第2章 ランチと本と森林と
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AM10:35 博物館

激しい爆発音がしたのでユウキ達は急いで博物館に向かった。

「こ………これは………」
「何!?せっかく休館日を狙ったのに人がいたなんて………」
「だが我々が来るべき未来のためにこのドラゴンポケモンの化石はいただいた!」
「!!プラズマ団!?チェレンと懲らしめたはずなのに………」
「ばれちゃあしょうがない、撤退だ!」
「まちな!私の博物館で好き勝手………

ボン

プラズマ団はアロエの話を最後まで聞かず、煙幕を使って逃げ出した。

「とにかく後を追おう!」

………

AM10:37 博物館前

「くそっ。」
「逃げられたわね。私は追いたいけど、闘えないわ。」
「「なら、僕達が…」」
「アロエ姉さん、何かあったの?」

突然見知らぬ誰かがやってきた。

「アーティー、また行き詰まったのね。」
「いいや、今日は休暇だよ。 そういえば変な二人組がヤグルマの森に走っていくのを見たよ。」
「アーティー、この子達とそいつ等を追いかけて!」
「えっ、 いいよ。どうやら緊急事態みたいだね。」
「はい。そうなんです。手短に自己紹介すると、僕はユウキで、その2人はブラックとベルです。」
「「はい。じゃあ、早く行きましょう。」」

突然加わったアーティーとヤグルマの森に向かった。

………

AM10:45 ヤグルマの森

「はあはあ、道が二手に分かれてますね。」
「アーティーさん、ここはは二手にわかれたほうがいいですね。」
「そうだね。」

アーティーはどこかのんびりしている。大丈夫だろうか……(ユウキの感想)。

「ここは僕とベルちゃんで先回りして逃げ道を塞ぐから、ユウキくんとブラックくんで旧街道から追いかけて。」
「「「はい。わかりました。」」」

こうして4人は二手に分かれた。

………

AM10:55 ヤグルマの森 Sideユウキ

「旧街道って、ほぼ獣道じゃん!」
「うん。でも、とにかく先を急ごう。」
「うん!」

先を急いだ。

「とりあえず、ここはポケモンを出そっか。」
「うん。出てきて、エーフィー!」
「ジャノビーもお願い。」
〈ブラック、僕の出番?〉
〈私の出番ね。 君はブラックのパートナーのジャノビーね。〉
〈はい。お久しぶりです。〉

2人は再び走りだした。



「!! 行き止まり!?」
〈ユウキ、上のほうをみて。〉
「えっ、上?」

ユウキはエーフィーに言われてうえを見た。

「あっ、少し高いけど、道が続いてる!」
〈えっ、道があるんですか。〉
「本当に?でもあんな所行けないよ。どうする?」
〈私に考えがあるわ。〉
「エーフィー、どうするの?」
〈私のサイコキネンシスで上まで運ぶのはどうかしら?〉
「それいいね。」
「ユウキ君、何かいい案あったの?」
「うん。エーフィーのサイコキネンシスを使えばいいって案がエーフィーから出たんだ。」
「それでいこう。」
「よし、エーフィー、お願い。」
〈ええ。〉

エーフィーはユウキ達にサイコキネンシスをかけた。

「すごい。宙に浮くってこんな感じなんだ。」
〈僕も初めてだよ。エスパー技ってこんな使い方があったんだー。〉
〈他のタイプの技も使い方を変えれば、いろんな応用が利くのよ。〉
〈そうなんですかー。〉
「よし、着いたね。エーフィー、ありがとう。」
〈ええ、どういたしまして。〉
〈とにかく先を急いだほうがいいと思います。〉
「そうだね、ジャノビー。」

先を急いだ。

…………

AM11:00 ヤグルマの森奥地

「ここが一番奥かー。」
〈そうみたいですね。……〉
「〈!! プラズマ団!?〉」

ブラックとジャノビーがハモった。ブラックには鳴き声しか聞こえてないが。

「くそっ、ここまで追ってきたか。」
「さっきの2人だ。 ブラック!」
「何?」
「ここは手っ取り早くダブルバトルでいくよ!」
「うん、初めてだけど頑張るよ。」
「よし、エーフィー、」
「ジャノビー、」
「「お願い!」」
〈〈もちろん!〉〉
「仕方ない、あのガキどもにプラズマ団の恐ろしさを教えてやるぞ」
「おう!いけ!」
「「チョロネコ!」」

プラズマ団はチョロネコ×2をだした。
対するユウキ達はエーフィーとジャノビーだ。

「エーフィー、めいそう!」
「ジャノビー、成長!」
〈ええ。〉
〈わかったよ。〉
「攻撃しないのか。」
「俺達の恐ろしさに怖じ気づいたのか?」
〈………〉
〈………〉

相手のチョロネコは何も話さない。

「ジャノビー、グラスミキサーだ。」
「エーフィー、僕達は援護だ。サイコキネンシスでグラスミキサーを2つにわけるんだ!」
〈うん。〉
〈わかったわ。〉

エーフィーの技で草の嵐は二手に分かれた。

「「〈〈!?〉〉」」

相手は驚いている。

2人の連携プレーで二匹のチョロネコは瀕死寸前だ。

「ジャノビー、今度葉っぱカッターだ。」
「エーフィーはサイコキネンシスで葉っぱカッターの勢いを強くして。」
〈わかったよ。〉
〈さっきと同じね。わかったわ。〉

再び連携技をだした。

「「何?全く歯が立たないだと!?こんなガキに……」」

ハモっている。

「僕達が勝ったんだ!それを返せ!」
「返してあげなさい、同志達よ。」
「「!?」」
「「ゲーチス様!!」」
「でもこれでは計画が……」
「これは私達の計画には関係無いことがわかりました。」
「そうなんですか。」
「なら返すか。ほらよ。」

プラズマ団の一人は荷物を投げ捨てた。

「エーフィー!」
〈わかってるわ。〉

エーフィーはサイコキネンシスで落ちるのを防いだ。

「それでは、私達は失礼しようかな。」

そう言い残すと、プラズマ団は森の中に消えていった。

「ふうー。とりあえず取り戻せたね。  よくかんがえたら、エーフィーと話していたけど、ユウキ君ってポケモンの言葉がわかるの?」
「うん。ピカチュウになってからね。」
〈Nみたいだ……。〉
「そうなんだー。」
「まあ、解決したし、ベルたちと合流しよっか。」
「うん!」

2人のベル達と合流し、シッポウシティーに戻った。

………

PM3:00 博物館前

「今日はありがとね。」
「いいえ、私は何もしてないですよ。ブラック達だけで解決しちゃったから……」

ベルは残念そうに言った。

「いや、お礼なんて言わないで下さい。プラズマ団逃がしてしまったし……。」
「気にしないで。化石が戻ってきただけで十分よ。」
「そう言ってもらえると嬉しいです。」

相変わらずユウキは謙遜しているがブラックは素直に答えた。

「ところでベル達は明日ジム戦するんだよね。」
「うん。ユウキくんはどうするの?」
「エーフィー達も回復させたし、僕はそろそろ出発しようかな。」
「そうなの。きをつけてね。気が向いたらいつでも戻ってきなよ。いつでも歓迎するわ。」
「ありがとうございます。じゃあ、そろそろいきますね。」

ユウキはシッポウシティーを出発した。


     第2章 完


@ ( 2013/03/03(日) 03:13 )