってことはレシラムがブラックに就くってことか?〉
〈その可能性が高いです。〉
「えっ、僕が何っていった?」
「なんでもない。 とにかく僕と一緒にきて!」
〈ユウキ?どこに行くつもりなの?〉

エーフィーが聞いた。

「シッポウシティーだよ。確信はないけど、きになることがあるんだ。」
〈シッポウシティーですか。僕も同行してもいいですか?その近くにビリジオンがいるので。〉
「うん。ブラック、飛行タイプのポケモンは持ってる?」
「うん、持ってるけど。」
「なら今からシッポウシティーに行くよ。手遅れにならないうちに。」
「ああ、うん、わかった。」
(手遅れって何のことだろう………)
「よし、じゃあ、スワンナ、お願い!」
〈うん!わかったわ♪〉

ユウキはコバルオを含む全員をボールにもどした。

「よし、僕も準備するか。」

そう言い、イメージする。

〈よし、じゃあ、スワンナお願い!〉
〈もちろん!まかせて♪〉
「じゃあ、僕も。アーケオス、お願い!」
〈僕の出番ですか?〉

ユウキ達はシッポウシティーに向けて飛び立った。


   第5章 完



@ ( 2013/03/13(水) 01:39 )