AM11：45　ヒウンシティージム

「あとはユウキ君だけだね。」

ユウキ達は３人揃ってジムに来ていた。ブラックとベルは既に白星を飾っている。

「うん。ブラック達もいい試合してたよ。」　
「じゃあ、準備も出来たし、始めようか。」
「はい。お願いします。」
「ユウキ君はどんなポケモンを使うんだい？」
「僕はまず、この子です、スワンナ！」
〈そういえばここは虫タイプのジムだったわね♪〉
「いきなり弱点ついてきたね。ならぼくはホイーガでいくよ！」
〈……よろしく。〉
〈あら、大人しいのね♪〉

両者ともポケモンを出し、３回目のジム戦が始まった。

「じゃあ、ぼくからいくよ！糸をはく」
〈……わかった。〉
「スワンナ、来るよ！かわして！」
〈ええ♪〉

スワンナは自慢の素早さで容易くかわす。

〈この位何ともないわ♪ユウキ！私達もいくわよ！〉
「うん。まずは波乗りでフィールドを水で満たして！」
〈もちろん♪この戦い方久しぶりだわ♪〉

スワンナは大量の水を出した。

「フィールドを自分で作るタイプなんだね。面白い、画になるよ！　ホイーガ、[虫食い]！」
〈……うん。〉
「スワンナ、浮上して！」
〈ええ♪この後は[冷凍ビーム]だね♪〉
「うん！[冷凍ビーム]！」
「そんなに高い所からだと当たらないよ。かわすんだ！」

ホイーガは攻撃をかわした。

「もう一度[冷凍ビーム]！
「何回やっても同じだよ！」

また攻撃は外れた。
フィールドの一部が凍りついた。

「よし！これくらいでいいかな、スワンナ、[アクアリング]！」
〈万が一の時の保険だね♪〉

スワンナは水のベールをまとった。

「スワンナ急降下しつつ攻撃だ！」
〈もちろんそのつもりよ♪　いくわよ！〉
「！！速い！」

重力加速度が加わり、スワンナを目視する事が出来ないくらい加速していた。

〈私はみんなみたいな威力はないけど、スピードは誰にも負けないわ！〉

スワンナはユウキのポケモン一の素早さを持っている。

攻撃は命中し、ホイーガは戦闘不能となった。

「！？一発でやられるなんて……。こうなったら最後のポケモン、ハハコモリ！！」
〈私の出番ね〜。〉

アーティーはハハコモリを出した。

〈この人のポケモンはみんなのんびりしているわね♪〉
「スワンナ、もう一度[冷凍ビーム]！」
「同じことしかしないんだね。ハハコモリ、[虫のさざめき]！」
〈アーティ〜、わかったよ。〉

ハハコモリは技をかわし、攻撃した。

「かわして！」
〈ええ♪〉

スワンナは華麗にかわす。
その場所に氷のオブジェがいくつか出来上がった。

「美しいねー。」
「アーティーさん、見とれている場合ですか！？　スワンナ、そろそろ交代して！」
〈ええ♪フィールドが出来上がったもんね♪〉
「うん、ありがとう。」

ユウキはスワンナをボールに戻す。

「コジョンド、あとはお願い！」
〈作戦どうりだな。〉
「わざわざ有利なポケモンを代えるなんてかわってるね。」
「これも作戦ですよ。コジョンド、[マッハパンチ]！」
〈ああ。〉

コジョンドは見事に技を命中させた。

〈うっ！〉
「コジョンド、一度距離を置いて」
「ハハコモリ、[リーフブレードで追撃だ。」
〈ああ。〉〈わかったわ〜。〉

両者ともほぼ同時に指示を出した。

（よし、作戦どうりだ。）
「コジョンド、地面の氷を叩き割って！」
〈ああ、ウラッ！〉
〈！？〉

不意をついた攻撃だったので、ハハコモリは氷の破片をかわすことが出来なかった。

「この為の氷だったのか！ハハコモリ、飛び上がるんだ！」
〈わかったわ〜。〉

ハハコモリは飛び上がった。

「コジョンド、氷を伝って追撃だ！」
〈もちろんだ！ユウキ！〉

コジョンドは三角跳びでおいかけた。
空中戦が展開されている。

「運動能力も高いようだね。ハハコモリ、[リーフブレード]！」
「[飛び膝蹴り]で迎え撃つんだ！」
〈ああ。　くらえ！！〉
〈私の攻撃をくらいなさい！〉

ドスッ！

技は相打ちとなり、ハハコモリは下に、コジョンドは上に飛ばされた。

〈〈くっ。〉〉

（よし、この位置関係ならいける！)
「コジョンド、そのまま急降下して攻撃に備えて！」
〈次で決めるんだな！よし！〉

コジョンドは重力に身を任せた。

「ハハコモリ、至近距離で[リーフブレード]！」
〈もちろんよ！〉

ハハコモリは構えた。

「コジョンド、今だ！予備動作なしの[飛び跳ねる]！」
「何！？飛行タイプの技を使えるのか！？」
〈えっ！？〉
〈これで終わりだ！〉

重力により加速された攻撃がハハコモリを捉えた。

バタッ。

ハハコモリ、戦闘不能。

「まさか飛行タイプの技を持っていたなんて……。まけたよ。」

ユウキの３回目のジム戦はユウキの圧勝で終わった。

………

PM0：20　ヒウンシティー中央通り

「やっぱりユウキくんは凄いよ！」
「[冷凍ビーム]を乱射してたから心配になったけど、あれも作戦だったんだね！」
「うん。あれは前回の旅でダブルバトルの時によくやってた戦法なんだ。」
「そうなんだー。技で出来た氷にもあんな使い方があるんだね。」
「そうだよ。君達も自分の連携技を考えてみるといいよ！」
「はい！」
「はい！　あっ、そういえば氷で思い出したけどユウキくん、ブラック、ここのアイスクリームおいしいんだって！」
「「そうなの？」」
「うん。あと、ポケモンも食べれるみたいだよ。」
「じゃあ、みんなにも買ってこっか！」
「「うん！」」

三人は仲良く話しながら行列に並んだ。


　　　第3章　完