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PM3:30 ホドモエシティー市場
「すみません!遅れました!」
「「ハアハア」」
三人は水のジェルの入荷を頼まれているのを思い出し、急いで市場に戻ってきていた。三人共息が上がってる。
「いやいや、入荷してくれただけで十分だよ。しかもこんなにたくさん。」
「ありがとうございます。」
「私達、探すのに夢中になっちゃって………。」
「ついでに他のジェルも取ってきました。」
そう言い、ユウキは他のジェルが入った袋も渡した。
「わざわざありがとね。お礼と言っちゃあなんだけど、これを受け取ってくれるかな?」
「これは……[闇の石]ですか?」
「こんなに貴重な物をもらってもいいんですか?」
チェレン、ユウキの順に言った。
「これくらい安いもんだよ。」
「「ありがとうございます!」」
三人は闇の石を受け取り、市場をあとにした。
………
PM4:00 ホドモエシティー
「よし、用事も片付いたし、みんな出てきて!」
ユウキは走るためにエーフィー達をボールに戻していた。
〈無事に終わったみたいね。〉
「そうだね。 ユウキくんってポケモン達と話している時って、こんな感じだったんだ。」
「そうだね。僕も話せるようになって嬉しいかな。 少し制限がかかってるけど……」
「でもチェレン、話せる事自体凄い事じゃん!」
「うん。そうだよね。なんか実感わかないけど…」
〈今思ったんだが、伝説の事をあんまり言わないほうがいいんじゃあないか?〉
「そうだよね。」
ベルがこたえた。
〈ほとんど知られてないからね♪〉
「うん。」
今度はチェレンが答えた。
「ところで、話変わるけど、この後2人はどうするの?」
「僕はジム戦終わってるから今からでも出発するつもりです。」
〈チェレン、はやいね〜。もう勝ったんだ〜。〉
「まあね。ベルはどうするの?」
「私はもうちょっとしてから戦うつもりだよ。ダイゲンキ達とも話したいしね。」
〈せっかく話せるようになったんだからいいんじゃあないかしら。〉
「そうだね。ユウキくんは?」
「僕は今から挑戦するつもりだよ。」
〈やった、とうとう俺達の出番だな、スワンナ!〉
〈うん♪楽しみだわ♪。〉
一通り話し終えると三人はそれぞれの目的のためにわかれた。
………
PM4:15 ホドモエシティージム
「すみませーん、ジム戦お願いします!」
ユウキは呼びかけたが応答がない。
「あれ、いないのかなー。」
「チャレンジャーか。」
ユウキの後ろからウエスタン風の男性がやってきた。
「はい、ユウキと言います。出かけてたみたいですけど、何かしてたんですか?」
「ああ、街中をワケのわからんやつらがうろついていたから、跳ね橋に追い込んで閉じ込めてきたところだ。」
「そうなんですか。」
(多分ブラズマ団だろうな。)
「俺はこの後暇だからうけてやってもいいぞ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、ついてこい。」
「はい。」
(コジョンドと口調が似てる……。)
ユウキはジムリーダーのヤーコンに連れられて、ジムに入っていった。
二分後
「使用ポケモンは2体だ。ルールはわかっているな?」
「はい。お願いします!」
「では、いくぞ、ガントル!」
〈今日は挑戦者が多いなー。〉
「やっぱり岩タイプか。よし、お願い、スワンナ!」
〈この時をまってたわ♪〉
「そういえばスワンナはジム戦初めてだったね。」
〈うん♪ユウキ、楽しくいこ!」
「俺からいくぞ、[ステルスロック]!」
〈様子見だな。〉
ガントルはスワンナの足下に岩の破片を撒き散らした。
「タネをしこむのが好きなんですね。スワンナ、[アクアリング]から[波乗り]!」
〈うん♪〉
スワンナは水のベールをまとって大量の水をだした。
〈うっ!〉
ガントルは大量の水に押し流された。
「スワンナ、そのまま飛び上がって!」
〈うん♪わかったよ。〉
「逃がすな![撃ち落とす]」
〈うん、わかった。〉
「〈えっ!?〉」
意表をついた攻撃だったので、技はスワンナに命中した。
〈うっ、さすがに岩タイプはきついわね。〉
