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PM5:15 コンテナ置き場
「ここか。」
「そうみたいだね。」
ユウキ達は冷凍コンテナ置き場に来ていた。既に日が傾いている。
〈ハアハア、ゼブライカ、速いわね。〉
〈さすがに疲れたな。〉
〈ねえ、ユウキ〜。〉
「何?ジャローダ?」
〈この中寒いから戻っていい〜?〉
「そうだったね。ジャローダは寒がりだったね。」
〈ここからはウチらに任せて♪〉
〈ゆっくり休んでな。〉
〈ありがと〜。そうさせてもらうよ〜。〉
そう言い、ジャローダはボールに戻って行った。
〈ユウキはどうするの?練習したぼうがいいんじゃあないかしら?〉
「そうだね。うん、やってみるよ。」
「ユウキ君、何か案があるの?」
「うん。まあ見てて。」
そう言い、ユウキはピカチュウになった姿をイメージした。
するとユウキの姿が歪み始めた。
「ユウキ君?大丈夫!?」
ユウキの歪みがおさまった。
〈…………できた。〉
〈ユウキ♪できたみたいだね!〉
「ユウキ君、コントロール出来るようになったんだ。」
〈初めてだけど上手くできたみたいだな。〉
〈うん。 [絆の証]はそのままみたい。〉
ユウキの左腕には青いバンダナ結ばれている。
〈そうみたいね。すごく似合ってるわよ!〉
〈エーフィー、ありがとね。〉
〈まさかポケモンになれる人がいたなんて………〉
ゼブライカはあまりのことに言葉を失っている。
〈驚くのもむりないな。〉
〈そうだね♪準備もできたし、いこ!〉
〈うん。〉〈ええ。〉〈ああ。〉
「準備できたみたいだね!ゼブライカ、ありがとう。」
〈おう!また呼んでくれ!〉
ブラックはゼブライカボールに戻した。
「じゃあ、行こう!」
〈〈うん!〉♪〉〈ええ。〉
〈ゼブライカ、かなりの熱血漢だな。〉
ユウキ達は凍てつくコンテナの中に入っていった。
………
PM5:30 冷凍コンテナ内
「〈寒い!〉」
ブラックとエーフィーは口を揃えて言った。
〈確かに寒いな。多分元の姿だと耐えられなかっただろうなー。〉
〈ねえ、ユウキ?〉
〈何?エーフィー?〉
〈ここって結構広いみたいだし、手分けして捜したぼうがいいんじゃあないかしら?〉
〈そうだな。その方が早く見つかるかもしれないしな。〉
〈〈うん!決まりだね。〉♪ じゃあウチはエーフィーと捜しだいな♪〉
〈うん!私もよ!〉
〈じゃあ僕はコジョンドと捜してみるよ。〉
〈よし、じゃあ、いくか。〉
〈〈〈うん!〉〉〉
ユウキ達は一度別れ、捜索を始めた。
………
PM5:35 冷凍コンテナ内sideエーフィー
〈エーフィー、二人きりになるのって久しぶりだね♪〉
〈ええ。一年半ぶりぐらいかしら。〉
〈そうだね♪〉
エーフィー、スワンナはユウキ達と別れ、コンテナの西側に来ている。
〈ねえ、スワンナ?〉
〈なに?〉
〈こんなに広いし、上から捜したほうがはやくないかな?〉
〈それいいわね♪さっそくウチに乗って♪〉
〈ありがとう。じゃあ、さっそく乗るね!〉
スワンナはエーフィーを乗せて飛び上がった。
〈やっぱり広いわね。〉
〈うん!飛んでみて正解だったわね♪〉
〈これならはやく見つかりそうね。〉
〈うん♪! まずは西側を捜してみよっか♪〉
〈そうね。一カ所ずつみていこっか。〉
〈うん!〉
コンテナの天井付近にエーフィー達の楽しそうな声が響いていた。
………
PM5:35 sideユウキ
〈エーフィー達は西側に行ったし、僕達は東側から捜してみよっか。〉
〈そうだな。そのほうが効率がいいしな。〉
〈うん。それにしても寒いね。〉
〈そうだな。この寒さだときっとジャローダは耐えられなかっただろうな。〉
