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PM0:00 図書館
シッポウシティーの博物館には図書館も併設されている。
ユウキ達はアロエのバトルを見学し終えて、その事についての話に華が咲いていた。
〈やっぱりアロエさんはいつ見てもすごい!〉
コジョンドは珍しくめを輝かせている。
〈そうだね。 アロエさんの戦い方もわかったし、外で戦略考えよっか。〉
〈そうね。私はまずハーデリアの敵討ちの対策を考えたほうがいいと思うわ。〉
〈そうだね〜。あと、ミルホッグの催眠術も侮れないとおもうよ。〉
〈あいつ等は、正直強い。俺は昔何回闘っても勝てなかった。勝てなかったけど、ユウキと出会う前は内気だった俺とって、数少ない友達だったよ。〉
気がついたら外に出る前に作戦会議を始めていた。
〈私の特性はシンクロだから、ミルホッグは私がやった方がいいと思うわ。〉
〈そうだね。じゃあハーデリアの対策として、コジョンドの起死回生で迎え撃とうと思ってるけど、いい?〉
〈もちろんだ。俺がリベンジしたい相手はハーデリアだからな。〉
〈よし、なら決まりだね。〉
結局外に出る頃には会議は終わっていた。
………PM0:15 博物館前
〈作戦会議も終わったし、僕のトレーニングに付き合ってくれる?〉
〈うん、もちろん〜。〉
〈俺も技の調子を確かめたいからな。〉
ユウキ達が街の端で始めようとしたその時。
「キャー、あのポケモン可愛いー。絶対に私のポケモンにするわ。」
〈なんかデジャヴだな〜、この感じ。〉
ジャローダがボソッとつぶやいた。
「ミネズミ、あの黄色いポケモンに体当たりよ!〉
どうやらユウキしか視界に入ってないみたいだ。
(相手のレベルは低そうだし……。)
〈ここは、僕にやらせて。〉
〈いいわよ。今のあなたなら、きっと勝てるわ。〉
〈エーフィー、ありがとう。 よし。〉
「ピカッ!」〈いくよ!〉
ユウキは本気で闘うみたいだ。
ユウキは迫ってきたミネズミの攻撃をかわした。トレーニングの成果が出ているようだ。
〈あんた、なかなかやるわね。〉
〈何時間もトレーニングしたんだ。なめてもらったら困るよ。 くらえ、電気ショック!〉
〈くっ。〉
ゼロ距離だったので命中した。
〈あなた、確かに鍛えてるみたいね。でも、それだけでは私には勝てないわよ。〉
このミネズミ(♀)は自信家のようだ。
「ミネズミ、突進!」
〈突進!? やばい。〉
〈私の突進に耐えられるかしら?〉
ユウキを挑発している。
〈ぐっ、強い……〉
〈耐えたみたいね。でも、次で終わりよ。〉
ミネズミは勝ち誇ったように言った。
〈まだわからないだろ。 その余裕が命取りだよ。〉
ユウキは今にも倒れそうだ。
〈それは悪あがきのつもりかしら?〉
「ミネズミ、トドメの突進よ!」
〈これで最ご…………!?体が痺れて動かない!?〉
〈最後まで…わからないって…言ったでしょ。〉
〈あなた、私に何をしたの!?〉
〈こう言えばわかるかな。僕の特性は静電気だよ。〉
〈静電気!? まさか…〉
「ミネズミ!?」
ミネズミのトレーナーも驚いている。
〈そういうこと。形勢逆転だね。〉
そう言うと電光石火で急接近した。
〈くらえ、電気ショック!〉
「ミネズミ、避けて!」
〈…!?いつものスピードが出ない!?〉
ミネズミは麻痺の追加効果で素早さが下がっている。
〈うわああっ。私がここまで劣勢になるなんて……〉
「体制を立て直すよ。体当た…」
〈電光石火!〉
〈くっ。〉
命中。
〈これで最後だ、電気ショック!〉
ユウキが放った電撃がいつもより勢いが強かった。
〈コジョンド、あれって10万ボルトじゃないかしら?〉
〈確かにあれは10万ボルトだな。〉
「〈!?〉」
「私のミネズミのほうが勝手たのに……」
土煙がひくとミネズミはめをまわして倒れていた。
〈やった。勝てた。〉
〈ユウキ、やったな。〉
〈ユウキの10万ボルトすごかったよ〜。〉
〈ありがとう。 ?10万ボルト?僕って10万ボルトだしてた?〉
〈ええ。それが決め手だったわよ。〉
〈必死だったからきがつかなかった……。〉
「その子、なかなかいいバトルしてたじゃない。」
〈〈アロエさん!?〉〉
いつからいたのか、アロエがユウキを評価した。
「コジョンド、仕事はおわったわよ。良かったらそのお友達も一緒においで。」
「ジャロ!?」〈えっ!?〉