「そのまま[地ならし]だ!」
「うん。」
((ヤバい、やられる。)♪)
「スワンナ[波乗り]でフィールドを水で満たして技をしのぐんだ!」
〈!? うん。わかったわ♪時間がかかるけどやってみるわ。」
スワンナは再び水をだし、なんとか技の威力を軽減させた。
〈ふう……危なかったわ♪〉
「なかなかやるな。」
スワンナもガントルも倒れそうだ。
バトルフィールドは少し低いところにあるため、30cmぐらい水で満たされている。スワンナは水面に浮かんでいる。
「スワンナ、一気にいくよ。[冷凍ビーム]!」
〈うん…。わかった…わ♪〉
水で身動きが取れないガントルに命中した。
「いい作戦じゃあないか。だが次はそうはいかないぞ!ドリュウズ!」
〈俺の出番だな。〉
「スワンナ、まだいける?」
〈うん…なんとか……。〉
「よし、あと少し頑張って!」
〈うん♪……。〉
「飛び上がって水面に[冷凍ビーム]!」
〈うん…〉
スワンナはなんとか飛び上がり、水面を凍らせた。
「スワンナ、ありがとう。ゆっくり休んでて。」
〈うん…。そうさせてもらうわ……♪。〉
「ここで交代か。」
「はい。コジョンド、頼む!」
〈もちろんだ、ユウ……痛っ!〉
コジョンドの足に岩が食い込んだ。
「ドリュウズ、[岩なだれ]だ!」
〈おう!〉
ドリュウズはコジョンドの頭上に複数の岩を出現させた。
「コジョンド、くるよ![マッハパンチ]で迎え討って!」
〈ああ、もちろんだ!〉
コジョンドは軽い動きで技を命中させた。
〈うっ。〉
「ドリュウズ、[地震]!!」
〈おう!〉
「コジョンド、[飛び跳ねる]でかわして!」
〈ああ。ユウキ、降下する時に[飛び膝蹴り」をしようと思ってるんだが、いいか?〉
「うん。任せるよ!」
〈えっ!?〉
「まさか格闘タイプに地震をかわされるとはな。」
「飛行タイプとかだしか地面タイプの技をかわせないとは限らないですよ!」
「お前は今までにないタイプだな。[撃ち落とす]で迎え討て!」
「コジョンド、作戦どうりいくよ!」
〈もちろんだ!〉〈ああ、これでトドメだ!〉
ドリュウズが打ち出した岩は、コジョンドの蹴りによって砕かれた。
「〈何!?〉」
そのままドリュウズに命中した。
〈クソっ、やられ…た。〉
ドリュウズは倒れた。
「俺のドリュウズがあっさりやられるとはな。」
「いやいや、[地震]をされた時は正直やられると思いましたよ。」
「俺もここまであっさりやられると清々しいぞ。戦勝祝いの酒でも呑んでいけ!」
ヤーコンはかなり上機嫌だ。
「ヤーコンさん、僕はまだ未成年です。」
「そうかたいこと言わずに呑んでいけよ!」
「いやー、そういう訳には………」
ユウキが酒を勧められている時、
♪♪♪
ヤーコンのライブキャスターがなった。
《ヤーコン、跳ね橋を下ろてくれないかしら。》
「カミツレか。今ワケわからん連中を閉じ込めて…」
《そこをなんとかお願い。渡りたいって言ってる子は私にも勝った実力者だから、お
願い!》
相手はカミツレのようだ。
「さっき閉じ込めたって言ってたやつですか?」
「そうだが……」
《あら、ユウキ君もいるのね。なら安心ね。》
「カミツレがそこまで言うならしかたがない。待ってろ。今いく。」
そう言い残し、ヤーコンは跳ね橋に向かった。
………
PM5:00 ホドモエシティー
〈カミツレさんに勝ったっていう人って、どんな人なのかしら。〉
〈きっと強いと思うよ〜。〉
ユウキはスワンナ達を回復させて、いまは外にいる。
「………言ってたことはそういうことか。ゼブライカ、僕を乗せて追いかけて!」
〈おう、俺に任せな!〉
ゼブライカに乗った青年がこちらに向かってきた。
〈ねえ、ユウキ♪実力者ってブラックの事じゃあないかしら?〉
「ほんとだ。そういえばブラックはシママを持ってたっけ。」
「あっ、ユウキ君、ちょうど良かった。ちょっと手伝ってくれる?」
「うん。全部ヤーコンさんから聞いてるよ。」
「よかったー。冷凍コンテナに向かったみたいなんだ。来てくれる?」
「もちろん!」〈もちろんだ!〉
「ありがとう。じゃあ、来て!」
ユウキはブラックに連れられて、街の南部にあるコンテナ置き場に向かった。