〈そうだね。きっと冬眠始めてただろうね。〉
〈そうだな。〉
〈〈ハハハハ。〉〉
冗談混じりに言って耐えられず笑っている。
〈あっ、あれってスワンナ達じゃあ、ないか?〉
〈そうみたいだね。上から捜すなんて考えたね。〉
〈俺達も頑張らないとな。〉
〈うん!〉
ユウキとコジョンドは捜索を再開した。
………
PM5:45 sideブラック
ブラックはユウキ達と別れ、中央部を捜索していた。
「ユウキ君達も頑張ってるし、僕も頑張らないとな。 にしても誰もいないなー。」
中央部は静まり返っている。
「とりあえず奥に行ってみようかな。」
ブラックはさらに奥に向かった。
5分後
「………」「……」
(!? 今話し声がしたような……気のせいかな………)
ブラックはさらに奥に進む。
「…なんでこんなに寒いところにいないといけないんだ?」
「仕方ないだろ。ここしか隠れる場所がなかったんだから。」
(!?やっぱり誰かいる! やっぱりプラズマ団か。やっと見つけた。)
「プラズマ団!!そこで何をしている!」
「!! クソっ、見つかったか!」
「なら潰すまでだ!」
ブラックはプラズマ誰との戦闘を始めた。
………
PM5:50 sideユウキ
〈なあ、ユウキ?〉
〈コジョンド、どうしたの?〉
〈さっきから向こうのほうで物音がしないか?〉
〈………本当だ。どっちかが見つけたみたいだね。〉
〈そうみたいだな。行ってみよう!〉
〈うん!〉
ユウキとコジョンドは物音のするほうに向かった。
1分後 中央部
「強い。」
「はやく報告しないと!」
「まて、逃げるのか!?」
〈ブラック、見つけたみたいだね。〉
「ユウキ君、きてくれたんだ。プラズマ団は奥に逃げたから追いかけよう!」
「うん!」〈ああ。〉
ユウキとコジョンドはブラックと合流し、プラズマ団を追いかけた。
………
PM5:50sideエーフィー
〈スワンナ?〉
〈なに?〉
スワンナとエーフィーは空中から捜索していた。
〈奥のほうに誰かいるみたいよ。〉
〈本当だ♪ あれってプラズマ団じゃあないかしら♪?〉
〈そうね。 後ろに何かの入り口があるわよ!〉
〈きっとあそこにたくさんいるはずたね♪〉
〈うん。きっとそうよ!いきましょ!〉
〈うん♪飛ばすわよ!〉
〈お願いね。〉
スワンナは標的を見つけて加速した。
2分後
「!! 何だ!?あのポケモンは!?」
「こっちにくるぞ!」
見張り(?)の団員は臨戦態勢に入った。
〈覚悟しなさい![冷凍ビーム]!〉〈[シャドーボール]!〉
エーフィーとスワンナは問答無用で見張りを狙う。
声を発する前に見張りは気絶した。
〈第一段階クリアだね♪〉
〈うん!スワンナ、ちょっと[めいそう]させて!〉
〈わかったわ♪戦闘に備えるのね!〉
〈うん!ありがとう。………………〉
エーフィーはめいそうを始めた。
1分後
「〈ここが一番奥みたいだな。〉」
〈みたいだね。 でも、見張りかな?気絶している……。〉
〈エーフィー達はもう着いたみたいだな。〉
〈派手にやったなー、2人とも。〉
「ユウキ君、この中が最後だね。行ってみよう!」
〈うん!〉
ユウキ達は一分前にエーフィー達が入っていった小部屋に入った。
合流
〈くっ、さすがに多いわね。〉
〈ウチらだけじゃあきついかも……〉
エーフィーとスワンナは数で押されていた。
「このポケモン強い……」
「でも、数で押せば勝てる!」
〈〈エーフィー、スワンナ、大丈夫〉か。〉
〈〈ユウキ、コジョンド、きてくれたのね!〉♪〉
「やっぱりここにいたか、ゼブライカ、出番だ!」
〈やっと出番だ!待ちくたびれたぞ!〉
(ブラックはゼブライカか。よし!)
