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AM9:00 ヒウンシティー 港
昨日の大規模な停電はユウキ達の活躍により、1日で復旧した。
〈人の役に立つのってやっぱりいいよね〜。〉
〈うん♪ にしても疲れがまだ残ってるわ。翼が筋肉痛で……。〉
〈無理するからよ。スワンナらしかったから安心したけど。〉
〈そうだな。 でもあの停電は誰が起こしたんだろうな。〉
〈うん。謎だけど、解決したし、気にすることはないんじゃあないかな?〉
〈そうね。気にしても始まらないわね。〉
朝から昨日の事について議論していた。
「……ハア、本当にどこにいったんだ?」
〈本当に心配ですね。あの人(ポケモン)、結構臆病ですからね……〉
〈なあ、ユウキ、あれってブラックとジャノビーじゃないか?〉
ブラックは慌てた様子で何かを捜しているようだ。
〈本当だ〜。〉
〈慌ててるみたいだけど、何かあったのかな?〉
〈みたいだな。あそこまで慌ててるのを見たことないし………。〉
「あっ、ユウキ君。ちょうどよかった。」
ポケモンの姿でもユウキを見つけるのは簡単なようだ。当の本人はなぜか気付いていなが。
〈ジャローダ先輩、お久しぶりです!ユウキさん、大変な事がおきたんです。〉
「ユウキ君、手短に説明するよ。」
ジャノビーとブラックが言うのはほぼ同時だった。
〈えっ!? まあとりあえず落ち着け!〉
〈すみません、取り乱しました。〉
〈ジャノビーは相変わらず礼儀正しいのね。〉
「ジャノビー君のほうが意志疎通し易いから、説明お願い!」
〈ブラックさん。わかりました! 実はさっきベルさんのポケモン、ムンナなんですけど……、何者かにさらわれたみたいなんです。〉
〈〈〈〈〈〈えっ!?さらわれた!?〉〉〉〉〉
ユウキ達の声が揃った。こういう場合、だれでも声が揃う。
〈何だって!? 許さない、僕の知り合いのポケモンをさらうなんて、許さない!〉
〈ジャローダ!まて!一人で行くな!〉
頭に血が昇ったのか、コジョンドの声が届いていない。
〈ユウキ、俺、ジャローダを追いかけるよ。〉
〈うん!お願い!〉
コジョンドはそう言うとジャローダを追いかけていった。
〈………ジャローダってあそこまで変わるんだ♪………〉
ジャローダの変わりようにスワンナは言葉を失っている。
〈先輩、行っちゃった……。〉
ジャノビーも同じみたいだ。
「ユウキ君、お願い!」
〈うん!もちろん。〉
頷いて意志を伝えた。
「ありがとう。」
〈ありがとうございます!〉
〈ウチ、あなた達に会うのは初めてだけど、ユウキと仲がいいみたいだし、ウチも協力するわ♪〉
〈私もよ。ベルやブラックの事なら尚更協力するわ!〉
〈皆さん、本当にありがとうございます!〉
ユウキ達(ユウキ ユウキの♀ポケモン)とブラック、ジャノビーは捜索をはじめた。
………
AM9:35ヒウンシティーメインストリート西方 Sideユウキ
〈どうやらさらわれたのは僕達だけじやないみたいですね。〉
〈そうみたいね。〉
〈他の人達もそれぞれのポケモン捜しているみたいだしね。〉
〈そうね♪でも、2日連続で事件が発生するなんて……〉
〈何か関係がありそうね。〉
〈エーフィーさん、昨日は何かあったんですか?〉
〈その様子だと今日着いたばかりみたいね。〉
〈はい。〉
〈昨日だれかが意図的に起こした停電があったんだ。〉
ユウキはジャノビーに言いながらメモ帳に書き、ブラックにも伝えた。
「そんなことが……」
〈そんなことがあったんですね……〉
〈ええ♪ウチらはその事と今日の事、何か関係があるとおもうの♪〉
〈確かに何か関係がありそうですね。〉
「みんな、取り返しのつかない事になる前に犯人を見つけだそう!」
〈〈〈〈うん!〉〉〉〉
ユウキ達は再び捜索をはじめた。
………
AM10:30 ヒウンシティー噴水広場(噴水がある広い場所)
〈本当にどこにいったんだ?〉
「またプラズマ団か!あいつ等はなんでこんな事しかしないんだ?」
あれから一時間捜したが、犯人の情報を掴んだだけで見つける事が出来ずにいた。
〈困ったわね。コジョンド達の事も心配だし……〉
〈コジョンド達はきっと大丈夫よ♪2人は簡単に捕まるほど弱くないわ♪〉
〈スワンナ、ありがとう。そう言ってくれると安心するわ。〉
「結構時間経ったから一回ベルに連絡とらないと……」
ブラックはライブキャスターをベルにつないだ。
「ベル!そっちはどう?僕達はまだ……」
《私達もまだ見つからなくて……。でも強力な助っ人に協力してもらってるの。》
「えっ、そうなの?」
《うん。アーティーさんとユウキくんのジャローダとコジョンドに協力してもらってるの。》
〈えっ、コジョンド達がいるの?〉
〈よかったわー。〉
〈ならむこうは安心だね♪〉
「そうなんだ。じゃあちいど合流しよっか。ベル達はどこにいるの?」
《私達はポケモンセンターの前よ。》
「ポケモンセンターの前か……なら港に来て!」
《うん。わかったわ。じゃあ、そこで!》
「うん。じゃあ、切るね。」
ブラック達は港に向かった。