「フィッ!?」〈私たちも!?〉
「いいわよ。おいで。」
アロエは優しく言った。
「コジョッ!」〈ああ、喜んで。〉
コジョンドは頷いた。
「ピカ。」〈じゃあお言葉に甘えて…〉
この日は結局シッポウ博物館で1日休むことにした。
…………
…………
PM8:00 アロエ宅
〈あー、こうして泊まるのもひさしぶりだなー。〉
〈そうね。 ところで、ユウキ?今頭痛はしてるの?〉
〈うん。〉
〈なら、さすがにやばくない〜?ブラック以外ユウキのこと知らないし〜。〉
〈そうだけと、無言で出ていく訳にはいかなし………。〉
「あら、難しそうな顔して何考えてるの?」
今ユウキ達はアロエの部屋にいる。
〈あっ、あの方法があるわ。ユウキ、カラクサタウンでの事覚えてる?〉
〈えっ?うん。ブラックに全てを話した時の事でしょ?〉
〈そうよ。その時どうやって会話してた?〉
〈うーん………。あっ、筆談してたっけ。〉
〈そうか、その手があったか!〉
〈そうだったね。コジョンド、バッグからメモ帳とペン出してくれる?〉
〈ああ。 はい。〉
コジョンドはユウキにメモ帳とペンを渡した。
「あら、今度は何してるの?何か話してたみたいだけど……。」
「ピカピ。」〈アロエさん。〉
「ん?どうしたの?眠たいの?」
ユウキの気配に気づいたみたいだ。
ユウキは伝えたい事をメモ帳に書く。
「あら、字が書けるの!?」
アロエは突然の事に驚いている。
ユウキはメモ帳をアロエに渡した。
「えっ、私に?ええっと、{今日はありがとうございます。明日伝えたい事があるので、何が起こっても決して驚かないでください。}………。わかったわ。コジョンドの友達だもの。」
「ピカ」〈ありがとうございます。〉
ユウキはアロエからメモ帳を受け取り、伝えた。
………
AM7:00 アロエ宅
(………やっぱり戻ってるな。アロエさん、驚くだろうな。)
ユウキはまだ布団の中だ。
「はああー。もう朝ね。」
アロエは目を覚ましたようだ。
エーフィー達は既に全員起きている。
「コジョンド達、おはようさん。よく眠れた?みんな起きている………!?あんた誰よ。あの黄色いポケモンは!?」
アロエは(人間に戻った)ユウキを不審者を見るような目でみた。
「すみません、申し遅れました。ユウキと言います。訳あってピカチュウ……あー、あの黄色いポケモンになってしまう体質になってしまって……。」
「あんた、本当にあのポケモンなの?」
「信じられないのも無理ないですね………。僕の筆跡を見れば信じてもらえますよね?」
「……………」
ユウキは昨晩と同じようにメモ帳に書いた。
「………。ほぼ同じ筆跡だわ。 どうやら本当みたいね。」
「はい。アロエさん、あなたには昨日お世話になったので僕の全てを話します。………………………(省略)…………って言うことです。」
「ユウキ君あなたは凄苦労してきたみたいだね。 話に筋が通ってるし、信じるわ。」
「ありがとうございます。でも、絶対に誰にも言わないで下さい。」
「わかったわ。」
〈よかったー。アロエさんに信じてもらえて。〉
コジョンドがそう言った。
「ところで、このコジョンド達とはどういう関係なの?」
「ああ、僕のポケモンです。今みんなでジムを巡ってるんです。」
「そうだったの。 あなたのコジョンドは3年前までよく私の博物館に来てたの。」
「本人から聞いてます。」
「そうだったの。で、あなたとその子はジムリーダーの私でも知らないポケモンだね。」
「フィ?」〈私?〉
「この子はエーフィーって言うポケモンで僕の最初のポケモンです。タイプはエスパーです。」
「そのジャローダじゃなかったの!?」
「はい。僕はここからは遠いジョウト地方の出身なんです。 今はカノコタウンに住んでるはんですけど……。」
「そうなの。」
「あと、僕のポケモンの姿はピカチュウって言うポケモンです。」
「そうなのー。」
「はい。 話変わるんですけど、ジム戦受けてもらってもいいですか?」
「もちろん、いいわよ。」
「ありがとうございます。でも今日は博物館は休館日じゃあないんですか。」
「そうよ。でも、ユウキ君のために特別に相手するわ。」
「いいんですか?」
「ええ。」
〈やった。じゃああの作戦だな。〉
「うん!」
「じゃあさっそく準備するわね。11時ぐらいにジムにきて!」
「はい。」
ユウキはアロエの配慮で休館日にもかかわらずジム戦ができることになった。