第3章 新たな仲間と摩天楼の攻防
14
AM9:45 ヒウンシティー

スワンナはひとけのない路地裏に降り立った。

〈この辺ならいいかな。みんな、お待たせ。〉

ユウキは一体ずつボールからだした。

〈時間かかってたけど、何かあったのか?〉
〈さすがコジョンドね♪〉
〈そこで火事があったんだ。 あくまで推測だけど……〉
〈なら、まずは情報収集だな。〉
〈そうね。じゃあ、手分けして調べよっか。〉
〈うん。〉
〈そうだね〜。〉
〈じゃあ、一時間後にここで集合だね。〉
〈〈うん。〉〉
〈ああ。〉
〈ええ。〉

5匹はそれぞれ散っていった。

………

AM10:45 ヒウンシティー路地裏

〈………整理すると、煙が上がっている建物はこの街の発電所で、9時ぐらいに爆発音がしたってことであってる?〉
〈ああ。〉
〈うん♪あってるよ〉
〈で、それより少し前に怪しい人影を発電所の近くで見た人(ポケモン)が何人かいて、そのひとが出てきた何分かあとに爆発した、ってことよね?〉
〈うん。〉
〈そうだよ〜。〉

今はエーフィーがこの場を仕切っている。

〈要するに、計画的な犯行ということだな。〉

ここでコジョンドが推理する。

〈時間が経ってるし、この辺に犯人がいる可能性は低いね〜。〉
〈うん。だから僕達は発電所のほうに行くべきだね。〉
〈まだ煙が上がってるから、消火出来ていないみたいだしね♪〉
〈言い忘れたけど、今ここには運悪く水タイプの技を使えるポケモンがいないみたいよ。〉
〈こんなに広いのにか?〉
〈ええ。〉
〈なら、なおさら行かないといけないね〜。〉
〈うん。急ごう!〉

最後にユウキが結論を出して、5匹揃って発電所に向かった。

………

AM10:50 発電所前

「くそっ、水タイプのポケモンはまだか!」
「先輩、もう少し待って下さい。ライモンシティーから応援が来るはずですから!」

2人の作業員が慌てた様子ではなしあってる。

「アーティーさんのポケモンでどうにかならないんですか?」
「僕じゃあ無理だよ。僕のポケモンはみんな虫タイプだし………。」

遅れて駆けつけたアーティーも困り果てていた。

「どうしょう……。あっ、そこのポケモン達、ここは危ないよ!」

アーティーは5匹のポケモンが向かってくるのに気がついた。
その5匹はもちろんユウキ達だ。

(ここは説得が必要だな。よし、ここは筆談でいこう。)

ユウキは走りながらメモ帳に何かを書き始めた。

「ここからは危ない…ん?何か持ってる。{僕達に協力させてください。}………(……!!スワンナがいる。うん、よし。)きみは字が書けるなんて、賢いんだね。よし、わかったよ。」

アーティーは承諾した。

〈やった。よし、みんないくよ!〉
〈〈うん。〉〉
〈ええ。〉
〈ああ。〉
「どうやら黄色いきみがリーダーみたいだね。ついてきて。」
「アーティーさん、応援はどうするんですか?まだ着いていないですよ!」
「きみたちは気づかないのかい?スワンナは水タイプだよ。」
「「!!そうか!」」

アーティーに悟された作業員は慌ててついていった。


AM11:00 発電所内

「こんな所まで炎がまわってる………」
〈よし、ジャローダは下がってて。スワンナは波乗りでできるだけ沢山の水を出して、エーフィーはサイコキネンシスで水をコントロールして!〉
〈じゃあ、下がらせてもらうよ〜。〉
〈ええ。〉
〈わかったわ♪ウチらに任せて!〉

スワンナは大量の水を出した。

「!!これなら応援が無くてもいけるかも!」

そこでエーフィーが水を操る。すると、周辺の炎は消火された。

〈エーフィー、そのまま維持して!〉
〈ええ。〉
〈コジョンドは瓦礫を破壊して!〉
〈ああ。いい準備運動だ。〉
「こいつら、かなりレベル高いな。」
「息もかなりあってる………。」
「トレーナーがどこかで指示しているみたいだ……。」
(トレーナーならここにいるけどね……。)

ユウキ達の連携により、瞬く間に炎が消えていった。

………

AM11:30 発電所 発電機前

「これは酷い………」
「やっぱりここが元だったか。」

発電機は他の所とは比べものにならないくらい激しい炎が上がっていた。

〈凄い炎だ。〉
〈エーフィー、スワンナ、ここもお願い!〉
〈〈もちろん!〉〉

再び消火活動に専念した。

〈もうすぐ消えそうだね〜。僕も何かしたかったけど、草タイプだからな〜〜。〉
〈ジャローダ、たぶん君にはこのあとで協力してもらうことになると思うよ?〉
〈ユウキ、本当に〜?〉
〈うん。僕も指示するだけだったけど、電気タイプだから、これから必要になるとおもうし。〉
〈そうだね〜。〉

ユウキ達が話している間に炎は完全に消えていた。

………

PM2:25 発電所

ユウキ達の協力によって発電所の復旧は予想以上に早くすすんでいた。
消火活動であまり出番がなかったコジョンドとジャローダは機材の修理を手伝っている。
ジャローダは自分の蔓を使ってだが。

「よし、あとは電力を回復させるだけだな。」
〈やっと僕の出番だ。よし、10万ボルト!〉

ユウキは装置に向けて電撃を放った。

「アーティーさん、思った以上に早く復旧しそうですね。」
「うん。そうだね。」
「………やっぱりいつまでたってもこいつらのトレーナーが来ないな。ってことは野生か?」
「「えっ!?」」
「なら俺はこのエスパータイプのポケモンを捕まえる!名前知らないけどかわいいし。いけ!ドッコラー!」

作業員(後輩と思われる)の一人は突然エーフィーに勝負を仕掛けた。

〈無駄だと思うけど、いいわ。相手になるわよ!かかってきなさい!〉
〈えっ、無駄?どういうこと?〉

ボールから出てすぐにドッコラーはきいた。

〈私達はトレーナーのポケモンよ。〉
〈えっ、ってことは主人は勘違いしているってこと?〉
〈そうなるわね。〉
「ドッコラー、まずはかいりきだ。」
〈仕方ない、やるか。〉
〈本気でこないと勝負にならないわよ!〉

そう言うと、エーフィーは攻撃を華麗にかわした。

「早い!俺のポケモンじゃあ、かなわないか。こうなったら、一か八か、いけ!モンスターボール!」
〈〈だから無駄だって!〉〉

二匹の声が揃った。

パシっ
ボールはエーフィーに当たるが機能しなかった。

「「!! トレーナーのポケモンだっのか!?」」

作業員は声を揃えた。

「どうりで強いわけだ……」
〈やっとわかったのね……〉

エーフィーは作業員に呆れていた。

■筆者メッセージ
今回はオリジナルストーリーにしてみました。
@ ( 2013/03/04(月) 00:50 )