〈エーフィー、スワンナ、コジョンド、ちょっと下がってて!〉
〈ああ。〉〈うん!いいよ♪〉
〈その様子だと、何か作戦があるのね。〉
〈うん!ゼブライカ、ちょっといい?〉
〈えっ!?俺?〉
〈うん。少しだけ僕の技を受けてくれる?〉
〈えっ!?何故だ!?〉
〈作戦よ♪ユウキを信じて!〉
〈えっ!?うん、いいけ………〉
〈よし、[10万ボルト]!〉
ユウキはゼブライカが言い終える前にゼブライカに技を当てた。
〈〈そういうことか!〉〉
「ここにきて仲間割れか?」
「ユウキ君、ありがとう。ゼブライカ、[放電]!」
〈よし、じゃあ、いくか。 いつもよりはやく動ける!これならいける!〉
〈みんな僕達も行くよ!〉
〈うん♪〉〈ええ。〉〈ああ、もちろんだ!〉
〈[絆]の力を魅せるよ![放電]!〉
〈[波乗り]♪!〉〈[サイコキネンシス]!〉〈[飛び膝蹴り]!〉
それぞれが思うように戦った。
20分後
〈ふうー。やっと片付いたな。〉
〈うん。あー疲れた。〉
時間がかかったが、敵を全滅させた。
「〈終わったー。〉」
「おやおや、これはひどくやられましたね。」
「〈ゲーチス!!〉」
突然ゲーチスが現れた。
「ブラック、またあなたですか。ここで始末したいところですか、時間に免じて見逃しましょう。」
「!!お前たちの目的は何なんだ!」
「伝説のポケモン、ゼクロムを使い、世界を変える、とだけ言っておきましょうか。」
「〈伝説のポケモン!?〉」
〈ゼクロム……こいつらは絶対に英雄には相応しくない!〉
〈もしそうなったら大変な事になるわね!〉
〈絶対にとめないと♪!〉〈させるものか!〉
「ゲーチス、それはどういう……」
気がついた時にはプラズマ団はいなくなっていた。
………
PM6:30コンテナ置き場
ユウキ達がコンテナから出てくる頃には既に日は沈んでいた。
ユウキは元の姿に戻っている。
「また逃がしたけどとりあえずみんなが無事でよかったよ。」
「そうだね。ところでユウキ君。」
「何?」
「左腕につけてるそれって何?」
「ああ、これ?ただのアクセサリーだよ。」
「へえー。」
「まあ、そういうこと。」
(とてもじゃないけど、言えないな。)
「じゃあ、もう暗いし、戻ろっか。」
「そうだね。」
ユウキ達はポケモンセンターに向かった。
………
PM8:25 ポケモンセンター
この日はユウキとブラックは別の部屋を取っている。
「あー、今日はいろいろあって疲れたなー。」
〈そうね。〉
〈洞窟での事が随分昔に感じられるね♪〉
〈そうだな。〉〈そうだね〜。〉
予めエーフィー達を回復させてある。
「今日は疲れたし、早めに寝よっか。」
〈うん!〉
ユウキ達が寝る準備を始めた時、
《ユウキさん、聞こえますか?》
「!!この声は、コバルオン!?」
〈〈〈〈えっ!?コバルオン〉〉〉〉
「こうやって意志疎通するんだ…」
《よかった。聞こえてるみたいですね。》
(で、どうしたの?)
《今からテラキオンとビリジオンに会いに行こうと思いまして。》
(そうなんだ。そうだ。いくつか伝えておきたい事があるんだ。)
《えっ、なんですか?》
(最近プラズマ団っていうコスプレした集団がうろついているから、きをつけて。なにをするかわからない集団だから。)
《はい、わかりました。》
(あと、ゼクロムが狙われている。)
《えっ、ゼクロムが……。)
(そう。狙ってるのもそのプラズマ団だよ。)
《……いまはまだ大丈夫だと思います。》
(えっ、どうして?)
《今ゼクロムは[ブラックストーン]という状態になっていて、それがだれも入れない[リュウラセンの塔にあるんです。レシラム、今は同じく[ホワイトストーン]という状態ですが、その行方はわかっていませんが……》
(そうなんだ。でもしばらくは安全だね。もしよかったら[ホワイトストーン]の行方も調べてくれる?僕達も調べるから。)
《はい、わかりました。じゃあ、もう夜も遅いのでそろそろ失礼します。》
(うん。)
〈コバルオン、何て言ってたの〜?〉
「ええっと、………(説明中)………って言ってた。」
〈つまり、私達がするべき事は[ホワイトストーン]についての情報収集ってことね。〉
「うん。そういうこと。 今日はもう遅いし、明日にしよっか。〉
〈そうだね〜。〉〈そうね♪〉〈そうだな。〉
こうして夜は更けていった。